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農薬はやはり危ない
通信843号資料記事
世界の環境ホットニュース  [GEN] 401号
発行:別処珠樹氏より記事転載 04年7月28日

農薬の害について、過去の研究を総見直しして、農薬の取り込みと病気との関連を明らかにする調査がカナダで行なわれました。結果について、調査にあたった研究者の一人、マックマスター大学のマーガレット・サンボーン医師は、次のように述べています。
●農薬の使用には健康上の問題が数多くある。
●その多くは影響が深刻で、治療が難しい。
●農薬の取り込みを減らして害を防ぐのが一番 だとお奨めしたい。
(報告書の日付は 2004年4月23日)。
◆調査の主なポイントは次の通りです。
1)多くの研究が、ガン腫瘍と農薬取り込みの間に正の相関関係があることを示している。脳がん、前立腺が ん、腎臓がん、すい臓がん。
2)2,4-D や、これと類似の農薬は、リンパのがんである非ホジキンリンパ腫を促進する働きがある。
3)農薬の取り込みと白血病の間には関連がある。この問題はさらに調査を進め、政策的に取り組む必要がある。
4)農薬の取り込みと神経系に与える影響の間には、驚くほどの一致が見られることが分った。
5)農業で使う化学物質は生殖によくない影響を与えている可能性がある。出生時障害、死産、子宮発育不全。
6)幼児が受ける影響については調査が少ない。しかし長期間の取り込みについての調査を見ると、小児がんとの間に関係があった。父親が農薬を取り込んでいると、腎臓がんのリスクが上がる。脳がんとも関連が見つかっている。
7)農薬は子どものリンパ腫の原因になっている可能性がある。非ホジキンリンパ腫、白血病。
8)芝生・果樹・庭・室内で使う農薬、特に殺虫剤や除草剤を、胎児や子どもが取り込むと、急性白血病のリスクが高まる。
◆どのような対策をとればいいか。報告書は次のように書いています。
1)どのような場合にも農薬を浴びることはできるだけ避けること。もちろん、散布者は吸い込まないように対策を講じる。家庭や庭、公共緑地などでは農薬の使用を減らすこと
2)芝生・庭・室内では、できるだけ農薬以外の殺虫・除草の方法を採ること。
3)農薬が必要な場合の使い方について安全使用を指導すること。
◆また家庭医に対しては次のようなことを求めています。
1)問題が起きるような農薬の使用をしていないかどうか、患者に問いただす。
2)疲労・めまい・だるさ・発疹・衰弱・不眠・不安・うつ、などの症状がある場合、患者が農薬を過去にど れだけ取り込んでいたかを調べる。
3)慢性または末期症状になるまえに、予防に力を注ぐ。
4)リスクの高い人、子ども・妊婦・老人に注意する。
5)農薬の使用を減らすように勧める。
6)学校、病院、地域、行政に農薬の使用削減を勧める。

報告書(カナダ・オンタリオ家庭医大学)
http://www.ocfp.on.ca/English/OCFP/Communications/CurrentIssues/Pesticides/default.asp

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