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無農薬で多種類の珍しいイチジクを栽培
カタログ2009年8月3週号
世界各地原産の珍しい品種が楽しめるイチジクセットです。


★世界の珍しい味のイチジクが楽しめます
 大阪府羽曳野市はイチジクの産地として知られています。その羽曳野市で、ふじいいちじく園の藤井延康さんは無農薬でイチジク栽培に取り組んでいます。少なくとも20種を超える世界中の珍しい品種のイチジクを栽培し、主に8月から11月のあいだ出荷しています。
 お届けは、単品のイチジクと2〜3種類が混じる「イチジクセット」です。「濃厚な甘さ」が特徴のバナーネ、「鮮やかな赤い果肉、上品な甘さ」が特徴のロードスなど、世界のイチジクの味をお楽しみ下さい。

★やっと無農薬栽培の自信が
 藤井さんは、大阪府の有機農業の草分けのお一人・河南町持尾の久門太郎兵衛さんと遠縁です。その久門さんがやっておられた「かぼちゃの学校」で私が講師に行ったことがあったので、オルターのことをご存知でした。自分の栽培技術にやっと自信が持てて、これならオルターに声をかけられる、と藤井さんは今年の春、オルターへ提携を申し出られました。
 藤井さんはかなり以前から有機農業に関心がありました。しかし自分がやることになるとは思ってもいなかったそうです。代々は農家でしたが、若い頃はファストフードチェーン本部で店舗展開やメンテナンス関係の仕事をしたり、厨房器具の会社で営業のサラリーマンをしていました。農家になったのは48才から。農業はお義兄さんが教えてくれました。
 農業はイチジク栽培を中心に、母屋の農業を手伝いながら学んでいきました。また有機農業は当時久門さんが三重県伊賀でやっておられた「天地農場」の百姓小学校へ約8ヶ月間週末に通い、手ほどきを受けました。化学物資による環境の悪化、人体への影響を知るにつれ、薬剤に対する拒否感が強くなったそうです。
 営業のサラリーマンをしていた頃にEM農法と出合い、農業を始めて3〜4年は慣行農法をしながらEMボカシを主に使っていました。当初から除草剤は全く使わず、2002年からは化学肥料をやめて有機質肥料のみの栽培にし、ここ3年間は大阪府のエコ農業の認証も取っていました。2007年から一部の圃場で無農薬・無化学肥料を始めました。2年前に「アセタミプリド」(殺虫剤)、1年前に「ヘキサコナゾール」(殺菌剤)を使用したのを最後に、2009年から全園を無農薬栽培にすべく取り組んでいます。
 有機農業に取り組んでから、果実の日持ちがよくなったそうです。慣行栽培のときは冷蔵庫でも1週間ぐらいで駄目になっていたのですが、今は1ヶ月持つことがあるそうです。また、少肥や無肥料にしてから野菜のおいしさを感じるようになったとのことで、これからは肥料の多投をしないよう心掛けていかれます。
 オルターではすでに中庸文さんが無農薬のイチジクを栽培しています。しかしいつも注文になかなか応えることができませんでした。強力な助っ人の登場となります。


ふじいいちじく園の無農薬イチジク(オルター栽培基準☆)
●品種
バナーネ(フランス)、ロードス(ギリシャ)、カドタ(イタリア)、パスティリエ(フランス)、サルタン(チュニジア)、ビオレー・ソリエス(フランス)、アーティナ(原産国不明)、アーチベル(原産国不明)、蓬莱柿(中国)、ブリジャソットグリース(スペイン)、ベローネ(フランス)、ヌアール・ド・カロン(フランス)、ブラウンターキー(トルコ)、カリフォルニアブラック(アメリカ)、ショートブリッジ(原産国不明)、コナドリア(アメリカ)、ギ・キング(原産国不明)、セレスト(原産国不明)、ネグロラルゴ(原産国不明)、ビオレードーフィン(原産国不明)

●農薬
使用なし。

●肥料
綿実油粕(綿には農薬の使用が多いのでオルターとしては問題であることを指摘し、今後は使用を止めていただきます)、EMボカシ(米糠・綿実油粕・魚カス・ソフトシリカ・カキ殻・糖蜜・EM菌)が主体です。そのほか、イチジクの枯れ葉、カニガラ、苦土石灰、セルカ、苦土セルカフミン、鶏糞(今後は使用を止めるようにしていただきました)も使っています。今後は肥料の多投を控えていただくようお願いしました。

●マルチ
黒ビニールマルチ、ワラマルチ、草生栽培。一部の畑を無肥料にして「ナギナタガヤ」「ベアリーベッチ」の草生栽培にも取り組んでいます。今後はビニールの使用は避け、ワラマルチ、草生栽培へ移行していただくようお願いしました。


市販のイチジクの問題点
●市販(慣行栽培)のイチジクの農薬使用例
 平成21年度イチジク病害虫防除暦

散布時期・・・3月中旬〜下旬
対象病害虫・・・カイガラムシ類・ハダニ類
薬剤名・・・石灰硫黄合剤

散布時期・・・5月下旬
対象病害虫・・・アザミウマ類
薬剤名・・・ジェイエース水溶剤・(オルトラン水和剤)

散布時期・・・6月上旬
対象病害虫・・・フジコナカイガラムシ・アザミウマ類
薬剤名・・・モスピラン水溶剤

散布時期・・・6月中旬〜下旬
対象病害虫・・・アザミウマ類・ヒラズハナアザミウマ・カンザワハダニ・疫病
薬剤名・・・スピノエース顆粒水和剤またはコテツフロアブル・Zボルドー

散布時期・・・7月中旬
対象病害虫・・・ハダニ類・イチジクモンサビダニ・疫病
薬剤名・・・サンマイト水和剤またはピラニカ水和剤・ランマンフロアブル

散布時期・・・7月〜8月
対象病害虫・・・キボシカミキリ
薬剤名・・・モスピラン水溶剤

散布時期・・・8月上下旬
対象病害虫・・・さび病
薬剤名・・・アンビルフロアブル

散布時期・・・8月〜9月
対象病害虫・・・ハダニ類・ショウジョウバエ類・カンザワハダニ
薬剤名・・・ニッソラン水和剤・アーデント水和剤

多年生雑草・・・ハービー液剤またはラウンドアップマックスロード


※アザミウマ類が多発する場合はスカウトフロアブル、ダントツ水溶剤、アディオン乳剤のいずれかを散布する。
※疫病にはアミスター10フロアブル、コサイドボルドーを散布する。
※ネコブセンチュウにはネマトリンエース粒剤を3月中旬頃に樹冠下に処理する。
※イチジクヒトリモドキが多発した場合は、モスピラン水溶剤かアディオン乳剤を散布する。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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