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地球の仲間と有機農業、ナッツ・ドライフルーツ
カタログ‘2010年4月3週号’
おいしさの理由は「有機栽培」「鮮度」「素朴で丁寧な取り扱い」。
生産者の顔がみえています。


◆たいへんおいしいナッツ・ドライフルーツ
 (有)ネオファームの下村雅昭さんは、主としてアメリカの有機農業に取り組む生産者のナッツやドライフルーツなどを日本へ輸入しています。紙の上の有機認証より、生産者の人となりを見る関係を大切にしています。
 このような顔のみえる安全安心な品物であるのはもちろんのことですが、畑で野積みしてカビを生やすような劣悪な保管などをせずに、薬剤や添加物を一切使用しないこと、次の収穫期を越さないよう在庫調整をし、新鮮で生で食べてもおいしい原料にこだわっていること、副原料(砂糖、塩、油など)を一切使用しないので、市販の品物とは全く違ったたいへんおいしいナッツやドライフルーツです。
 ナッツは生の状態で輸入しています。焙煎はネオファームで下村さん自身が行い、または委託先の落花生屋で行います。ドライフルーツの原料はB級品や傷物ではなく、生食にできるおいしいものを使用しています。完熟した原料を天日干しや機械乾燥しています。
 なおネオファームでは輸入後に小分けしていますが、その小分けの有機認証を取得する必要が少ないと判断し、下村さんは取得していません。そのためいわゆる「現地有機」(生産物そのものは有機認証をとっている)ではありますが、小袋やラベルには有機JASマークはありません。
 下村さんはロースト、ブレンド、製造の段取り、製品の開発、販路開拓の全てに目を届かせています。100%有機認定の原料だけを取り扱っていますので、加工工程などにおける他の原料の混入はありません。また使用する器具などの洗浄にも一切の薬剤を使っていません。

◆同じ有機農業の志をもつ世界の中間と 
 下村さんは原則として仕入れ先の農家と畑で顔を合わせる、顔のみえる関係を大切にしています。いわゆる自然食業界の中でも、通常このような輸入品は単なる卸ルートで日本に入ってくるものばかりで、下村さんのように農家との関係を築いているのはたいへん珍しいことです。
 海外からの農作物の輸入の是非については、消費者団体間でもフードマイレージなど何かと議論があると思いますが、国内で栽培されていないもの、あるいは少ないもので消費者のニーズの高いものについては、海外の生産者であっても有機農業の志を同じくする人たちのものであれば、地球の仲間として協力し合うことは大切なことだと思います。信頼関係は単純に距離だけの問題ではありません。世界有数の日本人の消費力が、地球の上で少しでも有機農業の輪を広げることに役立つのは素晴らしいことだと思うのです。

◆アメリカの有機農家との出会い
 下村さんは兵庫県生まれ、実家は造り酒屋です。中学2年生のとき兄が進学した東京農業大学醸造学科のパンフレットを見たのが、農業にあこがれを持ったきっかけです。東京農大での学生時代、東南アジアの開発途上国において農業開発の現場を体験しました。しかし途上国援助の現実が見えてくる中で、失望と模索の日々が始まりました。そんな学生時代に仲間4人と、厚木市にある「わらぶきの家」で農業を通して交流する場をもち、農業体験もしました。農村と長く関わるには農産物の貿易をするのがよいのではと思い、卒業後、貿易の仕事を覚えるために4年間サラリーマン生活をしました。やがて手段と目的が逆になっていることに気付き、将来のあてのないまま脱サラし、再び「わらぶきの家」に戻って農業をやろうとしました。しかしなかなか生活できるところまではできませんでした。
 そんな折、アメリカの食の安全を特集した雑誌で、アメリカが南米から輸入した農作物から禁止農薬が検出されたという記事、さらに米国カリフォルニア州で市民運動として取り組まれている有機農家を紹介する記事を読みました。下村さんにとってアメリカ農業のイメージは「不毛の大地に設備と農薬、化学肥料を持ち込み、膨大な面積の土地と環境を疲弊させながら莫大な量の農産物を生産する」というものでしたから、その記事のように、アメリカの農業の現状を憂えて、小さい農場ながらも懸命に有機農業に取り組んでいる彼らの姿は心に焼き付きました。
 この記事をきっかけにアメリカの有機農業に関心を寄せ、友人を通じて情報を集めたり、生産農家と文通を始めたりし、1993年にはアメリカの有機農家を訪れ、その農家からさらに仲間の輪が広がっていきました。

◆提携の質を守って
 この下村さんの取り組みの意義を、当時下村さんが野菜を出荷していた神奈川県にある県民生協やまゆりの元専務理事・新谷公男さんが見出し、1993年に消費者への紹介が始まりました。新谷さんはオルターのセンター立ち上げ時にも協力いただき、その縁で下村さんと私は1996年に出会いました。
 1997年、下村さんは(有)ネオファームを立ち上げ、本格的にこの活動を始めました。2000年にはオルターとしてもアメリカ現地訪問ツアーを実施しました。現在では多くの国内の仲間にこの活動の輪が広がっています。しかし「目が届き、責任が持てる適切な規模を守らないと、品質を守り続けることはできない」と下村さんは考えています。


市販のナッツ・ドライフルーツの問題点
 ナッツ、ドライフルーツの原料となる種実や果実は一般的に常温で長期間保管されています。アーモンドなどは収穫後、野積みされたりしています。そのため品質劣化が起きやすく、夏場高温にさらされ、かび毒、強い発がん性のあるアフトラキシンの発生やサルモネラ菌汚染が報道されたことがあります。そのため殺虫・殺菌のため農薬など化学薬品を使った燻蒸が行われ、それら使用薬剤の残留や、燻蒸時の100℃以上に熱処理された状態による品質劣化も問題です。
 原料劣化を補うために添加物やオイルコーティングなど副原料の使用があり、そのための品質劣化もあります。見栄えよく見せるための漂白剤の使用、味よく感じさせるための味付けも行われています。このような過度な管理と加工が市販品をまずくしている理由です。
 また、ヘーゼルナッツなどから高濃度の放射能汚染が検出されています。チェルノブイリ原発放射能汚染が原因です。ひよこ豆、緑レンズ豆などトルコ方面から出荷されるものも要注意です。
 国内でマルチ商法で売られている〇〇プルーンはアメリカ現地で農薬を使っている慣行栽培の安価なB品をペーストにしたものを異常な高値で販売している、というアメリカ現地の生産者の声があります。市販のココナッツバターには乳化剤を入れて水に溶けやすくしているものがあります。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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