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 花山大吉さんからのメール 「エアロゾル研究は戦争目的にもなりうる。」
通信845号記事
世界の環境ホットニュース  [GEN] 411号別処珠樹さん04年8月27日記事より転載
 
[[GEN 409] アラビア砂漠のエアロゾル研究]を拝見して私はぞっとしました。というのは、エアロゾルの拡散研究は環境調査の名目であっても、同時に生物兵器、化学兵器の効果的散布方法の開発にも結びつくからです。毒ガス、毒薬、病原体をばらまいた場合、どうすればこれらが細かい霧状で長時間、目的地域の上空にとどまり、より効果的に兵器として威力を発揮するかという方法の開発に、そのまま役立つのです。
 米国では生物化学兵器の開発段階でこの種の実験は早くからしかも大規模に行なわれており、日本でも防衛庁が1960年代の第三次防衛力整備計画の中でエアロゾル散布機(オウムのサリン噴霧機と同じ機能)開発を予算計上しています。
  このような装置を用いて病原体の粒子をこまかく空中散布、すなわちエアロゾル散布すると、普通の場合には、人間に吸い込まれても鼻やのどにとどまったはずのものが、肺の一番奥まで到達し、感染効果や死亡率をぐんと高めるということが明らかになっています。当時既にエアロゾル散布によって気道を経て肺に感染させる方法は、あらゆる兵器についてその効力を高める最も一般的な方法となっていました。人は呼吸をとめるわけにいかないし、普通のガーゼやマスクなどでは、このエアロゾルのこまかい粒子の通過を防ぐことはできません。このことを考えるだけでも、この方法がいかにおそるべき可能性を秘めたものであるかが分かります。
  自衛隊はエアロゾル散布機開発だけでなく、エアロゾルの拡散状況確認実験を実際に行なったことがあります。通産省の産業公害総合事前調査に陸上自衛隊17普通科連隊が全面協力をし、1968年秋から1970年春にかけて山口県の石油コンビナートがある3地区で蛍光粉粒子の散布と捕集を行い、汚染分布の基礎資料にしたとしています。これは陸上自衛隊機関紙「朝雲」(1970年7月3日)に記載されています。
  しかし、この方法は 米陸軍生物戦争研究所顧問リロイ・D・フォースギルが発表している生物兵器に関する効果予想方法とまったく同じものです。
  さらに、陸上自衛隊では1967年に「成人集団人体実験による赤痢及び食中毒予防効果の追跡」を勝田部隊(茨城県)隊員1600名に対して実施していました。
  専守防衛の自衛隊が当時、一体何を想定してこれらの実験を行なっていたのか分かりません。しかし、今、湾岸地域でエアロゾルの実験といえば、生物化学兵器によるテロ戦争を想定しているのではないかという予想は容易につきます。それを使用するのは「持っているかもしれない」テロリストなのか、既に大量に保有している米軍なのかまではわかりませんけれど。
  もちろん、だからといって、エアロゾルの研究がすべて生物化学兵器に関するものだと断定することはできません。
  ただ、私たちのごく身近にある研究や産業、人間に幸せをもたらすための研究や産業が「皆殺し兵器」の研究開発、製造とは紙一重の隣り合わせの関係、裏表の関係にあるという事実を私たちははっきりと認識し、問題が曖昧になりやすいだけに厳重な監視が必要だということを意識しておくことが大切ではないかと思うのです。
 「楢崎弥之助の爆弾質問覚書き」(学陽書房1979年)より引用しました。



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