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たいへん貴重な無農薬のイチゴ
カタログ“2008年5月1週号”
たいへん貴重な無農薬のイチゴ
香り高いイチゴ、 
無農薬栽培で頑張っています。


 福岡県豊前市の緒方稔さんは、習うべき師匠もいない無農薬のイチゴ作りにチャレンジし、病虫害や異常気象と悪戦苦闘しながら9年目を迎えておられます。化学農薬を完全に否定した無農薬栽培はたいへん珍しく、あっても注文が取れるほどの生産者はなかなかおられません。
 緒方さんは農家出身ではなく、脱サラでの新規就農ですが、奥様の瞳さんが農家出身でしたので全くの素人というわけではありません。
 イチゴの無農薬栽培はなかなか難しく、緒方さんのチャレンジは無謀かと思われるほどです。しかし、「農薬を使ったイチゴは絶対作りたくない」という固い信念で、少しずつ確実に無農薬栽培の技術を向上されています。
 栽培1年目に作ったイチゴはたいへん順調で、なんで他の人も無農薬で作らないのだろうと思ったくらいだったとのこと。しかし2年目からは次々に病虫害の問題が発生し、いまだに1年目のようにうまくいく年はないそうです。
 当然収量は上がらず、そのコストを十分に理解して買ってくれる消費者にもなかなか出会えていません。売り先をインターネットなどで探しているうちに、オルターと提携している京都の自然食品店ポケットさんに声をかけたことから、オルターと出会われました。
 オルターとしても探しに探していた無農薬イチゴですので、シーズン途中からの登場となりましたが、全面的な応援を始めたいと考えています。


緒方稔さんの「いちご小町」(栽培基準☆☆)
農薬使用については☆☆☆の水準ですが、少量(慣行栽培の8割減)といえども本年2月8日まで化学肥料を使っていたので、オルター農作物栽培基準の適用はできません。しかし生産者の努力を正当に評価するために、暫定措置として☆☆でご案内します。オルターではこのような品質を伝える事のできる表示法を工夫しないといけないケースだと考えています。

●品種
あまおう、さがほのか(色は淡いが味のよい品種)、とちおとめ、紅ほっぺなど多品種を栽培しています。

●栽培方法
ハウス内の空中にプランターを設置して栽培しています。

●農薬
殺虫、殺菌、除草などに化学農薬を一切使っていません。太陽熱消毒(シーズン終了時、株を抜いてビニールをかけて太陽熱で消毒する)、黒酢、酵母菌、ニーム(泡盛で自家抽出)、海藻エキス(ピカコ)、にんにく、とうがらし、フェロモントラップ、天敵利用などを駆使して病虫害と闘っています。イチゴ苗は基本的に無農薬自家製苗ですが、炭そ病の被害に遭って欠けてしまい、一部分購入しなければならないときがありました。その購入苗に関しては農薬が使われていますが、本圃場に移植後の農薬使用はありません。

●肥料
購入有機肥料を使っています。「ことぶき有機(鶏糞、おがくず、ゼオライト、酵母菌)」「アグリPソイル(放線菌、カニガラ、ゼオライト)」。これまで追肥に液肥を使ってきました。この液肥は、有機肥料のみのものだと散水パイプが詰まって使えないという事で、やむを得ず化学肥料が少量(慣行栽培の8割減)入ったものを使用してきました。しかし私からの提案で、化学肥料入りのものは本年2月8日を最後に使用停止し、これからは有機のものをいちいち手作業で撒布していただく事になりました。


市販のイチゴの問題点
 無農薬露地栽培のイチゴは、病気や虫による食害でほとんど出荷できる果実が収穫できないため、オルターのいう複合自給野菜セットの中に入ることがあるくらいで、残念ながら現実的ではありません。
 ハウス栽培ではウドンコ病(見栄えが悪くなるので商品価値が下がる)、ダニ、アブラムシ、ヨトウムシ、スリップスなどの発生が避けられず、通常のイチゴ栽培農家では農薬を3日に空けず撒布し、シーズン中に何十回も撒布を続けています。農家自身そんなイチゴは恐ろしくて自分ではとても食べられないと思っています。
 イチゴの残留農薬を気にして洗剤で洗う人がいますが、洗ったイチゴを食べた子どもが吐き出すほどの農薬汚染があります。イチゴの残留農薬は浸透しているため洗剤で洗ったくらいでは取れないだけでなく、合成洗剤との併用で残留農薬の毒性が6倍と強まっているため、吐くほどなのです。
 イチゴのシーズンは露地栽培なら4〜5月頃、ハウス栽培なら12月からですが、一般のケーキ店では年中イチゴがケーキに乗っています。これらの多くはエジプトから運ばれてきており、ポストハーベスト農薬などの心配があります。


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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