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自分が信じる農業を貫いて
カタログ2012年4月1週号
消費者とともに実現した無農薬栽培。


◆美しい環境で、無農薬栽培を
 秋田県山本郡三種町にある山本開拓農場・二代目の土橋敏郎さんは、隣地とは半隔離された山間の美しい環境で、10ヘクタールの水田、1.4ヘクタールの畑を、一部減農薬栽培がありますが、基本は農薬を使わない農業を営んでいます。
 田んぼに使う用水は自園から湧く井戸水で、そのままおいしく飲めるほどきれいな水です。水田の無農薬は主として紙マルチを使って実現しています。減農薬栽培の田んぼの用水にもザリガニ、タニシ、ホタルが生息しています。
 心配していた福島原発事故の影響も、検出限界1Bq/kg以下で不検出で、本当に安心しました。

◆もち米でおなじみ
 土橋さんのもち米は、オルターのもち米政策の柱であり、オルターの京菓子の生産者・たまだけんでも原料として使っています。
 畑では、除草剤を使用しないで栽培する自信のある作物、豆類、にんじん、じゃがいもを作っています。

◆苦難を乗り越えて
 山本開拓農場は、敏郎さんのお父さんの代に入植した開拓地にあります。厳しい開拓生活による両親の大病のため、兄弟三人がバラバラになって親族に育てられた時期がありました。敏郎さんは小学6年生のとき、作文に「荒れ果ててしまった耕地を絶対自分が元に戻す」と書きました。それが農業を志す原点となったそうです。中学卒業後、家の畑仕事を手伝いながら夜間高校に通いました。冬は出稼ぎをしなければならず、高校を卒業するのに6年かかりました。ネバーギブアップの心の原点がここにあるそうです。
 農協の青年部長も務めたことがありましたが、農協のいう通りにする農業で経営は悪化しました。政府による減反政策が強化され、まじめに転作に取り組めばさらに窮地に追い込まれていきました。春に出稼ぎから家に帰ると、子どもが妻の陰に隠れ、自分になつかずショックを受けたことが出稼ぎ脱却を決意したきっかけでした。
 無農薬を志すきっかけは、夏秋取り野菜栽培などの農薬散布で体調不良に陥ったことでした。自家用野菜から無・減農薬を始め、農協へ米の無・減農薬栽培を訴えましたが拒否されました。やがて地元の消費者との出会いが少しずつ進み、私が減反に反対する農民を守るために始めた「水田を守る基金」の運動、提携米運動に参加したことが私との出会いでした。
 提携米運動が取り組んだ反減反裁判では、原告のひとりとして冒頭陳述をしました。私が原発を止めるために大石元環境庁長官をかついで設立した参院ミニ政党「みどりといのちのネットワーク」の候補者選びが難航したときも、快く立候補を引き受けていただき、感謝でした。
 多くの農民が補助金や助成金を受け取り楽な道をいく中で、土橋さんは自分が信じる農業を貫いています。農協が示す道は日本の農業が滅びてきた道だった。消費者との絆があったからこそ、自立した道があった、と考えておられます。

◆父の背中
 この立派な父親(敏郎さん)の背中を見て育った長男の敏拓さんが、大阪でのサラリーマン生活を4年半で切り上げ、山本開拓農場に2010年10月に就農したことは、敏郎さんにとっても誇りであり、うれしいことです。ネバーギブアップの気持ちで幾多の困難を乗り越えてきた山本開拓農場の本格的な春が、いよいよ始まります。


山本開拓農場の米、もち米、豆類、野菜
■防除
水田の無農薬は紙マルチ法で実施。畑作には除草剤を含めて農薬を一切使いません。一部の水田において除草剤1回使用の低農薬栽培あり。昨年はカメムシの異常発生のため、やむを得ずカメムシ防除農薬の使用が1回ありました。そのほか木酢液、ケルパック66※を防除資材として使用しています。

※ケルパック66:南アフリカ共和国ケープタウン沖で採れる巨大海藻(学名…エクロニア・マキシマ)を高圧力で抽出し、保存剤として食酢を添加したもの。有機農産物の日本農林規格(農林水産省告示1463号)の別表Tにおいて「その他の肥料及び土壌改良資材」に該当しています。

■肥料
●米
自家産米ぬか・もみがら、ケイカル(珪酸カルシウム)、ファーテック((有)フレッグ農産・発酵乾燥鶏糞)、サンリッチ(日新化成工業・うずら(廃鳥・廃卵・糞)、米ぬか・好気発酵肥料、有機農産物適応肥

●じゃがいも・にんじん・豆類
刈草でマルチ、米ぬか、カニ酵母※(三興(株))、JAS有機適合有機質肥料「新世紀」

※酵母入りたい肥1号:乾燥菌体肥料、植物油かす類、炭酸カルシウム肥料、副産石灰肥料、かに肥料粉末


肥料の放射能対策
上記肥料の原料はすべて3.11原発事故前のものです。今後使っていく肥料については、米ぬか・油カスなどすべての原料の産地などを確認した上で使います。場合によっては使用肥料の変更も検討します。



―文責 西川榮郎(オルター代表)―


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