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有機農産物認証システム
2002年度 活動方針案
暫定基準の改定
オルターでは情報公開の立場から、カタログ表紙などを通じてより詳しく生産者情報を会員の皆さまに提供してきました。 「オルター通信」641号(2000年9月26日発行)において無農薬農産物の情報に関して『オルター暫定基準』を発表するとともに、生産者農家の農家登録・圃場登録を進めてきました。
 JAS法との整合性が明確で、よりわかりやすくして、今回この基準を以下のように改定いたします。

オルター暫定基準2002
【 ★★★ 】 
水準内容:JAS有機+オルター基準無農薬(T)【新設】   
説明: JAS「有機」認証を得て、しかもJAS有機基準が認めた薬剤等も使用して
いない生産をしたことを、オルター調査で確認したことを意味する。
従来の「無農薬」。

【 ☆☆☆ 】 
水準内容:オルター基準無農薬(T)       
説明: JAS「有機」認証は受けないが、JAS有機基準が認めた薬剤等も使用していない生産をしたことを、オルター調査で確認したことを意味する。
従来の「無農薬」。

【 ★★ 】  
水準内容:JAS有機+オルター基準無農薬(U)【新設】 
説明: JAS「有機」認証を得た農産物であるが、JAS有機基準が認めた薬剤等を一部使用して生産したことを、オルター調査により確認したことを意味する。
従来は「低農薬」と表示。

【 ☆☆ 】  
水準内容:オルター基準無農薬(U)【新設】
説明: JAS「有機」認証は受けないが、JAS有機基準が認めた薬剤等を一部使用するものの、それ以外の人工的化合物は使用せずに生産をしたことを、オルター調査により確認したことを意味する。従来は「低農薬」と表示。

【  ☆  】   
水準内容:オルター基準栽培時無農薬        
説明: JAS認証は受けていないが、前作までの3年以上にわたり、その圃場での有機資材の利用を進め、化学肥料の利用を避け、農薬の使用を極力低減する努力が継続しており、なおかつ当該農産物に関しては一切の農薬の使用歴がない状況下で生産したことを、オルター調査により確認したことを意味する。従来も「栽培時無農薬」と表示。

【  低  】   
水準内容:オルター基準低農薬         
説明: オルター調査により、3年以上その圃場での有機資材の利用を進め、化学肥料の利用を避け、農薬の使用を低減する努力が継続し、かつ当該農産物に関して、農薬使用を限定し、その種類と量に関して低減した事実を、生産者自身が説明可能であることを意味する。従来「低農薬」と表示していたものから、今基準の「無農薬(U)」である☆☆と★★を除外したもの。

有機JASで使用が認められている資材等 (有機JAS 別表2 農薬基準)
除虫菊乳剤 デリス乳剤 デリス粉 デリス粉剤 なたね油乳剤 マシン油エアゾル マシン油乳剤 硫黄くん煙剤 硫黄粉剤 硫黄・銅水和剤 水和硫黄剤 シイタケ菌糸体抽出物液剤 炭酸水素ナトリウム水溶剤 炭酸水素ナトリウム・銅水和剤 銅水和剤 銅粉剤 硫酸銅ボルドー剤(調製用に使用する場合に限ること)
生石灰ボルドー剤(調製用に使用する場合に限ること)
液化窒素剤 天敵等生物農薬及び生物農薬製 剤性フェロモン剤 誘引剤
忌避剤 クロレラ抽出物液剤 混合生薬抽出物液剤
カゼイン石灰(展着剤として使用する場合に限ること)
パラフィン(展着剤として使用する場合に限ること)
ワックス水和剤 二酸化炭素剤(保管施設で使用する場合に限ること)
ケイソウ土剤(保管施設で使用する場合に限ること)
(注)農薬の使用に当たっては、農薬の容器等に表示された使用方法を遵守すること。
市民参加による情報公開システムの構築
有機認証・情報公開・環境対応に関する
オルター独自の情報公開システムの構築を

安全な食べものを求めて活動してきた、オルターのネットワークでは、これまでも原則に忠実に調査し、評価し、オープンに情報公開することを実行して、国内での高い信頼性を勝ち得てきました。
 JAS有機制度の発足にあわせて、2000年度からは、それまでの形式での信頼度の高いカタログ情報の提供だけではなく、生産者情報の系統的な収録と、そのデータベースの構築に取り組んできました。このデータベースは、JAS有機法の求める要件のみならず、ISO14001が求める標準化を念頭において、担い手データ、土地・施設データ、環境情報データをも準備しています。
 情報公開システム全体としては、単にデータの記録管理にとどまらず、生産・流通・消費(つくる・はこぶ・たべる)全ての日常行為にわたって、品質管理上はもとより、環境(生態系・資源・廃棄物)管理をもふくめたトータルなシステムを準備しており、環境改善管理マニュアル、品質管理マニュアル、業務管理マニュアルを構築しています。
 オルターネットワークは生産者から流通担当者へとバトンタッチし、都市での活用者である消費者までも包括した集団として組織されています。オルターは単なる流通業ではなく、センター業務を中核にしながら、生産業務も、流通業務も、消費活動をも含んでおり、したがってISO14001登録の認証対象は上記3者の統合体としての「オルター」とする方向が望ましいという判断で準備しています。当然ながら、上記マニュアルには、生産に関する業務規定も、流通部門に携わるオルターセンターにかかわる業務規定も、さらに活用者会員の消費生活に関する規定も含まれています。
 2002年度は、このように対象課題を単なる有機制度から環境保全にまで拡大し、また主体も生産者・流通担当者のみならず消費者会員もふくんで、「有機・環境」プログラムを構築・実施し、
  計画:plan  実行:do  点検:check  見直し:act 
という認証プログラムに沿って活動していく予定です。
 なおマニュアル整備の段階としては、すでに各業務マニュアルはほぼ完備していますので、本年度はより実効性のある記録・記帳の実施にはげみ、あわせて工夫・改善の積み重ねによる業務の効率化に一層の努力を傾けてゆきます。そして、2003年度以降のために、点検、見直しの基盤を作ります。
 以上のような制度的整備に加えて、市民参加型システムの構築を試みます。これまで生産者見学を通じて、直接顔の見える産消提携を進めてきました。このようなバスツアーを中心としてきた活動形態を更に進めて、有機認証上の現地調査の意味と役割をもたせ、ISO14001認証においても現地調査の役割を持たせるように改善工夫していきたいと思っています。そのためには、キッチンアドバイザーや企画会議参加会員などの皆様には一定の講習を受けて、有機・環境管理の検査員としての役割を担っていただきたいと願っております。生産者農家にも多忙な中で記録管理をしていただき、センターが事務局機能を果たし、会員の皆さんに協力していただいて、市民参加型のISO管理を実現しましょう。


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