通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

熊野の自然の恵を受けて育てられた平飼有精卵
カタログ2011年1月2週号
たっぷりと緑餌を食べ、元気いっぱいの鶏のたまご


◆天からの恵み、自然養鶏卵
 世界遺産に登録された、熊野本宮からほど近い山の高台にある「熊野出会いの里」(麻野吉男代表)では、たいへん健康な飼い方で鶏を飼い、平飼有精卵を出荷しています。ポストハーベスト農薬や、遺伝子組み換えのないトウモロコシを与えるなど、エサの安全性に留意することはもとより、旬の緑餌、野草や農場で採れた無農薬の野菜などを贅沢なほどふんだんに与えています。「熊野出会いの里」の養鶏のチーフは、仙人然とした市村征夫さんで、この緑餌にこだわっています。くる日もくる日も野草採り。自ら野菜より野草が好きというだけあって、みんなから野草博士と呼ばれています。
 鶏たちは土と稲ワラの上で平飼いされ、常に土着の微生物と共存する健康な生活を送っています。10坪あたり約90〜100羽と、ゆったりとした薄飼いです。雌20〜25羽あたり1羽の雄を入れ、雄に守られ雌たちは安心して卵を産んでいます。
 熊野の気を呼吸し、熊野川の伏流水を飲み、熊野の木材で作った開放鶏舎に暮らしています。「熊野出会いの里」では、この自然養鶏卵に“天からの恵み”と感謝を込め、“天恵卵”と名付けています。

◆百姓魂
 麻野吉男さんは、大阪府藤井寺市の商売を主とする兼業農家に生まれました。東京大学を卒業し、学習塾を経営しながら小説や童話を書いたりしていましたが、29才の時、不安神経症を病み、それがきっかけで30才のとき、少年の頃から強く惹かれていた農の道に入りました。80年代後半から始まった理不尽な農業攻撃に対して、農の側からも物申そうと、仲間とともに地球百姓ネットワークを立ち上げ、機関誌「百姓天国」を発刊しました。50才になった時、新しい土地でまた一から百姓を始めたくなり、和歌山県すさみ町の過疎の村に移住し、原始人のような生活を3年しました。

◆民宿、農園、養鶏、葦船
 現在地・熊野へは、村興しの活動で知り合った町会議員だった、故・鈴木末広さんの誘いで入植しました。「熊野出会いの里」では、築100年以上経った古民家を活かして民宿を経営しています。民宿では自園製の無農薬米や野菜を食事に提供し、予約があれば鶏肉料理でもてなすこともあります。また、熊野川の葦で葦船を作り、浮かべるイベントもしています。2007年に養鶏を始めたきっかけは、熊野の豊かな田舎暮らしに憧れ、集まってきた若者達数世帯が食べられるようにと新規事業を考えた結果でした。

◆日本の鶏をもう一度地べたに戻そう
 養鶏技術は書物で中島式養鶏法やヤマギシ式養鶏法を学びました。
 ドイツでは生きものとしての鶏を大切にするという観点から法律でケージ飼いが禁止になり、2007年1月1日より実施されています。EU全体でも2012年から実施されます。オーストラリアでも2009年から実施されています。日本では安ければよいという消費者に支えられ、ケージ飼い。しかも、100万羽単位の機械的・化学的工業養鶏がいまだ主流です。麻野さんは日本の鶏がもう一度地べたに戻る日を目指して養鶏に取り組んでいます。


熊野出会いの里の天恵卵
■鶏の品種
ボリスブラウン(赤卵系)

■エサ
●トウモロコシ・・・生産国アメリカ PHF(ポストハーベストフリー)、NON-GMO(非遺伝子組み換え)
●大豆粕・・・生産国アメリカ PHF、NON-GMO
●糠・・・地元産
●発酵飼料・・・地元材のオガクズと糠を土着菌で発酵させたもの
●魚粉・・・北海道産カキ殻、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム
●緑餌
・野草…クズの葉を中心に、カラムシ、イノコズチ、ヨモギ、ハコベ、イネ科の草、ツユクサ、笹、イタドリ、カラスノエンドウなど
・自園無農薬野菜…キャベツ、レタスなどの外葉、大根葉、ニンジン葉。野菜が不足がちになる冬場は鶏のために水菜を1.5〜2反作っています。
・その他、熊野鼓動(安全な食べもの百科P.191)のダシをとったあとの昆布も刻んで使っています
●水・・・井戸水(熊野川の伏流水) 飼料添加物を使った市販の配合飼料を一切与えないことはもとより、動物医薬品も使っていません

■飼い方
 ヒナは初生雛から飼育します。初卵は企業養鶏のケージ飼いではエサの効率を考え、ヒヨコから4〜6ヶ月で産ませますが、「熊野出会いの里」ではじっくり育て、6〜7ヶ月以上かけて初卵を産ませています。鶏の身体に無理をさせず、安定して良い卵を産んでもらうためです。
 飼育規模は約1000羽。主力は1年生ですが、2年生は強制換羽して産ませています。平飼いの方法は、土と稲ワラの上でゆったりと10坪あたり約90〜100羽、雌20〜25羽:雄1羽。

■出荷
 たまごの出荷に際して、たまご表面の天然抗菌層であるクチクラ層をなくさないため、水洗いをしていません。表面の汚れは布で拭くか、ペーパーでこする程度にしています。


市販のたまごの問題点(安全な食べもの百科 P.79参照)
 主たるエサがとうもろこしやマイロです。ポストハーベスト農薬、スターリンクなど遺伝子組み換えの問題があります。植物性油カスは、n-ヘキサン抽出大豆油カス、菜種油カス、グルテンミール、米ぬか油カスなどですが、ポストハーベスト農薬、遺伝子組み換えのほか、n-ヘキサン抽出などによる精神病、がん、心臓病の問題があります。
 動物性飼料としてチキンミール、フェザーミール、ミートボーンミール、骨粉、血粉(エサ、飼い方、添加物など問題)、魚粉(酸化防止剤などの添加物)が使われています。闇取引されている狂牛病問題の動物性飼料も心配です。その他、動物性油脂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどを添加しています。
このように、ポストハーベスト農薬や成長ホルモン、黄体ホルモン、卵黄着色剤、鶏糞防虫のための合成抗菌剤、抗酸化剤、合成アミノ酸、合成ビタミンなど飼料添加物だらけの配合飼料なのです。
 また飼育環境は、ケージの列を数段にも重ね、エサは、この配合飼料を自動的に給与しているのです。狭いケージ内には2〜3羽が押し込められて、身動きできないストレス状態でひたすらたまごを生まされています。いつも悪臭立ち込める中で健康な鶏になるわけはありません。そして、不衛生やストレスによって起こる病気は、ワクチンや抗生物質、ニトロフラン剤、抗コクシジウム剤、サルファ剤など動物医薬品を使って対処します。当然、サルモネラ菌の潜在的危険性をいつも抱えていることになります。
 出荷に際しては、黄身2つのたまごや血液が混じったたまごは検卵していますが、同時にきれいに見せるために合成洗剤を使って洗卵し、本来あるたまごの保護バリアー(クチクラ層)を除去してしまい、腐りやすく、中毒を起こしやすいたまごを作っています。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


戻る