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イメージを一新するラム肉
カタログ2010年2月3週号
臭みがなく、おいしい安全な最高級の羊肉。羊毛製品もすぐれもの。


◆牛肉以上においしい
 北海道名産ジンギスカンも含めて、市販の羊肉の99.5%以上は輸入肉で、タレでごまかさないと食べにくいような臭い羊肉が定番となっています。このため日本国内では羊肉の評価が低く、好んで食べる人もあまりいません。しかし本来の羊肉は牛肉以上においしく、日本国内ではなかなか食べることができない贅沢といえるほどの貴重品です。
 北海道白糠郡白糠町にある茶路めん羊牧場の武藤浩史さんは、ポストハーベスト農薬や遺伝子組み換え農作物の心配な輸入穀物の飼料に頼らず、牧草地へ放牧して牧草をたっぷり食べさせ、肥育時に与える飼料も主に安全な国産飼料という、健康で安全なめん羊牧場を営んでいます。育て方がよいので、市販の羊肉のイメージを一新するおいしさです。そのため「日本にはおいしい羊肉がない」と嘆いていた、海外でおいしい羊肉を食べてきた人にとっても、満足できる羊肉になっています。市販の肉が食べられないアトピーの子にも選択の幅が広がります。

◆草地放牧でのびのびと育っています 
 13haの牧場で約300頭の母羊と子羊300頭を飼っています。品種はサフォーク、ポールドーセットを主体に、チェビオット、フライスランド、ペレンデール、サウスダウンの雑種、ほか数種です。
 放牧は牧草地を小さなブロックに区切り巡回させるニュージーランド方式の草地管理技術を応用した方法で、終日行っています。草地には化学肥料を排除し、自家生産堆肥を還元しています。ただし冬期間不足する乾し草は近隣の牧場より購入していますので、これについては化学肥料なしとはいえません。年数回行う寄生虫駆除は子羊を中心に実施します。抗生物質の予防的使用は行いません。必要な場合は、対処療法的に限定的使用にとどめています。5種混合ワクチンと冬期間不足するビタミンの投与は行っています。
 肥育と妊娠・授乳中の母羊に使う自家配合飼料は遺伝子組み換え作物やポストハーベスト農薬を一切排除しており、国産小麦、国産ビートパルプ、国産大豆、輸入ルーサンペレットを使っています。一部子羊の哺乳には市販の羊用代用乳を使用していますが、近所のチーズ工房のホエーも与えています。

◆めん羊飼育一筋の人生
 武藤浩史さんは京都市出身。帯広畜産大学大学院を卒業し、カナダアルバータ州の肉牛・羊農家で実習、さらに帯広市のある会社の付属牧場で山羊の飼育を経験したあと、現在の北海道白糠町に1987年に入植され、めん羊飼育一筋の人生を送っています。
 ラム肉などの羊肉やソーセージ他加工品を出荷するかたわら、羊の生産物の有効利用を目指し、サフォーク靴下、サフォークベスト、羊毛布団、羊毛枕、さらにはムートンやシープソープ(羊の体脂肪から作る石けん)など、様々なこだわり・ほんもののオリジナル羊関連製品作りにも取り組んでいます。オルターへのご紹介は神戸消費者クラブの前迫志郎さんからでした。


茶路めん羊牧場の羊関連製品
■ラム肉 
 羊肉は1年未満の子羊を「ラム」といい、1年以上の成羊肉を「マトン」といいます。マトンとラムの中間として15〜20ヵ月齢までをホゲットとして分けることがあります。茶路めん羊牧場では通年「ラム肉」を扱いますが、成長の個体差や季節繁殖性により、一部12〜15ヵ月齢のホゲットを出荷します。ラムはやわらかく、消化しやすいお肉です。ビタミンBをはじめビタミン類や鉄分などのミネラルが豊富で、また旨み成分のイノシン酸や体脂肪を燃やす効果のあるカルニチン酸などの有機酸が多く含まれます。牛肉同様レアーで食べられます。
 羊は釧路の屠場で屠殺後、牧場の加工場で解体、真空包装し、フレッシュで屠殺日より1週間以内に加工します。真空包装、冷蔵保存(5℃以下)で屠殺後3週間はおいしくお召し上がりいただけます。但し、賞味期限は製造日より10日間とします。配送後8日間以内にお召し上がりください。
 羊骨ブイヨンにはオルターの生産者・亀田嘉さんの無農薬ローリエを使用してい
ます。

■原毛
 糸紡ぎ用には、クォリティーの高いものを選別して汚れた部分を取り除いた状態で1頭単位で販売します。その他の原毛は用途別に分けて、大阪府の横田染工場で洗っています。残念ながら工業用モノゲン(合成洗剤)で洗っていますが、漂白処理や混入したゴミを酸で融かして取り除く化炭処理はしていません。

■サフォーク靴下
 サフォーク靴下は、岩手県の山本実紀さんの長年の試行錯誤の努力により製品化されました。サフォークの羊毛は弾力性があり空気をいっぱい含むので保温性に優れていますが、サフォークウールの中でもホゲットという、生まれた翌年に初めて毛刈りされる柔らかめのウールを選び、繊維の太さも58〜60's(羊毛繊維の太さを表す番手という単位で、58〜60'sは細番手に属する)という細めのものを選んで、柔らかさを実現しています。靴下用紡毛糸についてはナイロンとウレタンを混ぜることで補強しています(ウール87%、ナイロン8%、ポリウレタン5%)。茶色の糸は輸入アルパカを混ぜた羊毛を使用。
 足下を暖め、汗を吸収し、蒸れずに臭いも防いでくれます。冷え性の方や水虫の方にも好評。冬のアウトドアやレジャーにも最適です。家の中の廊下などではすべりやすいのでご注意を。

■サフォークベスト
 サフォークの親の毛を使って作った羊毛100%の生成の糸で、靴下同様、山本実紀さんの開発品です。春・秋はシャツの上に着て、冬は防寒の役目でジャケットやセーターの中に着られます。

■サフォークケープ
 ベストと同じ糸で作られています。背中の模様が可愛いケープです。肩から羊毛の暖かさが伝わります。

■サフォークチューブ
 頭からかぶって肩にかけて羽織り、おしゃれに着こなして暖かさも実感してもらえます。

■羊毛布団
 牧場産サフォーク、ポールドーセット、それら雑種主体の羊毛100%の羊毛布団。弾力、復元力に優れ、ボリュームがあるダウンタイプのウールは空気をいっぱい含み、断熱性、吸湿性、撥水性にすぐれており、布団綿に適しています。また羊毛は炭のようにシックハウス症候群の原因となる環境中の化学物質を吸着し、それを浄化する作用があるといわれています。羊毛は難燃性で火災に強い素材です。
 北海道士別市の井上ふとん店の工場で、手作業の職人の技術を活かした昔ながらのカーディングマシン(骨董品)で製綿しています。そのため、長い繊維を切ることなく(高速のカーディングマシンだと短く切れる)柔軟性のある上質の綿に仕上がります。
 布団生地は無地生成綿100%、中の綿が出てこないようウールプルーフ加工を施したものを使用します。最近ダニをも通さないという高気密繊維生地がありますが、これは通気性・吸湿性の阻害となり、羊毛を使う意味が薄れますのでおすすめしません。ダニ対策はユーカリプタスオイルでご紹介した服部芳樹先生ご提案の「サンバッグ」や布団乾燥機の使用をおすすめします。
 受注後、1枚ごとに製綿・縫製して製造します。予約後およそ2週間でのお届けです。羊毛綿は復元力が優れており、打ち直しをすれば目減り分を増量してリフレッシュして使えます。そのアフターケアにも応じます。長身用、ベッドパットや子ども用サイズ、こたつ布団などのご要望に対応可能です。

■羊毛枕
 サフォーク種をはじめとしたダウンタイプの羊毛綿750gをロール状にきっちりと詰め込んだ羊毛枕は、弾力性、柔軟性、吸湿性、撥水性、適度な固さ、反発力を持ち、頭にフィットして心地よく眠れます。通気性にも優れていますので夏でも暑すぎることはありません。

■ムートン(子羊の毛皮)
 長野県の(株)ニチロ毛皮にてムートンに加工しています。吸湿発汗作用、保温効果があり蒸れません。寝る時に敷き布団の上に敷き、腰にあてるだけで、暖かいだけでなく腰痛にもよいです。長期の寝たきりで床ずれでお困りの方には、床ずれ部分に敷くとムートンはシワになりづらく床ずれ防止にもなります。特にミルクラムのムートンは柔らかな手触りで、ベビーベッドに敷くと赤ちゃんをやさしく保持します。

■シープソープ
 羊の脂を使った化粧石けんを3月末をめどに製品化する予定です。札幌にあるジェルデザインで製造します。非加熱静置法で脂肪と苛性ソーダをゆっくり反応させ、保湿成分であるグリセリンを含んだ石けんです。防腐剤、合成香料、合成着色料など一切無添加です。医薬部外品・化粧石けんの許可の取得を目指しています。

■羊料理の本
 著者:武藤浩史、料理人:河内忠一、編集出版:スピナッツ。羊料理の参考に。

■ヒツジの絵本
 文:武藤浩史、絵:スズキコージ、出版社:農文協。羊の歴史、生態、生活、利用法など小学校高学年以上向けにわかりやすく解説。


※「サフォークケープ」「フォークチューブ」「シープソープ」は今回企画がありません。


市販の羊肉の問題点
 市販の99.5%は輸入肉です。羊の海綿状脳症スクレイピーを心配されるかもしれませんが、疫学的にスクレイピーは人には感染しないとわかっています。1歳以上の羊は牛同様、屠殺時にTSE検査が義務付けられており、危険部位は廃棄されます。
 輸入羊肉は独特の臭みがあって、一度食べた人は羊肉の悪いイメージが定着しています。本来羊肉が臭いわけではありませんので、なぜ臭いのか不思議なのですが、様々な要因が重なっているようです。
 現在もそうしているかは分かりませんが、かつて小樽港に入荷してきた冷凍の輸入枝肉は水槽につけて融かし、解凍後さばいて再冷凍し、さらにスライスして出荷されていました。このように冷凍・解凍を繰り返すとドリップが出て、酸化も進みます。羊脂には健康的な不飽和脂肪酸が牛や豚に比べるとやや多く含まれていますので、魚ほどではありませんが酸化を受けやすく、酸化臭の原因となります。どうしても輸入肉は保管が長期にわたるため、酸化臭が避けられないのでしょう。最近、生ラムと謳ってチルドでオーストラリアやニュージーランドから届いているものがありますが、それでも鮮度の差があるのか、茶路めん羊牧場の羊肉とは味に差があります。
 国産羊肉は現在一般市場にはほとんど出回っていませんが、あっても飼料について遺伝子組み換えやポストハーベスト農薬に配慮していることはまずありません。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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