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北アルプスの裾野から おいしい完熟リンゴの便り
カタログ2013年10月3週号
ネオニコチノイド系農薬を追放しました。
◆放射能対策も万全
 北アルプスの麓にあり、昼夜の寒暖差が大きく、リンゴ栽培に適した長野県松本市の旧梓川村で、小松 匡位さんは低農薬栽培でリンゴ、桃(ワッサー)を栽培しています。
 私からの提案を受け、今年からリンゴへのネオ二コチノイド系の農薬モスピラン(アセタミプリド)の使用を中止しました。また、オルター食品放射能分析センターで検出限界1Bq/kg以下で不検出(ND)であることも確認しています。今年使用を予定していた堆肥からオルターの測定で4.3Bq/kgの放射能を検出したことで、参考データにもかかわらず、その使用をきっぱりと回避しました。そのため、今年のリンゴ栽培は無肥料になっていますが、今のところ順調にリンゴは生育しています。
 本年6月28日にオルター千早赤阪センターで実施した、緊急農業技術研修交流会にも参加し、講師の一人、中山栄基先生の提唱された農業用マグマン(リンゴを無農薬で栽培できる野生植物ミネラル)を、さっそく実験的に導入しています。

◆アルプスの豊富な雪解け水、充分な日照時間、昼夜の寒暖差がおいしいリンゴの秘密
 旧梓川村は、北アルプス連峰の裾野に拡がる安曇野地方の南部に位置する田園地帯です。春にはりんごの花が咲き、秋には稲の絨毯が拡がる美しい風景は、現在も健在です。昼夜の温度差が大きいため、太陽の光を浴び溜めたリンゴの養分は、夜間温度が下がるので消耗されずに果実に蓄積され、実が締まり、濃厚な味に育ちます。北アルプスの豊富な雪解け水に恵まれ、日照時間も長く、たいへん自然に恵まれた、色づきも良く、虫害も少ないリンゴが育つリンゴ園です。
 小松さんのリンゴ園では、リンゴの木の下にたくさんの稲藁を敷き、糠、堆肥、油粕、刈草で土作りをしています。ワッサ−にはコンヒューザーA(害虫が交尾できないようにする)を導入し、木酢液など無害なものを使用し、可能な限り農薬を削減しています。
 リンゴは葉の働きの良し悪しで味が決まります。そこで、着色管理のため葉摘みはできるだけ少なくし、玉回しをして日光に当て、完熟のリンゴを収穫するようにしています。見てくれは悪くとも、味本位のリンゴ栽培を心がけています。長年の努力で芯が小さく、食べられるところが多い、実が締まり、蜜のたっぷり入った「サン・ふじ」ができるようになっています。近年の異常気象にもめげず、「災害・害虫に強い果樹は健康な土から」をモットーに、有機農業に励んでいます。

◆消費者団体の出会いがきっかけ
 農家の長男として生まれた小松 匡位さんは、高校卒業後、農業の手伝いを始めました。農閑期には地元の土木会社の仕事もしました。25歳のとき、お父様が病気で倒れたことを機に、農業を真剣に取り組むことになりました。
 リンゴの木を植え始めたのは 1970年頃からでした。有機農業をめざしたのは、1973年に神戸の会社に勤めていた妻の弟夫婦から神戸の消費者団体を紹介されたことがきっかけでした。はじめは自信がありませんでしたが、2年後の1975年には低農薬のリンゴの出荷を始め、やがて京都の消費者団体にも出荷が始まりました。当時は周囲の農家から病害虫を拡げるとクレームをつけられた苦労もありました。毎年のように「島本微生物」に通い、土作りを学びました。
 小松 匡位さんのオルターへのご紹介は、オルターが設立した農事組合法人地産地消大阪農業者ネットワークの名誉代表、久門 太郎兵衛さんからでした。


小松 匡位さんの低農薬リンゴ(オルター基準 ◆ )
■品種
ふじ、秋映、さんさ、津軽、群馬明月、王林、信濃ゴールド

■防除
●農薬の使用8回 通常慣行栽培の 1/2程度

●化学農薬
フルフェノクスロン(蛾・ハマキ虫)、ヘキサコナゾール(黒星病)、ジフェノコナゾール(黒ハン病・リンモン病)、ビフェントリン(ハマキ虫・アブラ虫)、ジチアノン(落葉病)、
シエノピラフェン(ダニ)、シアノホス(シンクイ虫・アブラ虫)、ミルベメクチン(ダニ)

●有機適合農薬
石灰硫黄合剤(フラン病・黒星病・ハダニ類・カイガラ虫)、ICボルドー(褐斑病・黒星病)

●その他
木酢液、強化酵素JN(虫が嫌う玉ネギ、にんにくの硫化アリル添加)、強化酵素JS(高酸度醸造酢を添加)

※強化酵素の原料は、植物の葉(マツ、ササ、ビワ、ウメ、イチジク、クリ、モモ、カキ)からアルプスの天然水で抽出した酵素原液に、糖蜜・オカラ・米ぬかなどを混合し、 複合発酵法の技術で生成したもの。

※除草剤の使用はありません。除草は手刈り草刈りを実施。

■肥料
微生物資材、ワラ・もみがら(自園)、油粕(影山製油)、刈草
窒素低投入を心がけています。



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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