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大流行のサプリメントコエンザイムQ10 効用に根拠なし・副作用あり
通信870号記事
どんな材料から作られている?
「コエンザイムQ10」という名前を聞いたことがありますか? これは補酵素といって、身体の活動を助ける成分です。私たちの身体を作っている細胞のミトコンドリアという器官にあり、エネルギーを作るのに欠かせない物質です。
 食品ではレバーやモツ、牛肉やカツオに多く含まれるコエンザイムQ10は、現在サプリメントとして大流行です。私の診療所に来られる方にも、飲み始めているまたは使用検討中という人がいます。インターネットで調べると、メーカーがいかに効用があるかをアピールする記事ばかり目に付きます。しかし、どんな材料から作られているか記載されているものはほとんどありません。唯ーあったのは「ナス科の植物から合成された」という内容で、他に「牛から作ったものではない」という記載があったくらいです。
妊婦・授乳婦は避けて
 コエンザイムQ10は、様々な病気の治療や処置での使用がすすめられてきました。いくつかの研究ではうっ血性心不全、心臓発作後、高血圧、糖尿病やアルツハイマーにともなう心臓の合併症に使うことを支持しています。しかし、どのぐらいの量が有効あるいは安全かは確立されてはいません。その他言われている効用については、科学的な根拠はありません。
 コエンザイムQ10の副作用として、血栓を作りやすい、逆に人によっては出血の可能性があります。インフルエンザのような症状、腹痛、頭痛を起こす可能性があります。胎児、乳児に対する科学的情報がないため、妊婦、授乳婦は避けるべきでしょう。また、理論的に血栓を増やす可能性があるので、抗血栓剤の服用者は主治医に相談してください。降圧剤と一緒に服用すると血圧を下げすぎる可能性があります。
心筋梗塞には「害がある」ランクに
 アメリカ心臓病協会は、心筋梗塞による死亡を防ぎ、症状を滅らすためのガイドラインを出しています。それによると、コエンザイムQ10は「有用ではない、あるいは有効ではない。ある場合には害がある」というクラスVに分類されています。クラスUには他に、「冠欠陥障害のリスクを少なくするためにホルモン補充療法を開始する」「ビタミンCやEのサプリメントを使うこと」なども挙げられています。
 また、久留米大学の松岡氏らは、「血管内皮障害や頚動脈硬化は内因性コエンザイムQlOが増えるにつれ高まる」という研究結果を発表しました。そして、動脈硬化がすすむにつれ、コエンザイムQ10がむしろ
過剰になる可能性があり、コエンザイムQ10などの抗酸化サプリメントの安易な
服用は危険である可能性があると指摘しています。


  武田玲子(産婦人科)
  食品と薯らしの安全 NO.191(2005.3.1)発行より転載



コエンザイムQ10資料記事
◆健康食品成分に 無承認の医薬品
 大津市のメーカー

 2005・3・5朝日新聞

 「老化防止の効果がある」などと人気の医薬品コエンザイムQ10を含む健康食品として、大津市の健康食品会社「ニッショク」が製造していた商品「CoQ10」から、無承認の医薬品成分イデベノンが検出され、滋賀県は4日、同社を立ち入り調査し、製造販売の停止と自主回収を指示した。
 製品は、和歌山県の販売業者がニッショクに製造を委託。コエンザイムQ10の含有量が「1錠中30_グラム」と記載されていたが、約O.2_グラムしか検出されず、代わりにイデベノンが含まれていた。製品は330`製造され、1箱160粒入りで2万箱が販売されたことが分かった。     


◆「コエンザイム」から  イデベノン検出

  2005・3・15朝日新聞 

  老化防止に効果があるとして人気の成分「コエンザイムQ10」を含む健康食品「CoQ10」から無承認の医薬品成分イデベノンが検出された問題で、滋賀県は14日、製造元の健康食品会社「ニツショク」 (大津市)が米国業者から輸入した原料から大量のイデベノンを検出したと発表した。また、CoQ10とは別の商品からも微量のイデベノンが検出された。

◇ 関連情報 ◇
平成17年3月4日厚生労働省医薬食品局の報道発表は下記のサイト
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/03/h0307-3.html
サプリメントコエンザイムQ10 およびイデベノンについての説明もあります。
 (オルター通信編集部)




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