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◆鶏にも人にもやさしい養鶏です 北海道の十勝平野、帯広市にあるくさなぎ農園、草薙 司代表は、日光が射し込む広々とした平飼い鶏舎で、ストレスなく、トサカの色も美しく健康的に2,500〜3,000羽のニワトリを飼っています。 エサはポストハーベスト農薬や遺伝子組み換えが心配な輸入穀物や飼料添加物を使わず、100%全て、地元北海道産のものを自家配合して使っています。自家製の青草のほか、北海道産小麦、大豆の規格外のもの、冷凍カボチャや工場から出る皮、ワタをサイレージしたもの、長芋の出荷場からの切ったもの、割れたもの、ジャガイモの加工残渣、道産米ぬか、澱粉工場のラインから出てくる粉、ビート粕、青汁工場のケール残渣、サケの骨、アラなど地域で未利用だった資源を活用しています。2軒ほどの養鶏仲間と共同購入して安く入手しています。そのための飼料製造工場も立ち上げています。海外からの穀物事情に左右されない、展望のある養鶏です。 くさなぎ農園のたまごは殻は厚く硬く、白身はプルンと盛り上がり、黄身は自然なレモン色(市販のような着色剤を使っていません)で弾力があり、お箸でつまんでも割れません。味もしっかりしており、たいへんおいしく、水っぽさや臭みもありません。
◆絶品、鶏スモーク くさなぎ農園のかしわ(廃鶏)で作った鶏スモークは、これまたたいへんな絶品です。塩、こしょう、砂糖だけで加工しているだけの、たいへんシンプルな作り方です。Xmasだけの食べものにしておくのはもったいないと思います。
◆「福祉ファーム」として活躍 くさなぎ農園は「福祉ファーム」としても活動しています。障がいを持つ人も、そうでない人も、一つの目標(自立)を持ち、共に生きることができる、そんな農園を目指しています。2009年には就労継続支援 A型事業所も開所、正式に現在は7名を雇用しています。「NPOサポートセンター えん」を設立し、ケアホーム「みんなのいえ」のサービスも開始しています。2012年にはくさなぎ農園にて、就労移行支援サービスを開始しています。
◆借金に縛られない自由な養鶏を 草薙 司さんは帯広畜産大学で経営学を学び、卒業後は畜産機器販売会社に就職しました。しかし、新規就農をめざし、農業研修を始めました。研修をしているうちに牛飼いになりたくなって、オルターのチーズの生産者、共働学舎に1カ月半ほどいたこともあります。 酪農の新規就農は億の借金で縛られることから断念し、養鶏を始めることにしました。養鶏技術は道内の養鶏場や道外の後藤ふ卵場などで学びました。 1994年に十勝の清水町で新規就農を果たし、農協に縛られない自由な養鶏を中心とする循環農業をニワトリ300羽の飼育から始めました。ところが1998年にその農場のとなりに産廃施設建設が強行され、地下水が汚染される心配から、やむを得ず現在地の帯広市八千代町に農場を移転することになりました。 「福祉ファーム」への取り組みは奥様の朋子さんの「福祉関係の仕事に就きたい」「ご主人の農業で生活したい」という想いがきっかけです。 数々の紆余曲折を経て、いま確かな足どりを始めています。おいしいたまごが作れるようになったのは、食べてくれる子ども達がいろいろと反応するたびに魚粉などエサを改良してきたためで、いわば子ども達に育てられたたまごだということです。 くさなぎ農園のオルターへのご紹介はヤギチーズの生産者、香林農園(7月頃オルターカタログ表紙ご紹介予定)の腰山 通彦・真理さんからです。
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■品種 ボリスブラウン
■飼育方法 ●日光が射し込む平飼い鶏舎 ●坪密度 10羽 ●雌20に対し雄1の割合で飼育、有精卵
■エサ ●小麦 北海道産[十勝産、ときに北見産] ●カボチャ残渣を発酵させたもの 十勝産(カロテン不足防止、天然色素) ●長芋を発酵させたもの 十勝産(川西農協)(乳酸菌よる健康な腸) ●ホタテ貝 北海道産 ●カニ殻 北海道産[オホーツク産] ●大豆 北海道産 ●ジャガイモ加工残渣 北海道産 ●米ぬか 北海道産 ●魚粉 北海道産[羽幌港(日本海側)] サケの骨、アラ(防腐剤使用なし) ●でんぷん粉 北海道産 ●ビート粕 北海道産 ●青草 [春〜秋]自園産 ●ケール [冬]北海道産
ビタミン剤などの使用はありません
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拙著「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p.79を参照ください。
―文責 西川榮郎(NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター代表)―
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