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地球の仲間と有機農業
カタログ“1999年10月第5週”
 食べものの安全性の基本は「情報公開」すなわち「顔のみえる関係」です。それには生産者との距離的な近さが大切なことはいうまでもありません。その立場からもオルターでは「国産」「自給」を大切にしてきています。しかし、一方で国内では生産が困難なもので、かつ志を共有できる有機農業の仲間がいる場合は、海外のものでも取り扱っているケースがあります。距離の中には「精神的」な距離もあるからです。グローバルな視点での「顔のみえる関係」、「オルタートレード」の考え方です。
 今回御紹介のナッツやドライフルーツはわらぶきの家(ネオファーム)の下村雅昭さんが関係を大切にされてきた主としてアメリカの生産者の皆さんのものです。
下村雅昭さん(右)とラス・レスターさん(くるみ農家)(左)
「わらぶきの家(ネオファーム)の有機無農薬のナッツとドライフルーツ」
●レーズン
生産者 マッカチオンファーム(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) 天日乾燥 ポストハーベストなし 保存剤など無使用
保管 開封後も密封容器に入れ、多湿を避け、冷暗所が望ましい
料理 そのまま食べる。パン、クッキーの材料に、サラダに。
●プルーン(種ぬき)
生産者 ティンバークレストファーム、テイラーファーム(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料など無使用
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。酢漬、切ってサラダにまぜる。プルーン酒。
●カシューナッツロースト
生産者 ランカーオーガニック(スリランカ)
有機農法産(認証) 遠赤焙煎ロースト ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料、植物油、調味料など無使用
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。中華料理に。
●ローストアーモンド
生産者 アンダーソンファーム(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) 焙煎(平均150℃、7〜10分)ローストのみで、油、塩など一切の添加物無使用
●ドライトマト(ロマ種)
生産者 ティンバークレストファーム(カリフォルニア州)
有機農法産
保管 (同上)
料理 3分ほどお湯に入れてやわらかくして使用。パスタ、サラダ、オムレツの具。ラベルのレシピを参照。
マイク・マッカチオンさん
グレン・アンダーソンさん(熱帯農業専門の元大学の先生)
●干しあんず
生産者 ティンバークレストファームおよびバン・ダイク・ファーム(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) オーブン乾燥 ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料(漂白剤)など無使用
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。あんず酒。
●干しいちぢく(黒ミッション種)
生産者 シモネフルーツ(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料など無使用
保管 (同上)但し、保存剤なしのため日本の気候でどうしてもカビが生えることが時にあります。その場合は返金、値引きの対象とします。
料理 そのまま食べる。ケーキ(タルト)に使用。
ジョー・パリッシュさん(シモネフルーツ)
●殻むきくるみ
生産者 ディクソンリッジファーム(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) 産地で乾燥、殻むきのあと、10日間冷凍して殺虫対策をする。
真空包装で冷蔵庫保管。
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。クルミパン、クルミあえ。
●ドライミックスフルーツ
生産者 りんご、洋梨、桃 ラインバークレストファーム(カリフォルニア州)
レーズン マッカチオンファーム(カリフォルニア州)
有機農法産(認証) ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料など無使用
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。ケーキ、クッキーの材料、カレーに煮込む。サラダのトッピング。
●ミックスナッツ
生産者 ローストアーモンド、くるみ、ローストピスタチオ、ローストカシューナッツ各々、上記記述済み
保管 (同上)
料理 テーブルスナックとして、おやつ、おつまみに。
●ドライパインアップル
生産者 加工ファイン・ドライドフーズ(メキシコ)
有機農法産 ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料無使用
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。水に戻して、ケーキやパイの材料に。
●ドライマンゴー
生産者 加工ファイン・ドライドフーズ(メキシコ)
有機農法産 ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料など無使用、保管 (同上)
料理 そのまま食べる。
●トレイルミックス
生産者 アーモンド、くるみ、カシューナッツ、レーズン、ミックスフルーツ(前述済み)ひまわりの種(有機農法産認証)
保管 (同上)
料理 そのままおやつ、おつまみに。細かくしてパンと混ぜる。
●デーツ(乾燥なつめやし)
生産者 デーツピープル(カリフォルニア州)
有機農法産 ポストハーベストなし オイルコーティング、保存料など無使用
保管 購入後、冷蔵貯蔵が望ましい
料理 そのまま食べる。
●ドライブルーベリー
生産者 ブルーベリーリッジファーム(オレゴン州)
有機農法産(オレゴンティルス認定申請中) ショ糖など糖分、植物油によるオイルコーティング、など一切無添加
保管 (同上)
料理 そのまま食べる。
●おいしいあられとナッツ達
生産者 アーモンド、くるみ、カシューナッツ、(前述済み)あられ 井関製菓(オルター生産者)
保管 (同上)
●バジルペーストプレーン
生産者 (株)ファインド・ニューズ
原料 バジル有機栽培(大分県和田農園など)、オリーブ油スペイン産オーガニック、赤穂の天塩、ガーリック
料理 パスタとあえる。トーストにぬる。トマトの輪切りとカマンベールスライスをサンドしてペーストをかけて食べる。ドレッシング、スープ、オムレツ、炒め物。
料理 そのままおやつに。
海外有機農産物の取組みとオルタートレード
 10年以上東南アジアの農業開発に様々な形で携わってきた私にとって、アメリカの有機農業との出会いは新しい発見でした。 
 今から考えると、アメリカに有機農業があっても全く不思議ではないのですが、5年程前ふと目にした雑誌で、アメリカの消費者に安全な食品や有機農産物への関心が高まっている事を知り、当時有機農業を始めたばかりの私は、海の向こうの事情とはいえ何か参考になる事があるかもしれないとつてを頼り、アメリカのアーモンドや果樹栽培有機農家数軒に自分のプロフィールを述べ、情報交換したい旨の手紙を送りました。しばらくして嬉しいことに手紙を出した相手は勿論、彼等から紹介されたのか、他にも数人の有機農業者が好意的な返事をよこしてくれたのです。
 少なくとも、この頃の私のアメリカ農業のイメージは、不毛の大地に設備と農薬、化学肥料を持込み、膨大な面積の土地と環境を疲弊させながら、莫大な量の農産物を生産するといったものでした。でも、彼等の手紙を読むうちに、そんなアメリカの農業を憂えて小さい農場ながらも(彼等の多くがアメリカでごく平均規模の農家です)懸命に有機農業に取り組んでいる彼等の話を聞き、海の向こうでも同じ事をやっている農家がいるんだなと認識しました。そして彼等から、自分達の有機農産物を日本の理解ある消費者に買ってもらえないかという問い合わせを受けた時、現在の日本の食生活の中で、日本で栽培できないか、又は入手が難しい作物を彼等から買う事で何か新しい交流が生まれるのではないかと考えたのです。
 日本の農業を守る、農業を推進する、食糧自給率を高めるといった議論は私も勿論賛成です。ただ、私は数時間を費やしてそういった議論をするよりは、その時間を草取りに使う方が、日本の農業−有機農業を続けていく−そう、自分達の手で田畑を耕し、農地を保全し、生態系を守ってゆくことが最良の手段と信じています。
 そして、草取りをしながら時々私の心はアジアやアメリカに飛んでいきます。(だから時々間違えて野菜の苗をむしったりしてしまいますが・・・)カリフォルニアの陽光の下一面に広がる有機農場、昔住んでいた東北タイの赤茶けた大地、そして、そこで自分達の信念も持って農業に取り組む人達。彼等を思う時、日本の農業だけでなく、私達は世界の中の日本人として地球の環境を守る為、世界の農業にも目を向け、世界の生産者と交流しなければいけないと思うのです。
 私達日本人は、今や世界の中で有数の大消費者です。私達が国内の食糧自給を唱える一方で、世界の農家は私達消費者の食生活に注目しています。私達が飽食に明け暮れ、薬づけの野菜や食品に何の不安も抱かなければ、世界の生産者はそれに見合った農業を続けるでしょう。
 そうです、私達の食の安全、健康、有機農産物に対する取り組みと健全な消費が世界全体の農業を少なからず正しい方向に導くはずです。
 農産物の輸入にはくん蒸処理といった避けられない問題もあり、まだまだ改善しなければなりません。しかし、現在の、そして将来の私達の食生活の中には日本で栽培できないもの、又、栽培できても需要に見合う生産ができないものが数多くあります。私達の豊かで、そして正しい食生活を続けていく為には、海外の有機農業者とのコミュニケーションとグローバルな共同購入が必要です。
 中間業者に歪曲される事無く、正しい生産者と正しい消費者を結び、グローバルな産直、そんな仕事をしています。                             わらぶきの家  下村雅昭

    −文責 西川栄郎−


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