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安全な食べものを守る方向で判断したいものです
オルター通信988号記事
安全な食べものを守る方向で判断したいものです
このたび私入会するものですが、入会のしおりに以下のような記載がありました。



冷凍・冷蔵品、牛乳、パン
「仕分けミスで余分に配達された場合」
「納品書に印字されていない商品が届いた場合」
→引き取りにいく場合と、購入をお願いする場合があります。


そこで
Q.
 オルターの届けミスなのに、なぜ会員が購入しなければならないのか、その理由と明確な文書での回答が欲しい 
新入会者 M・Oさん



A.
 まず現状からお話しします。もちろんミスはないようにするのは当たり前です。しかし、過去において生産段階のミス、オルターでの仕分け、配達段階などでのミスなど、会員宅に誤ってお届けしてしまったことがあります。多くの場合、その品物の購入者が別におられるわけですので、理想的な処置としては「誤ったものを回収して」、「正しいところへお届けする」のがよいことはいうまでもありません。しかし、現状において、引き取り場所が遠すぎて残念ながら回収が困難という場合も少なくありません。生もの以外なら、申し訳ありませんが次週まで保管をお願いするということもできます。しかし、生ものの場合、冷蔵庫内で1週間預かって頂くこともご迷惑になったり、鮮度が低下しますので、処分をしなければならないのが一般的です。そのため、値引きなどをして、ご購入の協力をお願いすることがあります。場合によっては無料でお召し上がりいただくこともあります。もちろんご購入のご協力は強制ではありませんので、お断りされても仕方のないことです。ミスで届いたものでも、大きいもの、多量、高額、アレルギーなどがあって食べれないものなど、当然ケースバイケースの対応、処置となろうかと思います。
 お買い上げのご協力をお願いするのは、生産や流通にすでにコストが発生しており、その回収を少しでもさせて頂きたいというのがその理由です。
 次にこのお問合せの意味の本質的な検討をしてみたいと思います。
 まず、オルターのミスだから、オルターの問題ではないかというご指摘です。これは極めて当然なご指摘で、そう考えることも一般的なことだと思います。しかし、オルターではそのように考えたくないと判断しています。
オルターでは安全な食べものを開発し、育て、発展させるために、血のにじむような努力をしてきました。いい原料で、若い世代でも購入できるものをと考え、生産コストや流通コストも、そのために多大な努力をしてきています。なぜなら、これだけの材料を使い、通常のマージンをのせてしまえば、若い世代の手の出ない品物になってしまうからです。未来の子ども達を育てている子育て世代は家計に余裕がありませんから、その一番届けたい世代が利用できなくなってしまうからです。家計の余裕のある熟年世代だけのものにしてはいけないのです。そのため、生産者、会員、私達スタッフも一丸となって少しでもコスト削減に協力していただきたいのです。会員の皆様にもそのご協力は当然お願いしたいと考えています。会員、生産者、スタッフが仲間であれば、お互いの多少のミスも一番合理的な方法でクリアしていくはずです。他者のミスだから、自分は一切協力しないという立場はとらないはずです。安全な食べものを守り育てるということは、そのように自分の位置をしっかり自覚することが大切ではないかと考えています。
 オルターでは会員をお客様扱いをしていません。この時代を共に考え良くしようとする仲間として、扱いをさせていただきたいものと考えています。仲間だからこそ、情報を公開し、豊作も、不作も、ともに喜び、ともに悲しみ、力を合わせているのです。うそのない、魂のこもったいい品物であり続けるために、偽装したり、臭いものにフタをしたりせずに、途方も無い努力を積み重ねています。
 このオルターという場に、果たしてお客扱いを望まれる会員はふさわしいでしょうか?先人の努力を享受できる会員として、ふさわしいライフスタイル、心構えがあってほしいと考えています。オルターが求めているのはお客様ではなく、ともに安全な食べものの世界を担って頂ける「仲間」としての会員です。
 たくさんお金を支払うから、いい気分でショッピングするということは、あまりオルターでは似合いません。それは裸の王様になりかねない生き方だと私達は知っています。そんなうわべだけの顧客満足度ではろくな品物にしか出会えないはずです。
 オルターは超高級ブランドの自負はありますが、いつまでも庶民派でいたいと思います。扱っているものが自分や仲間が本当に必要な、使用価値の高いものであるのかが大切です。売れればよい、儲かればよい、というような考え方はしていません。
 「ミスは他者のせい」→「十分なコストをとるために値上げ」→「安全なものが庶民の手の届かないものになる」という循環ではなく、「仲間としてミスをカバーし合う」→「コストを少しでも下げる」→「安全な食べものを庶民も食べれる」という世界でありたいから、誤ってお届けしたものを少しの値引きなどでご購入のご協力をしていただけないかとお願いさせていただいています。
 私が物事の判断をする時、「本当に会員のためになることか」「安全な食べものを守り育てることになるか」という視点から考えるように心がけています。一般社会の通常的な考え方がどうかという立場からではありません。だから、天然記念物のようなオルターという存在がこの腐敗だらけの社会の中に奇跡のように存在できているのです。したがって会員の皆様ひとりひとりに対しても安全な食べものを守り育てる仲間として毅然と自率し、安全な食べものを受け取るにふさわしい会員となられることを切に願っています。このような一見小さいと思われるようなご協力が、実は安全な食べもの運動にとって大きな支援になることがあるのです。    
    
 (代表)



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