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「強い洗浄力・溶けやすさが特長の粉石けん」 「すっきりとした使用感の浴用石けん」が二大看板製品
◆優れた品質 三重県四日市市にある暁石鹸(株)・笹岡信夫社長は、たいへん品質の良い石けんを作っています。特に「ローブ粉石けん」と「オリブ浴用石けん」とがおススメです。 「ローブ粉石けん」は米ぬか脂肪酸をベースにすることによって、溶けやすくしています。また、豚油(ラード)を少しと泡立ちを良くするためにヤシ油を配合して、洗浄力を高めています。箱を開けたときに粉が舞い上がらないようにするグリセリンを少量加える方法を開発しました。グリセリンは吸水性が良いために、石けんがさらに溶けやすくなるという利点もあります。オルターも参加している安全食品連絡会(山中純枝代表)の各社石けん洗浄力比較テストでも、自然丸の石けんと並んでトップクラスの洗浄力が確認され、オルターの顧問でもある山中純枝代表より、ぜひオルターでも取扱ってほしいとの提案があったものです。 「オリブ浴用石けん」は高度に精製した食用の牛脂を原料に使い、釜に仕込んでから完成まで2〜3週間かける、基本に忠実な「枠練り」という丁寧な作り方で製造しています。香料・着色料・アルカリ助剤などを入れず無添加です。たいへん使用感のよい浴用石けんです。風呂に置いておいたままでも臭いも出ず、変色や変質もせず、ドロドロに溶けることもありません。消費者団体間でも、たいへん評判の良い石けんで、その良さはクチコミで拡がっています。 「オリブローヤル化粧石けん」は冬の乾燥しやすい時期におススメです。「オリブ浴用石けん」の石けん素地にアルコールを添加し、石けんの結晶が溶けて透明になり、溶けやすく、マイルドになっています。再結晶を防ぐために、保湿効果のあるグリセリンを加え、保水作用のあるシロップも加え、しっとりとした洗いあがりになります。 先代専務の姪がひどいアトピーで、他社製の高額な石けんを使っていたのが開発のきっかけでした。 「オリブキッチンソープ」は食器が滑らないし、研磨効果もあって、こびりついた汚れもよく落ちます。あまりゴシゴシ洗うと漆やプラスチック製品にはキズがつく可能性があるくらいです。学校の石けん彫刻のために、浴用石けんベースに珪藻土の粉を練り込んで作ったもので、彫刻の削りカスで食器を洗って、良かったことから開発されました。 「オリブ果樹亜瑠シャンプー・ボディーソープ」は泡立ち良く、洗浄力に優れています。しかし、暁石鹸(株)としては液体ものはどうしても割高になるので、作るのに抵抗感をお持ちです。
◆石けん運動とともに 暁石鹸(株)の創業は大正11年です。初代・笹岡直樹さん(信夫さんの祖父)が、愛媛県の松山市で石けんメーカーの社員として働いていましたが、四日市市のガソリンスタンドを経営する会社が石けん職人を募集していたことをきっかけに四日市市にやってきました。社名の「暁石鹸」は、2代目の弟が入学した中学校名に由来しており、祖母が命名。株式会社になったのは昭和26年。一時期合成洗剤を仕入れ、箱詰めしていたこともありました。合成洗剤に押され、全国の石けん屋が廃業していく中で生き残ったのは油粘土や彫刻用などの教材としての需要があったからでした。本格的に石けんを作り始めたのは、昭和40年代後半に入って「合成洗剤をボイコットする会」の三重県支部から依頼を受けたことからでした。 当時、電気洗濯機が普及し、合成洗剤が広まって、泡公害・おむつかぶれ・主婦湿疹が問題となっていました。三重大学・三上学長や坂下栄助手らは、その原因が合成洗剤によるものであることを突き止め、合成洗剤は毒性が強く、皮膚を通して肝臓に溜まり、胎児にも影響があると警告されました。そうして高まった消費者による合成洗剤追放運動に寄り添って、暁石鹸(株)は石けんを作り続けています。合成洗剤の魚介類への影響を明らかにされた鳥羽市水産研究所・石林貞二・薫さん夫妻が、長い間オルター をお世話くださっていました。
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■原料 ・ローブ粉石けん・・・米ぬか脂肪酸、豚油(ラード)、ヤシ油、苛性ソーダ、 炭酸ナトリウム、グリセリン ・オリブ浴用石けん・・・牛脂、ヤシ油、苛性ソーダ ・オリブローヤル化粧石けん・・・牛脂、ヤシ油、苛性ソーダ、(エタノール)、グリセリン、砂糖 ・オリブキッチンソープ・・・牛脂、ヤシ油、苛性ソーダ、珪藻土 ・オリブ果樹亜瑠シャンプー・・・水、カリ石けん素地、グリセリン、エタノール、ビワ葉エキス、スクワラン、香料 ・オリブ果樹亜瑠リンス・・・グリセリン、水、エタノール、ホホバ油、ビワ葉エキス、クエン酸、キサンタンガム、×水添レシチン、香料 ・オリブ果樹亜瑠ボディソープ・・・水、カリ石けん素地、グリセリン、エタノール、ビワ葉エキス、香料
( )最終製品に残留しない × 合成界面活性剤
■製造工程 ●固型石けん @釜に原料油脂と苛性ソーダを入れる A蒸気で90℃まで上げて撹拌し、乳化(鹸化)する B釜のまわりに布団を巻きつけて保温して一昼夜置く C翌朝、また温度を上げ、塩を入れて保温し、丸2日置くと7層に分離(塩析) D廃液を抜き、石けんの生地を撹拌機に移して撹拌する E70℃くらいまで温度を下げて、固化枠に流し込み、丸2日放置し固める F固まったら枠をはずして切る(切断)。10日くらい乾燥
●粉石けん 固型石けんの工程で、撹拌機で撹拌する際に、ソーダ灰(アルカリ助剤)を混合します。 固化枠で固めたあと、粉砕機で微粉にし、グリセリンを少量混ぜます。
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拙著「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」P.258をご覧ください。
―文責 西川栄郎(オルター代表)―
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