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携帯電話 危ない電磁波 やっぱり高い!農村での使用リスク
通信886号記事
農村地域で携帯電話を使っている人は、都市部に比べて脳腫瘍リスクが3倍以上。ショッキングな疫学調査が報告されました。
 以前、農村地域での携帯電話は、都市部より強い電磁波を出すという測定報告を紹介しました(「食品と暮らしの安全」172号)。農村部では、一つの中継基地局のカバーエリアが広く、離れた中継基地局と交信するために携帯電話が自動的に出力を上げるためです。
 その出力の違いで、ヒトの健康にも影響が出るのか?今回、このリスクを裏付けるような疫学調査が発表されました。
 調査を行なったのは、スウェーデン・オレブロ大学病院のレナート・ハーデル教授たちです。20歳から80歳の間で悪性もしくは良性の脳腫瘍を患った1400人と、同数の健康な人たちを対象に、携帯電話、コードレスフォンの使用暦を調べました。
 その結果、農村で3年以上デジタル携帯電話を使っている人は、都市部での使用者に比べて脳腫瘍のリスクが3倍高くなっていました。5年以上使用している場合のリスクは4倍に増加。
 悪性の腫瘍に限定して比べるとリスクは8倍にもなりました。
 ハーデル教授は「今回の調査では症例数が少ないため断定的なことは言えない。しかし農村部で携帯電話の出力が高くなることが原因だと推測される」と述べています。
 都市部でも電波状況の悪いところで使用すると出力が大きくなるので要注意です。
オランダの裁判所、中継基地局建設差し止め
 一方オランダでは、中継基地局の建設反対運動に新たな動きが出ています。ハークスバーゲン市は、2004年11月2日にボーダフォンの第3世代の中継基地局の建設を許可しました。しかしその後周辺住民による強行な反対に押され、市議会が「中継基地局の電波の安全性が確実に証明されるまで、建設を許可しない」という決議を行ないました。
 その結果、市当局は、2005年4月26日に建設許可を撤回しました。
 ボーダフォン社は、市の許可撤回が違法だと地方裁判所に告訴。市側は、「市の基地局許可撤回の理由である近隣住民の健康は、ボーダフォン社の第3世代携帯電話のカバー領域を拡大したいというビジネス上の理由より優先きれるべき」と訴えました。
 5月24日の判決で地裁はボーダフォン社の要求を却下。「第3世代の中継基地局が、周辺住民の健康に影響を及ぼさないという確たる根拠は無い」と予防原則的な考えに基づいた判断をしました。
 植田武智(ライター)

出典:Occupational and Environmental Medicine 2005;62:390-394  他

食品と暮らしの安全 NO.195 2005.7.1より記事転載

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