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西原式育児について
オルター通信959号記事
西原式育児について
上木めぐみさんからのおたより

 私が西原式育児法を知ったのは二人目を妊娠した頃でした。学校給食と子どもの健康を考える会の活動中、代表の幕内秀夫氏が度々「日本の離乳食開始は早すぎるよ、2歳までは母乳だけで十分健康に育つのに」というような事を常々仰っていたのと、「アメリカでは2歳まで母乳だけで育てる人が多い」という噂を以前から耳にしていたので、その遅い離乳食の育児法についてインターネットで調べてみました。すると西原先生のホームページを始め、西原式育児実践中のママが作るホームページを色々見つけ、どれもこれも思わずうなずく内容だったのです。
 西原先生は口腔科の医師で、増え続ける多くの免疫病患者さんと接し、その原因を探っていく内に子育ての問題に突き当たったそうですが、その問題点を見直すのに次のようなポイントをあげています。
@離乳食は1歳すぎてから(2歳半までは母乳のみで大丈夫)
Aおしゃぶりを4〜5歳まで活用する(鼻呼吸の促進)
Bハイハイは充分にさせる(床や色んな物を舐めるくらいが良い)
C眠るときには仰向け寝で(口呼吸、骨の変形などを防ぐ)
D幼いうちは歩かせ過ぎない(過度の運動はO脚の原因になる)
E冷たい物は与えず温かく育てる(低体温になると腸内細菌が増殖)
などなど、どれもそんなに難しくはないように思いました。そして西原先生の著書も読み、改めて共感し、世間よりたった半年ほど離乳食を遅らせる事で生涯アレルギーなどのトラブルが大幅に軽減されるのなら、子どものためにはそうしてやりたい、と思いました。やはり離乳食は遅いスタートが良さそうだと感じたのです。
 西原式育児法は、現在日本に定着している「スポック博士の育児書」が土台となった育児法とは全然違うので、賛否両論あるようです。例えば世間一般の目で見れば「1歳すぎてもタンパク質を食べない」のは変ですし、「4〜5歳でおしゃぶりをしている子ども」も日本では変でしょう。ワーキングマザーが見れば、離乳食が進まない事にはいつまでも手がかかり、働く母親には優しくない育児法でしょう。また、理解を示しそうな分野の方でも、例えば玄米菜食の方がみれば「重湯は純白米に限る」というのは変でしょうし(西原式では胚芽はタンパク質なので控えます)、母乳育児推薦している方が見れば「母乳が出ないなら乳児用ミルクでもよし」としている点も変です。はい、西原式育児法は今の日本の常識からすると変なことだらけです。でも全てはあくまでも「人という哺乳動物が健康に育つため、生まれ持った機能(自然の摂理)に沿った育児法」なのだと私は思います。
 西原式に限らず何事もそうですが、必ずしもコレが絶対、コレでないとダメ、という物事はないと思います。合う合わない、出来る出来ないの違いが各々あるでしょうから。でも子どもを育てる方は、まず世間の常識や育児ビジネスに惑わされず、学んでほしいと思うのです。今の常識化している日本の育児法が赤ちゃんにとって本当に相応しいのかどうかを。
 西原式育児法を忠実に実践するのは難しい部分もあるかもしれません。まず母親だけでなく父親もこの育児法を理解していないことには難しいでしょうし、世間(行政)や身内からの圧力(離乳食催促)に立ち向かう覚悟や知識も必要かもしれません。忠実に実践しようと思えば今の日本では結構大変です。我が家の場合、幸い夫も祖父母も「思うようにやってみたらいい」と理解を示してくれて助かりました。世間の方々はというと、意外と西原式育児法に興味を示される事もあるほどで、保健所の検診でもお説教される事もありませんでした(この人には言っても無駄だ、と思われているのかもしれません)。家族や周囲が理解を示さなくても、この育児法で赤ちゃんを育てていくと、赤ちゃん自身がまさに「すくすく」と元気でピカピカに育っていくので、その様子や姿を見れば周囲は自然と理解していくのではないでしょうか。
 私は、離乳食は絶対に1歳すぎてから!と強く思っている訳ではありませんし、母乳が出ないからと乳児用ミルクを与えるつもりもありません(出なければ桶谷式乳房手技などを受けて出す努力をするでしょう)。でも、西原式育児に大変共感していますので、出来る限り西原式で育てたいと思っています。子育てで大事なのは「誰々がどうこう言ってたから」という事よりも、「その子自身の様子をよく観察して判断すること」だと思うのです。その観察方法や判断を間違えないための正しい指針を、西原式育児はきっぱりと示していると思います。
(E121コース会員)



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