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「鳥インフルエンザ対策」は本末転倒
通信826号記事
タナカファームさんのお話をうかがいました。
 連日、新聞、テレビ等で鳥インフルエンザの報道がされている3月18日暮らし屋さんでオルター一番のおすすめ卵、タナカファームさんの話を聞く会がありました。
 “生でぜひ食べてみて!”とネパール帰りという色つやのよい日焼け顔の元気な田中さんは、たくさんの新鮮な卵を持ってきて下さいました。
 昭和55年、息子さんが誕生され、翌年知人の紹介で7羽のヒヨコを息子さんの楽しみのためにと飼育されたそうです。(当時家業は、切り花の栽培)それがきっかけで本で勉強しつつ卵を人にプレゼントして、
とても喜ばれ、そうした様々な人との出会いや、つながりの中で今のタナカファームが出来上がってきたそうです。20数年のことを聞きました。大切な息子さんが数年前事故で天に召されるという、親として耐えがたい悲しみ、苦難にあわれたのですが、しかし、そのことがより一層この仕事を大切に続けよう、息子のために頑張ることができる…という田中さんのお話は、聞くものにしっかりと心に染み入る重みのある本物の言葉でした。
 鳥インフルエンザは、出るべくして出たものであり、工場の中で体温の高い鶏が、窓のない太陽の光を浴びることなく、卵を産む。体力・免疫力がなくなるのは、当たり前の話でであることを消費者はしっかりと認識していなければならない。報道に踊らされ、死亡した鶏の数に驚き、一喜一憂することのないよう、本質を見失うことがないようにしなければならない…などを学びました。
 鳥インフルエンザ対策として、野鳥が鶏舎に入らないよう、近寄らないように、タナカファームのような自然養鶏場にネットを張るよう通達、指導、そして無窓(ウインドレス)鶏舎にすることによってこそ安全な卵が供給されるかの如く、報道されています。
 これは、本末転倒ですね。ウインドレス鶏舎の鶏だから感染したのですね。田中さんのお話を聞いて、ますますそう思いました。
 このことは何も鶏だけの問題だけではない。日本中で起こっている様々な問題が枝葉ばかりを悪者にし、いじくっている体質。そしてあたかもそれで解決したかの如く錯覚している我々消費者。悪循環が続いていることをこの鳥インフルエンザ問題で、しっかりと認識しなければならないことだと思います。私の子どもの頃(50数年前)は、卵はとっても貴重で大切に扱われていました。“滋養がある”という言葉で表現されるものでした。それが今は安売りの目玉商品となっています。これをよい状況、消費者の味方…とかんちがいしています。(オルター会員は、大丈夫ですが)食べ物から私達は、その生命をいただいているのですが、卵は特に生命を丸ごといただいていることに鈍感になっています(私も)。 良い環境のもとで安心できる素材を食べて育った鶏の卵だから、その卵だから私達の身体に滋養を与えてくれるのだと改めて、知るものです。
 田中さんの卵を生で食べました。ゆっくりと、白味・黄味と、口に含み味わいました。とても甘みがあり、皆が“おいしい、こんなにゆっくりと味わって食べたことないね、来てよかったね”と笑顔になりました。卵黄に、楊枝を差しました(10本位)。黄味は、崩れませんし、楊枝もしっかりとたってます。30本位大丈夫とのことです。
 ゆで卵の作り方も教えてもらいました。熱湯に酢を適量入れ、鍋底に卵をあてて割らないよう、静かに入れることが大切。そして8分程ゆでると出来上がり、すぐに冷水につけること、新鮮な卵は殻がむきにくい…など。
その場で作りましたがおいしくきれいなゆで卵が出来ました。だし巻き卵も作り、食べました。卵の殻は、酢に漬けておくと溶けて、酢の中にカルシウムが加わり、料理に使うと捨てるところがない…なるほどと思いました(早々、作っています)。 えさ、水、飼育環境、全てにとことんこだわり、安心して食べることのできる卵を作っておられるタナカファームの卵を値段が高いからと二の足を踏んでいる方がありましたら、ぜひ一度味わってみませんか(時々しか買わずにいる私が言うのも失礼ですが、ごめんなさい)。私達が、食べているのと同じワカメ(ミツ石さん)、おから(太子屋さん)、小麦(井村さん)…等を食べている鶏たちは、私たちのオルター仲間なのだとにっこりです。いつか機会があればタナカファームさんに、鶏さん達に会いたいなぁ…と皆の声でした。 
 今回の騒動で養鶏場が無窓(ウインドレス)鶏舎でないとインフルエンザが防げないという方向に行くのではなく、自然養鶏に帰ることが必要なのに、と思います。田中さんの言われるように、元気の良い免疫力のある鶏には、鳥インフルエンザは少しも怖くないこと。この事は、私達人間にもあてはまることなのでしょう。鳥インフルエンザの件は、悪い出来事として考えず、問題点が表面に出てきて、人間の食に対するおごりへの警告として受けとめなければと感じます。
 雨の降る肌寒い日だったので、参加者は、7名(内子供2名)でした。勿体ない気がしましたが、参加した者にとってはとても満足な有意義な日でした。そして、聞いた内容が、その場だけでなく、帰ってから翌日になって、じっくりと心に落ちてくるものであったと思うのは私だけではないでしょう。
 お忙しい中、お話下さった田中さん、企画して下さった暮らし屋さんに“ありがとう”です。生産者の方との出会いの幸せを“友達への幸せのおすそ分け”のつもりで書いています。”幸せのおすそ分け“になったでしょうか。
         

 F102 M.Mさん
 

  
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