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【 危ない電磁波 】電磁波大幅カットの高圧送電線 オランダで開発された
通信908号資料記事
 食品と暮らしの安全NO.196 2005年8月1日より記事転載

送電線からの電磁波に対して、
オランダが世界でも初めての
小児白血病のリスクに基づく基準値の設定を検討中。
そうした国の動きに呼応する形で、
民間企業が電磁波を抑えた送電線を開発しました。
国が送電線に予防的基準値を設定
 オランダの住宅・国土計画・環境省は、高圧送電線による電磁波について、予防原則に基づく新たな規制を計画しています。多くの疫学調査で小児白血病のリスクが上昇すると指摘されている4mG(ミリガウス)を基準値とすることを検討中です。実施されれば世界で最も厳しい基準になります。
 もし4mGの基準値が実施されると、既存の高圧送電線の場合、周辺で基準値を超えている地域内では、新たな住宅やビルの建設は原則的には禁止されることになります。
 また、新規の高圧送電線に対しては、設置に当たり送電線周辺で、電磁波が4mG以上になる敷地を買収する必要が出てきます。
コストを抑えた送電線を開発
 国の規制強化に対応した形で、オランダの民間企業の中には、周辺部への電磁波を抑えた高圧送電線を開発する動きが、出てきています。
 電磁波をカットする技術としては、すでに、送電線をケーブル状に束ねて、地中埋設するという方法が考えられています。地上での電磁波は大幅にカットされますが、建設コストも大幅アップすることになります。
 オランダの送電線管理を請け負っているテネットT(TennetT)社は、コストを抑えて電磁波も低減する送電線を開発したと発表しました。送電線の各線の配置に工夫を与え、それぞれの線から発生する電磁波が互いに打ち消し合うように配置することで、周辺へ広がる電磁波を削減できるという仕組みです。
 現在オランダで使われている高圧送電線(380kV)の場合、送電線の両側約300mの範囲が4mGを超えることになりますが、テネットT社の送電線の場合、約75mまで範囲が狭まるとのこと。
 新たな送電線の建設コストは、従来のものより若干割高になりますが、買収しなければならない敷地面積が大幅に減るのでコスト削減になるということです。
 現在、試験中の段階で、早ければ2006年には導入される予定です。
 今回のオランダの官民協力した電磁波削減が成功すれば、電磁波問題への予防原則適用事例の模範となるかもしれません。
                      
  植田武智(ライター)





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