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自給自足、自然農、不耕起がキーワード。
◆若手のホープ 和歌山県紀の川市の米市農園・高橋洋平さんは、「自給自足」「自然農」「無農薬」「無肥料農法」「不耕起」「バイオダイナミック農法」をキーワードに、人が幸せになり感動できるような野菜を育てることをめざし、農業に取り組んでいます。 高橋さんの周辺には多くの新規就農をめざす若者たちも集まり始めており、新しい農民集団の芽となっています。これからの成長が大いに期待される26才の若者です。
◆自給自足を楽しんでいます 栽培作物は130aの露地畑で葉もの野菜が中心です。オルターへは主としてアブラナ科の葉ものを中心とした「飲みましょう野菜セット」を出荷します(鶴見隆史医師は、アブラナ科の野菜はがん患者によいと推奨されています)。その他、水田20a、果樹5a、ハウス畑3a、鶏(40羽)とフランス鴨(15羽)5aで自給自足的生活を楽しんでいます。 「自給自足することで、ひとつひとつの食べものや物に愛情を持って接することができるようになる。やがて世の中が変わっていくことにもつながることだ」と高橋さんは考えています。
◆自然農が未来を拓く 「自然農」に目覚めたきっかけは、勉強が苦手で進んだ農業高校2年生のとき、三重県名張市の赤目自然塾の川口由一さんに出会い、その影響を受けたことからでした。農薬も化学肥料も使わず、土も耕さず水も与えない、それなのにすくすくと育っている作物。それからは真面目に農業を学ぶようになり、図書館に入り浸って農業の本をすべて読み、首席で卒業しました。そして農業高校で学んでいた慣行農法には未来がないことを知りました。 「自然農は未来につながる農。自分自身どこでも生きていける、手作業でもできる農業」と、2000年から取り組みを始め、2002年以降は一切農薬を使っていません。使用する種子は、自家採種や固定種(在来種)を心がけています。
◆体験型農園 お父さんががんを発病、高橋さんが高校3年生のとき亡くなり、莫大な借金が残されました。高校2年生のとき、お母さんの実家である現在の家で暮らし始めました。お母さんの実家は代々続く農家で、昔は近在の農家の米を集積する大庄屋で「米市」が屋号でした。「米市農園」の名の由来です。 米市農園では「田舎暮らしを体験してみたい」「農業、自然農法、家庭菜園を勉強してみたい」「環境や健康、安全な食べものに関心がある」「古民家でのんびりした時間を過ごしたい」などという人のために、「自然農法体験」プログラム活動をしています。 和棉を育て、昔ながらの道具を使って棉繰りから弓打ち、さらには糸紡ぎまでの「和棉加工体験」もできます。機械や農薬を一切使わない自然農で「米作り体験」もしています。一畳から野菜作りを楽しんでもらえる「貸し農園」もしています。 2008年からは米市農園の一角で、石窯で焼く「ベジタブルピザ屋 米市農園」もオープンしています。農業に関心のない人にも気軽に米市農園を訪れてもらい、無農薬の旬の野菜のおいしさに触れ、感動や驚きを感じてもらうためです。 高橋さんが拡げる人の輪や農業の世界は、これからの日本の農業、人々のライフスタイルに確実に影響を与え、大きな収穫を迎えていくはずです。
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■防除 農薬を一切使いません。
■肥料 化学肥料を一切使いません。現在、畑に入れている資材は草マルチや米ぬかだけです。 米ぬかは以前は農協のコイン精米機のものを使っていましたが、現在は地元産と確認できる米ぬかを使っています。
■不耕起 3年ほど前から、野菜畑は不耕起栽培を行っています。 新規に開墾する畑、田んぼ、緊急時にはトラクターを使用することがあります。
―文責 西川榮郎(オルター代表)―
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