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ひとりひとりのお米の備蓄プラン
カタログ‘2009年3月2週号’
●いつ飢えてもおかしくない食糧事情
 生活の安定の基本はいうまでもなく食の確保です。この食の安定確保が今、揺らいでいます。とくに私たち日本人にとって。
 ご存知のように日本の食糧自給率はすでに39%と危機的な状況になっています。世界も人口増大や頻発する異常気象のため、慢性的な食糧不足に陥っています。温暖化やアメリカの穀物戦略の中国シフト化による穀物相場の不安定化は、本年1月2週号で解説した通りです。新型インフルエンザによるパンデミックに対する備えも念のためにしていたほうがよさそうです。
 このままではいつ日本国民が飢えに遭遇しても不思議ではありません。これらの不測の事態に対する備えとして、主食である米の備蓄は最低限必要だと考えます。僅か15年前に現実に米不足がこの日本で起こりました。外国からの穀物の供給があったので大事には至りませんでしたが、そのときオルターは全国の消費者団体の中でも最後まで国産米を供給できた団体です。勿論最後は制限付きとなりましたが。


●国民の自己防衛を妨げる新食糧法
 このような来るべき食糧危機に対して、本来なら国が食糧備蓄の責任を果たすべきなのですが、年金問題でも判明したように、全く国民目線での仕事ができているとは思えません。それどころか、いまだに農業の荒廃化を放置し続け、悪名高い減反政策も続けています。
 このように国民の食糧確保の責任を果たそうとしない政府は、食糧危機対策として1994年に新食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律第113号)を成立させています。これは緊急事態が発生した場合、かつての食管法よりも素早くて厳しい流通規制が罰則付きで行われるというものです。つまりそのときは、私たちの生産者が苦労して栽培している作物を、一般の慣行栽培のものと一緒に公権力で取り上げられてしまう、というものです。私たちからみれば、安全に努力したものを不当に奪われることを意味します。
 国があてにならないどころか、こんな大事なことが私たちに知らされず、緊急時の法規制強化によって国民の自己防衛も妨害され、私たちの安全を脅かしかねない状況にあるのです。法律や制度を熟知していないと大変なことになります。


●オルターの自己防衛・備蓄米クラブ
家庭で2ヶ月分、オルターセンターで1ヶ月分、生産者で3ヶ月分、合計6ヶ月分の備蓄米プラン。オルターとしては有機農業をキーワードに小規模な農家の保護育成を果たすと同時に、一方で会員一人一人の自覚的な自己防衛プランとしての「備蓄米」構想を提案いたします。

@家庭でできること

●玄米30kg袋を最低2ヶ月分、備蓄すること。
●発芽モード調理をマスターし、玄米(雑穀)の発芽毒をクリアして調理できる知識を身につけること。
●白米や分搗き米を食べたい人は精米機を備えること。玄米を精米したら2〜3日で酸化するので、新鮮な米を食べるためには精米機は必須です。

Aオルター新センターに、最低1か月分の備蓄をします

 オルターは現在、新センター建設を計画しています。完成したら通常の会員の1ヶ月分の注文量の玄米および真空パックの白米を備蓄する予定です。地震などでライフラインが切断されても、1ヶ月は供給可能にするためです。
 この備蓄米は1ヶ月分ごとに「先入れ先出し」を行います。つまり従来よりもお届けが1ヶ月古くなりますが、温度管理と脱酸素剤入りの真空パックで品質の保持をはかります。真空パックはどうしても備蓄庫を出てからの配送時に空気もれが発生する場合がありますが、これは1ヶ月の備蓄の間の味や風味を確保する目的ですので、実用上差し支えありません。この点クレームにならないよう予め理解をいただきたいと思います。

B生産者サイドの、もみ米備蓄

 オルター備蓄米クラブを申し込まれた会員分として、生産者サイドで、穫れ秋から1年3ヶ月分の米をもみ米のまま保管していただきます。もし不測の事態が最悪の場合、穫れ秋に起きたとしても、3ヶ月分の備蓄は確保できるというものです。
 このもみ米での保管計画には、まず「ライスロッヂ大潟の黒瀬農舎」が対応していただけることになりました。かつて黒瀬さんのお父さんが「穫れ秋に新米を食べるのは、備蓄米を持たない貧しい農家のやることだ」と戒めておられたそうです。備蓄米を食べてから新米を食べるというかつての賢い農民の暮らしに、私たち消費者も学ぶべきです。

 なお、もみ米は何年経っても発芽することができるパワーをもっていますので、味低下も防げて貯蔵には理想的です。ただし保管のスペースが玄米よりも大きいので、生産者の理解が得られないと難しいです。


備蓄米クラブの申込方法
●お届け内容

ライスロッヂ大潟黒瀬農舎の無農薬米(オルター基準☆☆☆)の玄米2kgもしくは白米2kgを、毎週お届けします。ライスロッヂ大潟黒瀬農舎についてはカタログ2007年4月4週号をご覧ください。

●お届け期間

2009年3月2週〜12月末週の43週間です。

●お支払い方法

一括前払い方式になります。

●数量変更・お休み・途中解約

備蓄米の趣旨上、基本的にお受けしません(やむを得ない事情がある場合はオルターで米を預り、まとめてお渡しすることも検討しますが、返金はいたしません)。

 つまり、申し込まれた方は、少なくとも毎週2kgの米を2009年末まで確保したことになりますので、緊急時には十分な生命維持対策となります。日常においてこれで不足する場合は申し込み口数を増やすか、通常の注文方法でカタログで購入すれば、これだけを食べないといけないという圧迫感はないと思います。
 なお、平常年なら10月10日頃から新米が収穫できますので、10月2週から12月末週までの12回分は、おいしく食べることを優先して新米でお届けする予定です。その時点で古米となった備蓄米については、1割値引きしてオルターカタログ上などで放出米として処分いたします。その放出処分損失額(2kg×12回分の米代×10%)は、保管料として備蓄米クラブ申込者にご負担願います。もちろん、ご自身でその放出米を購入していただいてもかまいません。

玄米(☆☆☆)2kg1166円×43週分(3月2週〜12月末週)+保管料(新米切替え費として1166円×12回分×0.1)=51537円

白米(☆☆☆)2kg1289円×43週分(3月2週〜12月末週)+保管料(新米切替え費として1289円×12回分×0.1)=56973円

 先払いすることによって、生産者が現金化できないまま保管するという負担が軽減されます。新食糧法の適用に際しても、お米の収穫時にすでに消費者への譲渡が完了し所有権が移動していますので、緊急時の法規制の対象外となり、自己防衛として有効であり、安心して米を確保したことになります。
 今回の備蓄米クラブは収穫以降のものですが、次年度はさらに種まき以降、栽培時期から消費者の所有というプランが有効かどうか検討していく予定です。

●緊急時における米供給の優先順位

 不測の事態になった場合には、備蓄米クラブに参加されてない方や会員外から米の注文が殺到し、申込みを制限しなければならないことも予想されますが、この備蓄米クラブの参加者については安心していただけます。

早くからお申込みいただいた方ほど安心です

優先順位は@〜B、またそれぞれの申込み時期順です。

@備蓄米クラブ
 米不足が顕在化した場合、備蓄米クラブの次年度の更新(2009年穫れ秋に申込募集、2010年1月初週〜12月末週にお届け)に際しても、継続申込者が申込受付時期順に優先されます。

Aリピートくん
 緊急時、供給困難になった場合は、リピートくんの最初の申し込み時期の早い順に優先します。

Bカタログ通常注文

となります。

 すでにリピートくん申込者で今回、備蓄米クラブに切り替える場合は、備蓄米クラブ申し込みと同時に、リピートくん停止をご連絡ください。
 大きな安心を得るため、備蓄米クラブ、リピートくんをお申し込みください。早くからお申し込みされた方ほど安心というシステムです。
 なお「野菜セット」「リピートくん・とれとれ!おまかせ野菜パック」「リピートくん・とれとれ!おまかせフルーツパック」による自衛策もおすすめします。新型インフルエンザによるパンデミック時には、人との接触の機会を制限するために、オルターにおける青果ピッキングを停止する場合があります。生産者サイドでピッキングしていただくこれらのセットやパックは、その場合でも流通できる可能性が高いものです。これらについても緊急時には、リピートくんの継続利用者の申し込み時期の早い人から優先して供給します。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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