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間違いだらけの結核対策
通信874号資料記事
生後6か月までのBCG接種が努力義務へ
 BCGの予防接種は、2002年度以前は乳幼児期と小中学校で行なわれていましたが、03年4月からは小中学校での再接種が廃止され、それ以降、乳幼児に対してのみ、生後3か月以降4歳までの接種を努力義務のある定期接種としていました(消費者レポート 第1218号 参照)。
 そんな中、結核対策の見直しを進めている厚生労働省では、乳児には生後できる限り早くBCG接種を行なうことにして、05年4月から、@BCG接種の前に行なわれるツベルクリン反応検査(ツ反)を廃止してBCGを直接接種すること、A新生児接種も含めて生後6か月までに接種することを決めました。
 しかし、この改正には二つの大きな問題があります。
 第一に、厚労省は、乳幼児への直接接種はツ反による負担の軽減と、ツ反判定結果にょってBCG接種の機会を失っていた人の接種機会を増加させることだと説明しています。しかし、無条件に全員に直接接種することは、これまでツ反で発見されていた自然陽転児の発見をかえって遅らせることにつながります。さらに重大なのは、先天性免疫不全児にも、そうした疾患の発見前に接種してしまう可能性があり、これにより全国で年間約10人の死亡児が出ると推測されることです。
 むしろ求められるのは、感染源である成人結核患者の早期発見と予防や、乳児の家族周辺の結核患者についてのきちんとした問診など、接種の必要な乳児に適切に接種がなされる体制です。
イラスト 消費者レポート 第1291号より転載 
● 安全性無視の経費削減が招く危険
 第二に、厚労省は地理的条件や交通事情、災害の発生その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合は1歳まで、それ以外は出産直後から生後6か月までを原則として定期接種としました。そのため6か月以降は自費負担の任意接種となり、救済レベルも薬害並みに落ちます。BCGで子どもの結核を防げるとの前提で接種をするのであれば、生後3か月以降6か月までの間に集中的に接種することが必要です。しかし、今回の改正は、3か月以前に産科での接種も認めるとしています。BCG接種には技術が求められます。接種を急ぐことで安全性に問題が生じるおそれは否定できません。
 今回の改正は、厚労省が担当課レベルで、安全性を無視した経費の削減を土壇場で行なったものと言わざるを得ません。接種には十分な注意が必要です。  (古賀真子)
       
 消費者レポート 第1291号 2005年4月7日発行より転載


Q:BCGの接種 どうすればいいのですか??
A 免疫を高めて健康でさえあれば結核には負けない
 本来、結核の感染を完全に予防するのなら、BCGの接種は出産直後が一番有効だということになります。乳幼児の感染は、主として家庭内での感染ですから、家族に患者がいる場合はとくに要注意です。しかし日本国内では蔓延しているわけではありませんから、それほど急いでする必要もありません。
 急がない方がよいとする理由は、生後3ヶ月以内の接種には免疫不全を見逃す恐れがあり、BCGの副作用による生命の危険性があります。結核で赤ちゃんが死亡する確率は、年間120万人生まれている中で1〜2人です。免疫不全の子どもに使って副作用で死なせるのは10人程度だと推察されています。
ちなみに、専門医の大半は小学生以上にBCGの接種は意味がないといっています。
 したがって、BCG接種をどうしてもしたい場合は、生後3〜6ヶ月の間に、体調のよさを十分確保して行うのがよいと思います。政府の指導のように、いきなりBCG接種するのは乱暴です。ツ反をしてからのほうが理にかなっているのですが、ツ反が廃止されましたので、特別にツ反を受けるのは難しくなりました。
 現在のところ結核はとくに高齢者で問題になっている病気なので、子どもへのBCGの接種は必要ないともいえます。しかし、大阪は全国に比べて結核が多い地域なので、感染しないとは言い切れませんので、やめろ!とも言えません。
 結局、自己判断で対処しないといけません。はっきりいえることは、Aということです。そのためには、とくに小腸の健康が大切です。腸の中を腐敗させない食生活、安全な日本の伝統食をおすすめします。 

  ( 代 表 )


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