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今どき珍しい架掛け乾燥の無農薬米
カタログ2010年2月4週号
貴重な天日乾燥のお米。
手間をかけた分、さらにおいしくなっています。


◆文句なしにおいしいお米
 山形県東置賜郡高畠町の高畠町有機農業提携センターの中川信行さんたちは、種子の消毒から収穫までの栽培の全行程中、一切の農薬を使わずお米を作っています。
 除草剤を使わない除草対策としては、合鴨農法、米ぬか除草、深水管理、手取り除草などの工夫をこらしています。
 防除対策は粗植を基本としています。カメムシ対策、イモチ病対策にはニーム(せんだん)エキスや木酢液を活用することがあります。種子消毒はお湯を使った低温殺菌です。
 無農薬米というだけでなく、味の上でもオルターいち押しのお米です。昼夜の寒暖差の大きい山形という気候条件がおいしいお米を育むのも大きな理由ですが、高畠町有機農業提携センターの生産者の皆さんが、今時たいへん珍しくなった昔ながらの架(はさ)掛け乾燥という方法でお米を天日乾燥しているのも注目すべきことです。杭に掛けて乾燥する間に稲の養分がお米へ移行し、さらにお米の味が良くなるのです。
 架掛けはたいへん手間のかかる作業です。昨今はほとんどの農家が手間のかからない機械による火力乾燥に頼っており、この地方でも「架掛け」「杭掛け」という言葉は死語になりつつあります。中川さんらはおいしいお米を作ろうという熱意で続けています。

◆日本の有機農業の草分け的存在
 高畠町有機農業提携センターの生産者の皆さんは、日本有機農業研究会の生みの親で元会長の故・一楽照雄さんが、イギリスで命名されたオーガニック農業を日本国内で初めて「有機農業」という言葉を使って紹介した初期の頃から、高畠町有機農業研究会として有機農業に取り組んできました。その活躍は有吉佐和子著「複合汚染」にも紹介されました。
 高畠町の有機農業の中心的存在は星寛治さんで、農民詩人としても知られ、地元の教育委員長として長く務められました。星さんや中川さんらの長年にわたる努力で、上和田有機米生産組合など6団体で高畠町有機農業推進協議会も立ち上がり、減農薬栽培まで含めると高畠町の農家のじつに半数以上が有機農業に取り組むまでにその活動が拡がっています。今では高畠町自体が「たかはた有機の里」と世に知られ、高畠町をかたるニセモノまで登場する騒ぎとなるほどです。2009年には遺伝子組み換え作物を規制する町の条例も作りました。
 私と高畠町有機農業研究会の出会いは30年以上前、私が徳島暮らしをよくする会を発足させた直後に「たかが葉っぱの話から」の著者、白根節子さんのお姉さんである鈴蘭台食品公害セミナーの当時の代表・安藤康子さんから、星さんたちのりんごを紹介されたことがきっかけでした。現在オルターではりんご、お米、みそ、そば粉などで提携を続けています。

◆高畠町発、もっとお米を食べよう給食運動
 この高畠町の有機農業の皆さんとオルターが、今また新しい取り組みを始めています。高畠町の学校給食に、オルターの山本朝子副代表(NPO法人グレインズ・イニシアティブ代表)の特許レシピで作った米パンなどのお米製品、雑穀製品を導入しようという計画です。米飯給食だけでなく、パンやピザなどの洋風料理もお米原料、雑穀原料に変えていこうという運動です。
 宮崎駿監督の「おもひでぽろぽろ」の舞台ともなった高畠町から全国に向けて、無農薬の米・雑穀製品を学校給食に導入する運動を発信していくという、新たな試みの始まりです。


高畠町有機農業提携センターの無農薬米
■生産者
星寛治、中川信行、渡部務、高橋稔、猪野惣一、本田哲夫

■品種
うるち米:あきたこまち、ひとめぼれ、ササニシキ、コシヒカリ、ゆめさやか
もち米:ヒメノモチ、コガネモチ

■栽培方法
●防除
種子消毒・・・60℃5分の温湯処理、玄米酢(150倍液)
育苗時タチガレ病予防・・・ビニール温室で太陽光線を利用し、温かい水温で菌を抑えるというプール育苗
カメムシ対策、イモチ病対策・・・ニーム樹液(※)、木酢液(※)を利用

●除草
本田除草は除草機(10日おき3回程度)、合鴨利用(※)、米ぬか除草(※)、手取り、深水管理、鯉の放流。草を見ずして草をとるのが基本。畦畔草刈り3〜4回

●肥料
苗、床土・・・ボカシ肥料、もみがらくん炭、ピートモス(※)
本田施肥・・・堆肥(わら、牛糞(乳牛)、豚糞(中川さんの場合自家豚糞))、
骨粉(高温焼成)、全有機(※)(魚粕、油粕)


 化学農薬、化学除草剤、化学肥料などを使っていません。
 (※)印は中川さんの場合使用していません。


市販の米の問題点
 米の問題全般に関しては「食べもの百科」P18を参照してください。
 水稲に対する農薬の使用は、慣行農法で年間20成分程度、特別栽培でその半分の10成分程度に抑えるというのが農協などの指導です。特別栽培を謳うためには9成分の使用にしておき、天候異常時にあと1回使用して合計10成分とするのがよいと指導しています。この成分数は、1回でも複数成分を同時に撒くこともありますので、必ずしも撒布回数とは同数にはなっていません。農家の現場ではそれが守れないと虚偽の記録をつけているという話もあります。
 水稲に使われる可能性のある農薬は以下の通りです(水稲病害虫防除基準より抜粋)。

プロベナゾール、ボルドー、エコホープ、オリゼメート、オリブライト、カスミン、カスラプサイド、ダレータム、コラトップ、スポルタック、ダコニール、ダコレート、タチガレエース、タチガレン、タフブロック、テクリードCフロアブル、デジタルコラトッグ、トリフミン、ノンブラス、バシタック、バリダシン、ビーム、ヒノザン、プイゲット、フジトップ、フジワン、ブラシン、ヘルシード、ベンレート、モミガード、モンカット、モンガリット、モンセレン、ラテラ、ラブサイド、リンバー、MR.ジョーカー、アドマイヤー、アプロードパッサ、アルバリン、エムシロン、エルサン、オンコル、ガゼット、ギャング、キラップ、シクロバック、スタークル、スミチオン、スミバッサ、ダントツ、ディプラレックス、トレボン、ハイジット、ハイバッサ、パダン、バッサ、バリアード、プリンス、ベストガード、ルーバン、ジャッジ



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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