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カルシウムがいっぱい駿河湾の桜えび
カタログ“2007年11月1週”
カルシウムがいっぱい駿河湾の桜えび
守り続けられた世界的な貴重種、駿河湾の桜えび。
カルシウムは牛乳の18倍。

●漁師さんたちが守る桜えび

 シーズンになると富士川の河口の河川敷は天日干しの桜えびで辺りは一面のピンク色になります。背景に見える富士山とのコントラストは、感動的な風景です。
 桜えびは、世界で駿河湾と台湾にしか生息していない世界の奇魚として知られています。以前この桜えびが田子の浦一帯の製紙工場のヘドロで激減したことがあります。海を取り戻すために立ち上がった漁師さん達を中心としたこの三島・沼津の反公害闘争は環境を守った先駆的な運動として名だたるものです。駿河湾にレジャー施設の人工島の計画が持ち上がったときにも「Save the 桜えび」がスローガンになりました。
 漁師さん達が守り続けた桜えび。すばらしいことに近年はその漁獲量は安定していると聞きます。 
 桜えびを保護するために、桜えびを水揚げしている由比漁協ではおそらく国内でも唯一と思われる「プール制」という珍しい制度をとり入れています。漁船が桜えびを獲ってきたら、組合全体のものとして共有され、それからせりにかけられます。いくら頑張って獲ってきても全てその人の収入となるわけではないのです。競争を避けて、価格の安定と資源を保護しているのです。


●無着色、無添加の桜えび
  以前の桜えびはほとんど全てが赤色102号で着色されていました。色本幸代さんはある消費者団体から無着色の桜えびはないかと尋ねられ、無着色の桜えびを探し始めたのが、かもめ屋をするきっかけとなりました。ご主人の里が漁師で、お父さんから「由比で一番うまい桜えびなら」と紹介されたのが、岩松商店の岩辺喜光さんの加工する桜えびだったのでした。
 色本さんの提案で始まった無着色の桜えびは、今では地元の消費者や漁師にも認められ、むしろ無着色のものが主流になりつつあります。

 その岩辺喜光さんが残念なことに今春急逝され、その遺志は甥の岩辺博行さんに受け継がれています。


かもめ屋の無着色桜えび
●生産者
(有)カクマツ岩松商店 岩辺博行さん

●製造工程
 漁シーズンは産卵期などをはずして、春3/25〜6/5、秋10月末頃〜12月末頃。夕方17:30にえび漁船が出港。その夜22:00に帰港し、水揚げをします。富士川が流れ込む辺りを中心とした、船で30分〜1時間行くあたりの前浜が漁場です。急深な海底の100〜120m付近にいる桜えびが、投光器の灯に誘われ、40〜60mに浮かび上がってくるところを網ですくうのです。先祖伝来の漁法を頑なに守る、桜えび独特の二艘引きです。
 水揚げされた桜えびは、漁港の大型冷蔵庫の中で保管され、朝6:00のせりにかけられます。このとき表面のえびはまだ生きている鮮度です。せりが終わると加工が始まります。

◎生桜えびは、そのまま小分けをして冷凍します。
◎釜あげ桜えびは、大釜でさっとゆでて、小分けして、冷凍します。
◎天日干し桜えびは、富士川の河口河川敷へ運び、砂利石の上にネットを敷き、そのネットの上で、そのまま天日干しにします。春は1日で乾燥しますので色がよく干上がります。秋は2日かかります。かもめ屋へは色のよい春ものを入荷しています。秋ものは、色は春ものに比べて落ちますが、小さく身が引き締まっていて、味はよいそうです。今回は春ものをいただき、獲れていれ ば秋ものに切り替えます。

 岩辺さんは着色料など一切の化学薬品を使用していません。一般に加工業者が着色する場合は、生の段階で着色液をくぐらせているのです。鮮度が落ちてお腹が茶色く変色したえびでも鮮やかな赤色に変身し消費者をごまかせるのです。最近ではより自然な色に見せかけるため、薄めの着色をしていることも増えました。
 天日干しを行なう河川敷では除草剤を使っています。どうしても草が生えてきて、作業の邪魔になったり異物が混入したりする原因となるからです。除草剤も雨で流れ出すと当然桜えびにも悪影響が予想されますので、オルターとしては解決していただきたい課題と考えています。


桜えび、丸ごと食べて美肌に効果
  エビにはキチンが多く含まれています。キチンはコレステロールの抑制、整腸作用、肝機能促進、血糖上昇抑制、ガン予防の免疫力増強効果があります。殻ごと食べる桜えびにはキチンキトサン以外にも他の成分が豊富です。とくにカルシウムは重量比成分で牛乳の18倍も含まれているのです。
 桜えびの赤い色素アスタキサンチンは活性酸素を抑制する働きがあり、血管から悪玉コレステロールを取り除き、美肌にする効果も知られています。

【食べ方】
野菜と合わせて「かき揚げ」で食べるのが地元の料理方法です。

●生桜えび
 一番おいしいのですが、解凍したらその日のうちに食べきらないと鮮度が落ちてしまいます。解凍は袋ごと流水解凍。解凍したらそのまま、レモン、ポン酢、わさび醤油などで。
●釜あげ桜えび
 天塩でゆでてある分、解凍後、生桜え びよりも鮮度落ちしにくい。常温で自然解凍。または冷蔵庫の中で自然解凍して下さい。凍ったままポロンと取れますので、必要な分だけ取って解凍して下さい。解凍後は冷蔵庫内で2〜3日以内にお召し上がりください。そのまま酒の肴、ちらし寿司、茶碗蒸し、ギョウザ、しゅうまい、サラダに。
●天日干し桜えび 
 臭いが移るので密封して冷蔵庫へ。長期保存は冷凍で。いつでも手軽に使えます。そのままでも、醤油、マヨネーズをつけても。そば、うどん、焼きそば、チャーハンに。


市販のえびの問題点
  大型のえびのことはカタログ1998年3月3週と2001年6月1週を参照して下さい。
 
  お好み焼きやせんべいなどに使われる小えびは、ベトナムなど海外から入荷してくるものがほとんどです。当然、酸化防止剤などの使用が避けられません。これら小えびの着色は国内で行なっています。解凍した小えびを着色液にくぐらせて干しており、鮮やかな真っ赤な色になります。富士川の河口でもそういう着色小えびの天日干しが年中行なわれています。漁期からはずれた時期には当然のこととして干すべき桜えびはないのですから。
 駿河湾産の桜えびに安い台湾産を混ぜていることもあります。同じサクラエビ科でよく似ていますので、わかっている人でないとなかなか見分けられません。台湾産は近年技術が進歩しているとはいえ、鮮度などに問題があり味が落ちるものです。


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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