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地球にも、お尻にもやさしい 牛乳パックのトイレットペーパー
カタログ2013年5月1週
柔らかく、使い心地の優れたダブルエンボス加工。
◆無漂白、古紙100%
 静岡県富士市にある丸富製紙は、牛乳パックなど上質系古紙100%で、良質なトイレットペーパーを作っています。漂白剤やスライムコントロール剤を使わず、化学薬品の使用を極力抑えています。
 ダブルエンボス加工といって、2枚の紙を内側にかたい面を合わせ、外側に柔らかい面を出すように重ねる加工方法で作られた柔らかい感触のトイレットペーパーです。
 「ピュアブラウン」は、大阪大学の森住先生(リサイクル工学)も絶賛する国内のトイレットペーパー中で最高の品質を誇るものです。赤ちゃんのお尻を拭いた時に、他の製品だとかぶれてしまうのに「ピュアブラウン」では症状が出なかったという話もあって、「地球にもお尻にもやさしい」という宣伝文句が生まれたりしました。

◆牛乳パック回収運動から生まれました。
 牛乳パックに使われているパルプは、カナダの針葉樹のバージンパルプなどを使っており、大変良質なものです。日本国内で1日に使われている900万枚の牛乳パックを作るのに必要な木は、6,000本(森林面積にして2ha)にも及ぶのです。
 地球環境を考えるリサイクル運動の盛り上がりの中で、亡くなられた平井 初美さんが代表をされていた牛乳パック連を先頭に、この牛乳パックを回収しようという運動が全国に広がりました。私たちよつ葉牛乳を共同購入する団体としても、当然この牛乳パックを回収する運動に取り組みました。よつ葉乳業も、賛同していただいたのです。
 ところが、肝腎の回収業者や製紙工場を見つけるのに、最初の苦労があったのです。なぜなら、当時よつ葉牛乳のパックは、未ざらし(無漂白)の茶色のパックであり、通常の牛乳パックのリサイクルのシステムからは回収を断られたのです。
 また、専属的に回収、再生しようとしても、再生されたトイレットペーパーが茶色っぽくなるために、多くの回収業者や製紙会社は尻込みをしました。そういう経過の中で、私たちの運動に共鳴していただいたのが、産業古紙の回収に手堅い実績を持つ、東京の山田洋治商店と、日本で初めて牛乳パックから再生紙を作った、牛乳パック再生の全国トップメーカーである静岡県富士市の丸富製紙だったのです。こうして1990年10月から、よつ葉牛乳のパックリサイクル運動は出発できたのでした。
 よつ葉牛乳の未ざらしパックがなくなった現在、よつ葉牛乳のパックは通常の牛乳パックと同じ方法で回収できるようになりましたので、ことさら特別によつ葉牛乳のパックだけでの再生紙作りは必要がなくなりました。
 したがって当初はよつ葉牛乳の未ざらしパックで作っていたピュアブラウンは、現在通常の牛乳パック(関東、中部地区のよつ葉牛乳のパックは継続して使用されています)と上質な古紙である茶封筒など普通の古紙で作られるようになりました。

◆ブラウンは安全のしるし
 当初は少し茶色っぽいということで、消費者から敬遠されたこともありますが、今ではむしろ安全な証しとして、高級感のある品質として支持されています。
 古くから、下水道施設が完備した欧米では使い捨てになるトイレットペーパーは、無駄を省いた無漂白が常識です。トイレットペーパーに白さを求める日本は、後進国といわざるを得ないのです。
 今でも純パルプ製のトイレットペーパーの方の流通量が多く、消費も伸びています。これも最近の古紙価格暴落の一因です。
 出口のないリサイクルは成り立ちません。バージンパルプの商品を使う、これではリサイクルは成り立ちません。古紙資源を大切にしていきたいものです。


丸富製紙のトイレットペーパー「ピュアブラウン」
■原料
 茶封筒など上質系古紙に牛乳パック類(酒パック、果汁パック、紙コップなど)を30〜35%混入して作られている100%再生紙です。牛乳パックが100%でないのは、牛乳パックだけだと良質すぎて繊維が長く、溶けが悪くなってしまうからです。牛乳パック10枚で1ロールできる勘定です(100%なら)。


●無漂白で作られています
 一般的にはインク分散機にかけられた後、漂白工程を通りますが、ピュアブラウンはこの漂白工程を通りません。したがって、ダイオキシン汚染の心配はありません。  
また漂白剤が残留していませんので、肌にやさしいのです。
 離解促進剤(苛性ソーダ)、抄紙機に使う剥離剤と接着剤の使用はあります。

●使い心地が最高
 繊維の長い牛乳パックパルプの高率配合で使い心地が大変やわらかです。短い繊維だけだと、溶けやすいのですが、どうしてもかたくなるのです。ピュアブラウンはやわらかく、かつ溶けやすいのです。無漂白で繊維をいためていないこともソフトな理由です。また、使いやすいようにずれないミシン目のエンボス(凹凸加工)になっています。
  使用時には少量ずつ経済的に使えるよう15cmごとにミシン目が入っています。


※姉妹品のティッシュ「花束Tiara(ティアラ)」「ローションティッシュ」
 牛乳パック類100%でできたティッシュペーパーです。製造工程において、離解促進剤(苛性ソーダ)、湿潤紙力剤、剥離剤、接着剤、ローション液(ローションティッシュに化粧品にも使われる保湿剤が使用)の使用があります。


市販のトイレットペーパーの問題点
 木材からパルプを作る際、リグニンという成分を多く含むので、塩素を使って漂白すると、ダイオキシンが生成されるのです。このダイオキシン汚染が問題となって、現在では過酸化水素を使う漂白への切替が進みました。リグニンをほとんど含まない上質紙からトイレットペーパーを作る場合、塩素漂白してもダイオキシンは発生しにくいのですが、上記の理由で過酸化水素漂白が一般的になっています。しかし、たとえ酸素系の漂白でもコストが高くつきますし、設備も必要で、少なくともトイレットペーパーに関しては漂白は無駄と考えるべきでしょう。
 市販のトイレットペーパーでかぶれることがありますが、これは歩留りをよくするために十分洗浄しない場合、使用している薬品が残留することがあったり、もともとの古紙の薬品が原因と推察されます。漂白剤、苛性ソーダ、亜硫酸ソーダなどが使われています。パルプは本来、無臭ですので、変な臭いを感じるトイレットペーパーの使用は敬遠した方が無難です。
  トイレットペーパーは各製造メーカーごとに品質がバラバラです。特売品などは薄すぎたり、もろかったりします。しっかりした分量がないものもあります。肌触りがかたく、とげとげしいものがありますが、効率優先で高速ですく場合、強制脱水で短い繊維が立っているということもあるのです。



―文責 西川榮郎(NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター代表)―



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