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消泡剤を使っていない 高野豆腐
カタログ2011年11月4週号
国産大豆とにがりだけの
昔ながらのシンプルな原料で作っています。


◆無添加の高野豆腐
 長野県飯田市にある(株)信濃雪、木下龍夫社長は、国産大豆とにがり(塩化マグネシウム)だけの昔ながらのシンプルな原料を使った高野豆腐を新しく開発しました。消泡剤、膨軟剤、重曹などの化学薬品を一切使用しない、しっとりした食感の、たいへんおいしい高野豆腐です。
 消泡剤を使っていないので、市販品のような分厚い形状にするのは難しく、市販品のおよそ半分の厚さ重さに仕上がっています。

◆独自製法の生しぼり
 生しぼり製法の豆乳も、この高野豆腐の特徴です。この作り方だと、大豆の皮や胚芽の渋みが入らないので、大豆本来のおいしい甘みが感じられます。市販の高野豆腐では、大豆を水に浸漬して粉砕した呉を、煮沸してから、豆乳とおからに分離します。(株)信濃雪では、生の呉のまま豆乳とおからに分離し、その豆乳だけを煮沸しています。これは、(株)信濃雪の独自製法です。製造に熟成期間を含めてほぼ1ヶ月かかっています。

◆独自技術で消泡を克服
 (株)信濃雪は、1951年創業の会社です。木下社長は6代目です。以前、私たちに消泡剤を使わないで高野豆腐を作っていただいていた、しなの食糧(株)が2005年に廃業された折に、しなの食糧(株)から、親交のある(株)信濃雪をご紹介いただきました。当時まで、(株)信濃雪では消泡剤なしで製品を作ったことはありませんでした。
 消泡剤を使わないで高野豆腐を作ってほしいという私たちの要請に対して、(株)信濃雪は真摯に応えてくださり、何度もくりかえし試行を重ねていただきました。消泡剤不使用で一番難しいのは、豆乳を煮沸する際に泡が生じて、煮むらができることでした。そこで、時間をかけて、ていねいに均一に加熱して、煮むらを無くして、消泡剤不使用の製品が2010年に完成しました。完成は、開発から実に足かけ5年目のことでした。
 消泡剤をなくすための作業工程には時間もかかり、作業の危険性もあり、また歩留まりも悪くなります。そのためにどうしても割高な製品となってしまいます。
 これほどまでに苦労して私たちの要望を実現していただいたのには、木下社長の「いらないものは抜きたい」という信念の裏付けがありました。大手メーカーでは消泡剤として人が食べるのにふさわしくない化学薬品を使用していますが、この大手メーカーの物作りのあり方に常々抵抗感を覚えておられたからです。
 私たちの仲間の団体である奈良よつ葉牛乳を飲む会の清水章子代表の粘り強い働きもこの開発を支えました。
 高野豆腐は、もともと豆腐が自然に凍ってできた食べもので、とくに難しい製造工程はありません。昔ながらの小規模な高野豆腐の製造では、木灰や油を使って泡を消していました。そういう手作りの高野豆腐なら、無添加もそう難しくはないのですが、ある程度機械化が進んだ工場では難しかったのです。現在この業界で、消泡剤を使わずに高野豆腐を作っている会社は、(株)信濃雪一社だけだと思います。

◆膨軟剤も使いません
 この高野豆腐には膨軟剤も使用していませんので、歯ごたえがあります。よく煮込むと昔ながらの風味と豊かな味わいも堪能できます。


信濃雪のにがり高野豆腐(消泡剤不使用)
■原料
●国産大豆
青森県産、秋田県産
現在の材料は、福島原発事故以前の在庫です。
今年産に切り替わった後も、糖度が高く、おいしい、放射能汚染の心配のない、青森県産、秋田県産などの国産大豆を使っていただく予定です。
●にがり
ナイカイ塩業 ホワイトにがり(塩化マグネシウム)

■製造工程
@大豆洗浄
A大豆浸漬
B粉砕
C豆乳抽出
D豆乳煮沸
Eにがりで豆乳を凝固
F切断
G凍結
H熟成
I解凍
J乾燥
K選別
L金属探知
M包装

※厚手の高野豆腐も必要だという主婦の声を受けて、消泡剤を使用した暫定品の「にがり高野豆腐」も引き続き取り扱います。消泡剤の組成は一般的なシリコン樹脂ではなく、食用油に準じたもの(パーム油80%、大豆レシチン12%、炭酸マグネシウム8%)です。大きさは約70×57×16mmの一般的な規格です。


市販の高野豆腐の 問題点
 市販の高野豆腐の一番大きな問題点は、原料大豆がポストハーベスト農薬処理された輸入大豆であること。
 豆乳を煮沸すると泡が出ます。この泡は均一に煮ることを妨げ、歩留まりを悪くします。そのため、消泡剤を使用しています。消泡剤としては、シリコン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル、パーム油、レシチンなどの健康に問題のある材料が含まれています。これらは、加工助剤とされて、製品には表示がありません。また、豆腐用の凝固剤には塩化カルシウムなどが使われています。食感をやわらかくするのに、膨軟剤として重曹や重合リン酸塩が使われています。このため、料理にそのまま使うと苦味などが出ますので、湯戻しという余計な手間が必要になっているのです。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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