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放射能を避け、 新天地で野菜作り
カタログ2012年8月1週号
最強、微生物資材 Σ菌ぼかしで自然農法にチャレンジ。
鰍りがとうファーム(岐阜県)


◆無農薬の野菜作り
 岐阜県といっても富山県にほど近い標高620〜650mの山奥、岐阜県飛騨市古川町にある(株)ありがとうファーム雲英顕一代表は、農薬・化学肥料を使わない農業を営んでいます。硝酸イオン濃度も極めて低い良質な野菜作りです。
 今春からはカタログ2011年7月4週号でご紹介したNPO百匠倶楽部ネットのΣ菌ぼかしを使った自然農法にもチャレンジを始めています。

◆アフリカの飢餓問題に関心
 1988年に大学を卒業したあと、2006年に新規就農するまで、雲英さんはサラリーマン生活をしていました。両親は農業と無縁な職業。そんな雲英さんが農業に関心を持ち始めたのは、1990年代。飢餓や環境問題に関心を持ったのがきっかけでした。
 生まれた場所が日本かアフリカか。どうしてアフリカで生まれた子どもはハゲタカの餌食になってしまうのだろうか。日本では、食べ残しの食品廃棄が大量にある実態。まずは自分で食べるものを作れるようになりたいと思いました。

◆週末ファーマが出発
 農業体験の第一歩は、1997年、千葉県栗源町(現:香取市高萩)の「くりもと地球村」。その農園で無農薬草生栽培の魅力にとりつかれました。それから3年間、自宅の横浜市から週末に通って畑を耕す週末ファーマーとして1反歩の畑と5畝の田んぼを借りて、野菜と米を栽培しました。
 2000年には、畑の近くにと千葉県へ引越し、2003年には、それまでの会社を辞め、千葉県の旭愛農生産組合で働き始めました。
 2006年秋、独立して新規就農を果たし、野菜など概ね50品目を栽培。個人宅配、飲食店宅配、生協などに出荷していました。
 農薬・化学肥料を使用せず、できる限り環境負荷の低い資材・肥料を選択し、おいしく、栄養価の高い作物のための土作りに取り組んでいました。

◆人の健康に貢献する農業者集団作り
 2008年、オルター中京の母体となっている「星の会」の星野豊さんと出会い、健康と経済を両立させ、世の中や他の人のためになる仕事ができる人になり、そうした仲間を増やし、世の中を良くしていくという考え方に共感し、環境負荷の少ない、人々の健康に貢献する作物栽培を行う自立した新規就農者を中心とした、強い農業者を増やしていくための中心的な役割を果たす経営体を作るという方向性に目覚めました。
 2009年、そのために(株)ありがとうファームを設立しました。

◆原発事故で新天地へ
 2011年5月、3・11東日本大震災に伴う福島原発事故により、千葉県成田市の田畑の放射能汚染を危惧し、放射能の心配のない現在地への移転を決意しました。移転直後に、オルター中京からオルターに紹介があり、昨年秋からオルターとのお付き合いが始まりました。また、青森県の無農薬リンゴの生産者、對馬正人さん(オルターカタログ2012年1月3週号)をオルターにご紹介いただきました。

◆自然農法にチャレンジ
 今春、2012年には、オルターがすすめているNPO百匠倶楽部ネットのΣ菌ぼかしの研修会を飛騨市で行い、地元の農家約30名にΣ菌ぼかしによる自然農法にチャレンジするよう呼びかけました。飛騨市の他の農民組織や漬け物屋さんとも協力し、硝酸イオン濃度の低い、病気を治せるオルターレベルの自然農法栽培の野菜やそれを原料にした加工品の開発を通して、新しいオルターの生産拠点を創出すべく、活動を始めています。

◆耕作放棄地を耕す
 飛騨地域は、いたるところ清流のある水源エリアですが、耕作放棄地も多い日本の典型的な過疎。高齢化の進む中山間農地が点在しています。
 このエリアの田畑を1枚ずつ、無農薬に転換し、新規就農を中心とし、経営的に成り立つ強い農業者集団作りを目指し、日本の農業の再生、自給率の向上の一助となるという目標を持っています。
 生産者や生産現場のことを理解したうえで、農作物を食べていただく消費者が、この目標を共有し、支えてくれることを期待しています。


ありがとうファームの農作物(オルター基準☆☆☆)
■栽培面積
水田63a、畑170a、ハウス14a

■栽培品目(飛騨地域に合う作物を探求中)
●夏の高原野菜…レタス、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー
●昼夜の寒暖の差によるおいしい野菜…夏イチゴ、キュウリ、トマト、ナスなど
●春・秋…小松菜、チンゲン菜、水菜、白菜、春菊、大根、カブ、にんじん、カボチャ、ニンニクなど

■栽培方法    
 農薬・化学肥料を使用せず、環境負荷のできるだけ少ない方法で、収量が上がり、味のよい農作物を育てるために、一つだけの方法に捉われずに、良いと思ったことは積極的に取り入れ、実践しています。
 気をつけていることは、C/N比(炭素比率)の高い資材。オガ粉や籾殻などの有機物が土中で腐敗しないよう、土壌の上層5cm程度に施用し、微生物の力で土壌を改良し、作物の根と微生物の共生関係の中で、作物への養分供給が過不足なく行われるような栽培体系(エンドファイトの活用)を目指しています。栽培に際しては、土壌の水はけを最重要ファクターと位置づけ、次に微生物性、最後に化学性という要素で畑の管理をしています。

●種子
有機種子、在来種へ切替中
●農薬
除草剤なども一切使用なし
●肥料
牛糞堆肥、鶏糞堆肥、貝化石。
微生物資材としてΣ菌ぼかし(原料:米ぬか、もみがら、そばがら、穀物、おから、黄圭土、Σ菌など)



―文責 西川榮郎(オルター代表)―


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