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小麦粉を100%お米に置き換えたお米食パン
カタログ2016年6月2週号
グルテンフリーの強い味方。
◆ポストハーベスト農薬の心配な輸入小麦
 輸入の小麦にはポストハーベスト農薬の問題があり、小麦を原料するパンなどの小麦粉製品は、アトピー、アレルギーの大きな原因となっています。そのため、以前からお米を原料にしたパンが焼けないかという試みが一般でも行われてきました。その主なものは、
@米粉だけだと粘り気が足りないので、小麦グルテンを添加するという方法。小麦グルテンを使えば結局、ポストハーベスト農薬で汚染された小麦成分を入れることになります。
A米粉を可能な限り微粒子化したり、タピオカや食品添加物を使うという方法。これでは食品添加物の問題が解決していません。

◆小麦グルテンを食べない
 2011年に、アメリカの循環器疾患予防の権威、ウイリアムス・デイビス医学博士が著書「小麦は食べるな」(日本語訳は2013年、日本文芸社刊)で自らの患者2,000人に小麦抜きの食生活を実践させたところ、心臓疾患をはじめ、糖尿病、脳疾患、関節痛、高血圧症、肥満、皮膚疾患など様々な疾病が驚異的に快癒したと発表して大きな話題となりました。
 2013年にはアメリカの神経科医、デイビッド・パールマター医博が「いつものパンがあなたを殺す」(日本語訳は2015年、三笠書房刊)でパンの小麦グルテンが脳の中で炎症を起こして脳の働きを鈍くし、将来の認知症にまでつながっていることを発表しました。
 今や、小麦グルテンを食べない「グルテンフリー」は世界的潮流となっています。

◆画期的な米パン
 オルターの山本 朝子副代表は、自ら開発した発芽モードRの特許技術で、小麦製品を米などで代替すべく、「グルテンフリー」製品の開発に取り組んできました。
 その取り組みの一環として、小麦を100%米に代替した画期的な米パンがこのたび完成しました。使用する原料は「グレイニズムミルク(発芽モードR玄米の重湯[特許技術])」「米粉」「米飴」と砂糖、菜種油、塩、天然酵母だけです。味も食感も黙っていれば米でできているとはわからないくらいのおいしさです。
 この米パンに取り組んだのは、オルターの米、大豆、大麦、小麦などの生産者、金沢大地  井村 辰二郎代表(拙著「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p.22参照)です。実際にパンを焼いていただくのはOreille Cafeの西川 広一さんです。西川さんは井村さんの小・中学校の先輩です。長く、金沢都ホテルのベーカリーシェフをしていました。金沢大地の有機準強力粉(ナンブコムギ)の豊かな風味を評価され、食パンを開発、ロングセラーとなっています。数年前に独立され、現在はOreille Cafeのオーナーシェフです。

◆米粉の質が米パンの決め手
 山本 朝子副代表が開発したグレイニズムミルク(特許製法)を使った米パン作りは、グレインマイスター資格取得者なら自宅でこれまでにも普通に焼いてきました。金沢大地でこの米パン作りに着手した時、すぐに開発ができるだろうと私は思っていました。しかし、金沢大地では何回試みてもパンが膨らまず、べちゃっとおもちのような食感になってしまいました。
 調査の結果、失敗を重ねた原因は米粉にあることがわかりました。山本 朝子副代表は「棚田の米粉」(オルターカタログ2016年3月1週号参照)を使っていたのに対し、金沢大地では別の米粉を使っていました。でんぷん損傷を最小化した気流粉砕方式の米粉「棚田の米粉」の品質がパン作りに向いていたということがわかったのです。

◆新しい米加工品の世界
 金沢大地では米を栽培していますので、当然、将来的には自園の米を原料にした良質な米粉を開発し、米パンの原料にしたいと考えています。
 今回作る米パンは、金沢大地の有機玄米を使って、発芽モードR技術で作った玄米の重湯、「棚田の米粉」(白米の粉)のように正真正銘の米を100%でんぷん源に使用し、甘味にも金沢大地自家製の米飴(オルターカタログ2012年3月1週号参照)と、主な原料がすべてお米です。
 お米が100%小麦にとって代われるということは、輸入小麦のポストハーベスト農薬の問題、小麦グルテンによる健康被害の解決につながるだけではなく、米消費の低迷や TPPの洗礼を受ける日本の米農家の未来を拓くことにもつながります。


農産工房「金沢大地」の 井村さんのお米パン
■原料
●玄米
金沢大地 有機栽培 オルター基準 ★★★ ND
発芽モードRのグレイニズムミルクにして使用
●米粉(うるち白米)
土佐れいほく農業協同組合の「棚田の米粉」(オルターカタログ2016年3月1週号参照)
●米飴
金沢大地(オルターカタログ2012年3月1週号参照)  
原料 金沢大地の有機米、有機大麦
●砂糖
種子島甘蔗分蜜糖
●菜種油
鹿北製油(オルターカタログ2011年3月4週号参照)
●塩
能登製塩(石川県奥能登海水塩)
●天然酵母
(抹)サラ秋田白神の「白神こだま酵母ドライ」(オルターカタログ2008年5月5週号参照)

■製造工程
@グレイニズムミルク作り(発芽モードR玄米の重湯)
A生地つくり
粉に、酵母、砂糖、米飴、塩、グレイニズムミルク、菜種油をよく合わせる。粉を振った食パンの型に入れ、適度にふくらむまで発酵させる。
B焼成



―文責 西川榮郎(NPO 安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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