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昔の人の知恵を活かした 防災備蓄「干し飯」
カタログ2014年5月5週
調理しなくても食べられるごはん、水に戻すと玄米粥に。
◆特許技術、発芽モードRでおいしく完成
 滋賀県にある「暮らしを考える会」山梶 英子代表は、オルターから備蓄用アイテムとして開発をお願いした、「干し飯」を作っています。「干し飯」の原料米には「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p.18でご紹介した秋田県大潟村のライスロッヂ大潟の無農薬米(オルター基準☆☆☆)を使っています。
 「干し飯」の作り方には山本 朝子顧問の特許技術「発芽モードR」を活かしています。玄米を浸水し、自己吸水させ、飽和水分量に達してから炊き上げます。発芽モードR用の玄米にはマイコン制御の昨今の乾燥機などの加熱で酵素が死んでいない、生きた玄米であることが前提です。オルターで発芽テストに合格した米を使っています。
 発芽モードRになった玄米は、玄米に含まれる、人体に有害な発芽抑制因子アブシジン酸が不活性化し、フィチン酸による強力なミネラルキレート作用も解除され、栄養価も高くなり、簡単に炊飯でき、とてもおいしいごはんとなります。炊上がった玄米はホクホクと良いにおいがして、やわらかで、色白、おいしそうです。この発芽モードR玄米ごはんを乾燥させたのが備蓄用「干し飯」です。

◆オルター食材で防災に備えを
 オルターでは震災など緊急時に向けたオルター流の備蓄提案をしています(オルターカタログ2014年1月 4週号参照)。被災後「最初の3日間はそのまま食べられるもの」「3ヶ月間は煮炊きをして食べられるもの」をオルター食材で考えました。その条件として
(1)調理せずにそのまま食べられるもの
(2)安全で、栄養価が高く、かつおいしいもの
(3)常温で最低半年間は保存できるもの
を満たすものを検討しました。
 阪神淡路大震災ではオルターは無農薬の野菜などオルター食材で3ヶ月以上1日3,000食の炊き出しボランティアをしました。しかし、私たち自身が被災した場合は、オルター食材での救援を誰かから受けることは期待薄です。被災時にも安全でバランスのよいオルター食材を食べて自らを守るためには、日頃から備えを怠らないようにするしかありません。

◆アルファー化している糒(ほしいい)
 その備蓄用のアイテムの一つとして、「干し飯」(糒)を考えました。「干し飯」は古くは平安時代の文献に記載があり、武士たちの戦いが激しくなってくる鎌倉時代からは「糒」の漢字が使われるようになりました。まさしく読んで字のごとく、「備蓄用の米」という当て字が興味深いです。
 「干し飯」はお米をアルファー化したもので、調理しなくても乾燥した状態のまま食べることができます。備蓄用のごはんとして優れています。

◆福祉作業所でやりがいのある仕事
 この「干し飯」の製造を、福祉活動もしている「暮らしを考える会」にお願いしました。「暮らしを考える会」は、よつ葉牛乳をよくする運動に40年近く私と共に取り組んできた消費者団体のひとつです。現在はオルターのAC(オルターな仲間たち)として、オルターの宅配事業にもご協力いただいています。その作業所は2012年4月から社会福祉法人「美輪湖の家 暮らしを考える会」として障がいを持った方と共に働く場所として出発。今まで「おおきな木」で開発した「えび粉」「パセリ」の製造も引き継いでいます。
 「暮らしを考える会」には大型の乾燥機が数台設置されています。「干し飯」作りにこの設備が活用できるのと、いろんな障がいを持った利用者さんにとって、「干し飯」作りの作業に関わることがそう難しくないことが加工をお願いした理由です。
 「暮らしを考える会」では、かねてから日本人の主食であるコメの文化を大事にしたいと思っておられたので、オルターが推奨するグレインマイスター講座(山本 朝子顧問主宰)も受講していただいています。そのグレインマイスターの技術「発芽モードR」を活かせる「干し飯」作りに携われたこともうれしい、とおっしゃっています。

◆定期的料理に活用してください
 「干し飯」の賞味期限は1年間と設定しています。しかしわざわざ古くして捨ててしまうのはもったいないので、定期的に食べて新しいものと入替えるようにしていただくのがよいと思います。
 「干し飯」は非常時のようにそのまま食べても、お菓子のようにおいしく召し上がれます。また水に一晩つけておくと口当りのやわらかな玄米粥が簡単にできます。工夫しだいで、お菓子作り、離乳食や介護食にも活用できます。リゾットもできます。

◆長期保存に工夫
 「干し飯」は開発当初、真空包装にしましたが、とんがっているごはんの角で包装にピンホールが発生し、空気が入ってしまい、長期保存に一部の製品で耐えられなくなったものがありました。現在ではこれを改良し、安全な吸湿剤を入れて長期保存性を確保しています。


暮らしを考える会の干し飯
■原料
玄米…ライスロッヂ大潟(秋田県) 農薬不使用米 オルター基準 ☆☆☆

●製造工程
@玄米を12時間浸水し、発芽モード®にする
A玄米を炊く
B玄米を水洗いし、水を切る
C乾燥する
D包装



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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