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毒性が弱い、残存効力の短い農薬を最少限度に使って、 減農薬栽培をしています。
◆りんご園の土はフカフカ 青森県では、全国のりんごの生産量の50%以上のりんごを栽培しています。そのりんごの本場で、津軽産直組合の斉藤 武雄代表ら40世帯は有機質肥料、減農薬栽培でりんご作りをしています。 津軽産直組合のりんごはおいしいりんごです。その訳は、りんごの樹の葉にあります。他のりんご園の葉が不揃いで元気がないのに対して、津軽産直組合のりんごの葉は、実によく揃っていて、葉に丸みがあり葉肉が厚く、硬く、葉脈もきっちりとしています。 土もよく肥えていて、除草剤も使いません。除草は草刈機での年5〜6回の除草なのです。刈った草は樹の下に草抑えや有機肥料として還元します。 りんご栽培の基本は土作りです。堆肥(リンゴジュースの搾りかすなど)を10aあたり1t以上、さらに有機石灰(焼成かき殻)や天然苦土、アミノ酸配合肥料(有機100%・魚液)を施肥しています。土壌分析を、担当の斉藤 篤寿さんが年2〜3回行い、りんごの生育をよく観察しています。土壌pHを一定(pH6.5弱酸性)にし、土壌の有効微生物を増殖させ、地力を高い状態にしています。ミミズや微生物によってりんご園の土はフカフカです。そうすることによって、りんごの根(とくに細根)の発育が非常に旺盛になり、病害虫への抵抗性も強くなるのです。 農薬は一般栽培(青森県36カウント、長野県38カウント)の半分以下の18カウント以下(6回)にし、しかも極力毒性の弱い、残存効力の短い農薬を選んで、病害虫が発生したらやむなく必要最少限に散布しています。もう少し少なくできる自信があるとのことです。 オルターへの出荷は、津軽産直組合のメンバーの中でも農薬使用量が最も少ない生産者、斉藤 武雄代表、斉藤 篤寿さん、斉藤 充弘さんの3名に現在のところ限定しています。この3名の農薬使用量は12〜13カウント(4回)です。
◆いくつもの失敗を乗り越えて 代表の斉藤 武雄さんは、若い頃親元を離れて、東京で農業関係の出版社に勤めておられました。そこで、当時盛んだった電子農法に出会い、それに魅力を感じて、帰郷してりんご作りに取り組みました。それから7〜8年後、電子農法に限界を感じ、有機農業へ転じました。青森県の有機農業によるりんご作りの草分けのお一人です。 いつしか仲間も拡がっていったのですが、失敗続きだった当初の頃の仲間の多くは挫折してしまいました。木が枯れて死んでいくのが一番の苦労だったとのことです。栽培に自信がついたのは、13年くらい前のことです。現在、津軽産直組合の仲間は40世帯、平均年齢が40歳台の頼もしい中堅です。
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■オルターへ現在出荷いただいている生産者
斉藤 武雄 斉藤 篤寿 斉藤 充弘
■その他、津軽産直組合のメンバー 今後農薬を減らす努力をお願いしている生産者
大坂 隆典 斉藤 靖裕 新谷 敏広 新谷 勝義 新谷 勝彦 新谷 金治 斉藤 栄造 成田 正行 今 柾彦 佐々木 光則 品川 一彦
木村 修進 金田 新弥 三浦 正志 斉藤 正志 西村 茂 赤石 健三 赤石 栄一 堀場 高宏 斉藤 貢 伊藤 芳仁 木村 誠
太田 稔 小笠原 秀一 安部 文保 安部 正勝 小林 秀造 小林 史昭 斉藤 康児 斉藤 信一 須藤 大 宮崎 敏治 宮崎 尚彦
■栽培品種
つがる、千秋、北斗、ジョナゴールド、むつ、王林、ふじ、紅玉
■栽培の特徴
●減農薬栽培(オルター基準 ◆ )
●有機質肥料 グロノリン酸(海鳥リン酸) ハーモニーシエル(貝殻) 古代天然苦土 SRG(米糠) オーガニック8-5-3(魚液) 発酵鶏糞 りんご搾り粕堆肥
●無袋栽培 一部の品種(千秋のみ)を除き、無袋栽培です。太陽の光を充分に当てています。無理に葉を摘んだり、反射シートで着色をよくする外観重視のりんご作りをしていません。
●適期収穫 りんごはなっている場所によって熟期がかなり違います。収穫は熟れた実から順に収穫します。味の良いりんご作りを徹底しています。
●冷蔵貯蔵 収穫したらただちに自前の大型冷蔵庫(20kg箱で18,000箱)に保管します。注文に応じて出荷します。
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●4月上旬(ふじ芽出)・・・モニリア病、フラン病 ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・なし ・慣行栽培 基準薬剤・・・マシン油、ベフラン
●4月下旬(芽出10日後)・・・モニリア病、黒星病 ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・ベフラン、マシン油 ・慣行栽培 基準薬剤・・・ユニックス
●5月上旬(落下直前)・・・黒星病、うどんこ病、斑点落葉病、ミダレカクモンハマキ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・インダーフロアブル、アダブロンSC ・慣行栽培 基準薬剤・・・アンビルフロアブル、ロムダンフロアブル
●5月中旬〜下旬(落下直後)・・・黒星病、斑点落葉病、うどんこ病、ミダレカクモンハマキ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・オンリーワンフロアブル、アダブロンSC ・慣行栽培 基準薬剤・・・スコア、カスケード
●6月上旬〜6月中旬 @黒星病、斑点落葉病、うどんこ病、コナカイガラムシ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・スコア、バリアード ・慣行栽培 基準薬剤・・・クレミクス、パールノックスフロアブル、スプラサイド A黒星病、斑点落葉病、すす点、すす斑病、コナカイガラムシ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・スコア、バリアード ・慣行栽培 基準薬剤・・・クレミクス、プラウ、エルサン
●6月下旬〜7月上旬 @黒星病、斑点落葉病、すす点、すす斑病、ハダニ類 ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・アントラコール、サイハロン ・慣行栽培 基準薬剤・・・有機銅、テルスター、バロックフロアブル A斑点落葉病、炭素病、ハダニ類、モモシンクイガ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・アントラコール、サイハロン ・慣行栽培 基準薬剤・・・アントラコール、モスビラン
●7月中旬〜7月下旬 @斑点落葉病、炭素病、ハダニ類、腐らん病 ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・キノンドーフロアブル、モスピラン ・慣行栽培 基準薬剤・・・有機銅、トップジンM、ダイアジノン A斑点落葉病、炭素病、ハダニ類、コナカイガラムシ、ギンモンハモグリガ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・キノンドーフロアブル、モスピラン ・慣行栽培 基準薬剤・・・アリエッティC、ミクロデナポン、カルシウム剤
●8月上旬・・・斑点落葉病、炭素病、ハダニ類、モモシンクイガ、ギンモンハモグリガ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・フリントフロアブル、バイスロイドEW、コロマイト ・慣行栽培 基準薬剤・・・ダイパワー、ダーズバン、カルシウム剤
●8月中旬〜8月下旬 @斑点落葉病、ハダニ類、ギンモンハモグリガ ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・ストロビードライフロアブル、ロディ ・慣行栽培 基準薬剤・・・ストロビードライフロアブル、ロディ A黒星病、斑点落葉病、すす点、すす斑病、ハダニ類、モモシンクイガ、シャクトリムシ類 ・津軽産直組合の栽培 撒布資材・・・ストロビードライフロアブル、ロディ ・慣行栽培 基準薬剤・・・ストロビードライフロアブル、ダントツ、コロマイト、カルシウム剤
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拙著「あなたのいのちを守る食べもの百科」 P60をご参照ください。
―文責 西川榮郎(NPO 安全な食べものネットワーク オルター代表)―
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