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この号から興農ファームの牛肉は全品熟成肉に切り替わります。
◆牛肉本来の健康な赤身 興農ファームの主力の肉牛は、ホルスタインの雄の子牛を肥育するYBB(若齢未去勢牛)です。ホルスタインは酪農の盛んな北海道の条件からで、未去勢牛を使う理由は「女性ホルモン剤を投与していない証し」「増体効率がよく若齢肥育が可能」「脂肪の少ない赤身牛肉になる」の3つです。 YBBは、赤身内脂肪(いわゆるサシ)が少ない赤身牛肉なので、毎日の食事で脂質過剰になりがちな現代人にとってヘルシーな牛肉です。あっさりした風味で食べ飽きせず、噛むほどに味わい深い旨み…これが本来の健康的な牛肉。でも「安全なのは分かるけれど、やっぱり硬い」というご意見も多く届いていました。 オルターが国内で最も安全性が高いと評価する牛肉を、もっとたくさんの方に食べていただきたい。そこで、熟成期間を長くする工夫を始めました。
◆長期熟成で柔らかく、おいしく 品種・飼い方・エサのこだわりは従来のまま。北海道畜産公社北見事業所で屠畜後1〜2日枝肉(骨付き状態)で肉を冷やしてから脱骨し、ヒレ・サーロイン・リブロース・モモなど各パーツに分けます。それら各パーツをブロックごとに真空包装にして箱詰めし、畜産公社のチルド室(0〜1℃)で4週間寝かせ、じっくり熟成させます。その間に牛肉のたんぱく質が酵素の働きによって旨み成分であるアミノ酸に変わります。 長期熟成を経たYBB赤身牛肉は、柔らかくなり旨みが増して、文句なしのおいしさ。試食したオルタースタッフから「これが興農ファームの牛肉?」と、驚きの声が上がりました。 日本に安全な畜産を広げていくため、オルターはこれからも興農ファームと協力を続けます。柔らかく、一層おいしくなったYBB赤身牛肉を、ぜひお試しください。
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■品種 ホルスタインの雄。子牛はすべて顔の見える標津農協管内の酪農生産者から購入。 子牛は生後10日で興農ファームに引き取られ、狂牛病で問題となる肉骨粉などのない 特製のミルクから育てられます。
■飼い方 開放型牛舎で去勢しないまま飼育し、生後16〜17ヶ月で出荷(若年齢肥育)。雄牛の角も除きません。 動物医薬品は5種混合ワクチン、クロストワクチンを使用。 発熱時や細菌性下痢で重症の場合や外傷時に抗生物質を使用する程度で、必要最小限しか使用しません。
■エサ ●牧草 農薬・化学肥料を一切使用しない有機栽培牧草(チモシー、イタリアン、オーチャード、クローバーなど)をたっぷり食べさせています。 ●発酵飼料 材料の87%が国産の農業残渣物(くず小麦、くず米、くずじゃがいも、じゃがいも皮、道産大豆、じゃがいもでんぷん粉、ビートパルプ、雑豆、酒粕、ふすま、米ぬか)で、残りの13%が輸入穀物(トウモロコシ、麦、ふすま:すべて非遺伝子組み換え農産物)です。肉骨粉を含め、動物性飼料はこれまでも一切使用していません。 またポストハーベスト農薬、遺伝子組み換えも排除しています。生涯で1頭当たり、牧草以外の上記発酵飼料は約4,000kgと比較的少量しか与えていません。
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ブラックアンガス牛肉はYBBより柔らかいですが、 こちらも2014年1月頃から長期熟成して出荷する予定です。
■品種 (ブラックアンガス雌×黒毛和牛雄)×ブラックアンガス雌。 交配は自然交配。農場で飼育している母牛から生まれる 雄の子牛のみを育てています。雌の子牛は将来の母牛候補です。
■飼い方 昼夜放牧。冬も雪の上に放牧。出荷直前の肥育期間は舎飼い。 ワクチン、動物医薬品は全く使用していません。
■エサ 牧草・発酵飼料…YBBと同じ。 母牛や雌牛は放牧され、エサは牧草だけです。 肉牛として出荷する雄牛は生後1〜1.5ヶ月の授乳期は 母乳と牧草だけ、その後8ヶ月齢頃までは放牧されて牧草だけで育ちます。出荷直前の肥育期間は牧草を主体に、補助的に発酵飼料を少量与えます。 生涯で1頭当たり、牧草以外の上記発酵飼料は約1,000kgと極めて少量です(YBBと比べても1/4)。
―文責 西川榮郎(NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター代表)―
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