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鮮魚から練り製品を作っている大変珍しい蒲鉾店
カタログ“2007年12月4週号”
鮮魚から練り製品を作っている大変珍しい蒲鉾店
加工すり身全盛時代にあって、昔ながらの鮮魚からの練り製品。
おいしいのは当たり前。


●職人かたぎの父の技を受け継いで

 昔の蒲鉾店には、必ずといってよいほど魚臭が漂っていた事をご記憶の事と思います。当たり前の様に魚を練り物の原料としていた時代があったのです。しかし、そんな風景は現在どこの蒲鉾屋にもありません。なぜなら原料が、手間のかからない「加工すり身」にとって変わられてしまっているからです。そして後述する様に、食品の中で食品添加物が最も多用されるものの一つになっています。
 岡久蒲鉾店の岡久雅昭さんは、現在国内の他メーカーではもはや消滅したと思われる、鮮魚を原料に使った昔ながらの練り製品作りをしています。調味料など副原料の安全性にも配慮されています。
 岡久蒲鉾店との出会いは約30年前、岡久雅昭さんのお父さんの故・岡久宏さんの時代でした。私の徳島時代の会員から「おいしいと評判の蒲鉾屋がある」と紹介されたのがきっかけでした。岡久宏さんは昔かたぎの頑固な職人さんでした。安全なものを作ってほしいという私たちの希望をすぐに理解していただき、さっそく調味料などの仕様変更に取り組んでくださいました。   

●鮮魚をさばき、石臼で自家製すり身に

 岡久さんの練り製品の原料の魚は、エソ、グチ、タチウオ、アジ、ボーゼ、コチ、トラハゼ、シタビラメ、ハモなどの徳島近海の鮮魚です。
 魚は毎朝4時過ぎに徳島の市場で仕入れ、早朝から家族総出で、相当手間のかかる手作業で3枚におろして、石臼で練り上げています。しけなどで魚が不足するような場合は、数日分冷凍することもありますが、長く冷凍した魚は魚肉がパサパサになってしまいますので、その都度鮮魚を使うのが原則です。この原料の魚の確保が一番苦労されているところです。日によって獲れる魚に違いがありますので、いつも同じ味というわけにはいかないのです。
 岡久蒲鉾店がこれまでずっと鮮魚を原料に使ってこられたのは、徳島市内の新町川に沿った工場で、魚を使った後の水を廃水処理できる設備をされていたからです。他の蒲鉾店が鮮魚を使おうとしてもまず、この廃水処理施設に費用がかかり過ぎて諦めてしまう状況があるのです。
 この鮮魚から作った自家製のすり身に、以下のような安全な調味料で味付けをしています。もちろん、化学調味料、合成保存料、合成着色料、発色剤、リン酸など食品添加物など一切使っていません。

 岡久さんは「練り製品は魚を使うのですから、その魚よりおいしいものでなければ意味がない」とおっしゃいます。


岡久蒲鉾店の練り製品
原料
@徳島近海の鮮魚…エソ、グチ、タチウオ、アジ、ボーゼ、コチ、トラハゼ、シタビラメ、ハモなど。
A三河みりん(1998年12月第1週カタログ表紙参照)
B塩…(株)海はいのちの「蒲鉾屋さんがつくったお塩・潮のハーモニー」。メキシコ塩田天日塩とダイヤソルト(株)・ 長崎のにがりを原料とした再生塩。
C種子島甘蔗分蜜糖(2000年4月第1週カタログ表紙参照)
D日高昆布からの自家製だし(原料魚の風味により、使う場合があります。)
Eじゃがいもでんぷん(北海道産、非遺伝子組換え)
F菜種油(石橋製油…オーストラリア産 非遺伝子組換え菜種、圧搾一番搾り)
G一味唐辛子…向井珍味堂
Hイカ…タイ・ベトナム産などのモンゴイカげそ(暫定品)
I野菜(ごぼう、人参、ジャガイモ、生姜、モロヘイヤ)…残念ながら現在は慣行栽培もの。

<オススメです>
●かまぼこ(原料@〜D。化粧用上塗り(上皮)にのみEのじゃがいもでんぷんを使用し、中身は無澱粉。「お正月用白かまぼこ」は上皮も無澱粉です)
●ちくわ(原料@〜E)
●平てん(原料@〜F)
●球てん(原料@〜F)
●じゃこ天(原料@〜F)
●ピリカラ天(原料@〜G)

<暫定取扱い品>
オルター仕様では通常は取扱わないレベルの原料HIが使われています。ただし、国内の現状で同等以上の品物がないため、取扱います。
●イカナゲット(原料@〜F、H)
●おでんセット(原料@〜F、ごぼう)
●やさい天(原料@〜F、ごぼう、人参)
●モロヘイヤ天(原料@〜F、モロヘイヤ)
●ひじき天(原料@〜F、ひじき)
●ごま天(原料@〜F、黒ごま)
●ごぼう天(原料@〜F、ごぼう)

【食べ方】
できるだけ加熱しないで(80℃くらいまでがよい)、生で召し上がるのがおすすめ。おでんの場合でも、最後に入れてあまり煮込まないようにするのがおいしく食べるコツです。


市販のねり製品の問題点
  市販では加工に手間がかかり、廃水処理施設も必要な鮮魚を原料にする事は、殆どあり得ません。冷凍技術の発達とともに、練り製品の原料は船上加工したタラなどの「加工すり身」になってしまいました。このすり身にはキャリーオーバーの食品添加物が多用されています。
  パサパサにならないようにリン酸塩(ピロリン酸塩など)、色が変色しないように酸化防止剤が必須です。また結着性を高める為、でんぷん(小麦でんぷん・大豆蛋白…ポストハーベスト農薬、じゃがいもでんぷん…遺伝子組換え)も使われています。市販の練り製品をおでんにした時にぶくぶく膨れるのは、すり身にこのでんぷん(元身に対して10〜12%、加水後で5〜6%)が使われているからです。この他、すり身が膨れる理由には機械で練ったすり身の蛋白質自体の性質もあります。
  岡久さんのところでは、かまぼこは無澱粉で、それ以外の品物には味わいを考慮してじゃがいもでんぷんを品物によって元身の7〜8%(最終製品の5〜6%)使っています。
  市販の練り製品には原料表示「タイ」などと書いて高級イメージを与えている食品もありますが、それはイトヨリなどのタイ科のスリ身を使っているだけです。
  次に、水による増量も心配です。最大で原料のすり身と同量の水を加水する事も行われています。そうすれば非常に安価なちくわを作り出す事もできるのです。無添加を謳う練り製品も、キャリーオーバーをほっかむりして、こういうすり身を原料にしている事が多いのです。
 副原料に使われる塩、砂糖、醤油、みりん(?)も安くて粗悪なものが一般的。その上、味付けにアミノ酸(脳障害)、発酵調味料、ブドウ糖(遺伝子組み換え)、人工甘味料、甘草、ステビア(催奇形性)、辛子粉、本ワサビ、香辛料、野菜エキス、魚介エキス、酒、酸味料などが使われています。また、すわり促進効果(ねばり)、色、艶の為に卵白、増量、艶、その他豆腐用凝固剤(塩化マグネシウム)、コラーゲン、乳蛋白質、増粘多糖類、保存剤としてソルビン酸カリウム、発色剤として亜硝酸ナトリウム、酸化防止剤としてビタミンC、pH調整剤として炭酸カルシウム、炭酸カリウム、着色剤として赤色3号、102号、104号、106号、青色1号、黄色4号、カラメル、コチニール、パプリカ色素、アナトー色素、紅麹、クチナシ、カロチノイド・ラック(カイガラムシの赤色色素)などが使われています。さらに野菜には農薬、冷凍魚介類には酸化防止剤などの薬品が使われています。
 CMで「地球にやさしい、合成保存料無添加」などと謳っているメーカーのものも、合成保存料はたとえ使わなくても、品質改良剤プロピレングライコール(毒入り輸入ワインで問題となったジエチレングライコールより毒性が強いと思われる)のような防腐効果があるものを使えばよい訳で、一切無添加という事とはかけ離れています。


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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