通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

コロンビア産 オーガニック・マウンテン・バナナ
カタログ‘2010年4月5週号’
追熟して届きます。リッチな甘さが特徴。フェアトレード、環境に配慮しています。


◆コロンビア・サンタマルタ産の有機バナナ
 世界で3位のバナナ生産国(120万ha)、南米の国コロンビア共和国のダーボン・グループは、カリブ海に面した北部サンタマルタにおいてバナナの有機栽培に取り組んでいます。
 サンタマルタは太陽の光とエネルギーがたっぷりふりそそぎ、昼夜の温度差は15度もあり、シエラネバダ山からの清らかな雪解け水が育てたミネラル豊富な土壌、水不足の心配がない川沿いの農園、カリブ海からの風、病虫害の少ない乾燥気候など、バナナの有機栽培にたいへん適した特別な気候風土にあります。
 有機栽培ですから当然、化学合成農薬や除草剤を使いませんが(ただし有機JAS規格で認められた資材は使用しています)、堆肥もバナナ園から出る収穫残渣や草などとグループで生産しているオーガニック放牧牛の牛ふんを混合したものを使っています。

◆専用のムロで追熟して届きます
 日本国内での販売はダーボン・グループのひとつ、ダーボン・オーガニック・ジャパン(株)ホアン・パブロ・カンポス社長が担当しています。
 苗植えから約1年で収穫され、パッキングし、冷蔵コンテナに詰められた有機バナナは、日本へ船便で24日かけて輸送されて、まだ青いままの状態で横浜港・神戸港に到着し、植物検疫と通関を受けます。その後、追熟加工業者のもとへ運び、オーガニックバナナ専用の追熟ムロで1週間ほどエチレンガスを使った追熟を行い、黄色く食べ頃になってご家庭へ届きます。つまり、サンタマルタ港を出てからオルターの会員に届くまで、約1ヶ月です。
 サンタマルタバナナは市販のバナナと比べると断然リッチで甘く風味がありますが、ATJのバランゴンバナナ(カタログ2001年5月4週号参照)と比べれば正直なところ甘味の深さが劣り、私の方からもっとおいしくできるはずだと栽培技術の工夫(とくにミネラル)をアドバイスさせていただいたところです。

◆フェアトレード、環境を配慮した素晴らしい会社
 ダーボン・グループは現在オーガニックに特化し、バナナ、パーム、コーヒー、ココアの自社農園とパーム油抽出精製工場を所有・運営する生産者であり、自ら輸出販売にも携わっています。創業は1914年、ダビラ家が最初のバナナ園を開始しました。有機農業に転換したのは1990年、3代目のアルベルト・ダビラ・ディアスグラナドス現社長によってです。
 ダーボン・グループはオーガニック認証だけでなく、2005年にはフェアトレード認証も取得しています。バナナ1箱につき75セントの奨励金を、バナナ農園で働く労働者で結成された団体「FLOTRABAN」に支払い、水道施設などのインフラや教育・福祉・医療施設の建設に使用され、地域社会の生活水準向上に役立っています(オルター向けバナナはフェアトレード認証は受けていません)。
 2008年にはレインフォレストアライアンス認証を取得、水を再利用する循環システムを導入し、水の使用量を従来の1/3に削減しました。また、世界で最も多様な生物が生息する地域にある農園内に、野生動物が自由に移動できる緩衝地帯(最低30m幅)と野生動物の回廊(のべ32平方km)を設け、豊かな自然を守り生物多様性を維持する持続可能な農業を進めています。さらに2012年までにカーボンニュートラルにするCO2削減目標を掲げ、リサイクル可能または生分解性の資材の使用、天然ガス、バイオマスなどのカーボンプロジェクトに取り組んでいます。

◆コロンビアと日本の架け橋に
 一方、ダーボン・グループのひとつ、日本にあるダーボン・オーガニック・ジャパン(株)は、ホアン・パブロ・カンポス社長が2001年に設立しました。
ダーボン・グループ以外の同じレベルの果物類、ドライフルーツ、コーヒー、パーム油なども日本へ輸入しています。カンポスさんはお父さんが日立コロンビア代表だった関係で、国際基督教大学と上智大学を卒業した日本通です。1999〜2001年にはコロンビア大使館の領事をしていて、コロンビアからの良質な品物を日本へ紹介することに使命感を感じた人です。
 オルターとの出会いは、オルターが会員の要望を受けて有機のアボカドを探していたことがきっかけでした。


ダーボン・グループの有機バナナ
■生産者
ダーボン・グループ。農園はドンディエゴ(150ha)、カンクン(95ha)、シャングリラ(350ha)、ボナンザ(60ha)、プラタナル(20ha)にあります。

■品種
キャベンディッシュ。苗は自家育苗。

■栽培方法
●農薬・・・収穫前少なくとも3年間と栽培期間中、化学農薬の使用はありません。除草は山刀による手除草。
●施肥・・・化学肥料不使用。収穫時のバナナ残渣や草などを原料とする自家製堆肥を使っています。

■パッキング
袋かけしたバナナを農園からケーブルで輸送し、その日のうちに薬剤を一切使わず天然水で洗浄、パッキングして13.5℃に設定された冷蔵コンテナに積み込みます。

■輸出
自社で行います。サンタマルタ港から日本へ向けて出港、パナマ運河を通って航海日数24日間で日本の港に到着します。もちろん輸送中もポストハーベスト農薬の使用はありません。

■輸入
横浜港・神戸港に到着し、植物検疫と通関を受けます。このとき植物検疫で特定の害虫や病気が発見された場合、青酸ガスくん蒸を受けます。この場合は「有機栽培」の表記はできませんので、オーガニック流通から外すことになり、オルター会員へは届きません。

■加工
三重県伊賀市の丸タ田中青果加工(株)に運ばれ、室温21度、湿度90%以上の追熟ムロで1週間ほどエチレンガスを使った追熟を行います。オーガニックバナナ専用の追熟ムロを使いますので、一般栽培バナナからの農薬の汚染はありません。

■有機認証
JAS有機認証(ECOCERT-QAI)


市販のバナナの問題点
 国内で市販されているバナナは、ほとんどがフィリピンで農薬漬けで栽培されたものです。一般にプランテーションバナナは、栽培中に何回も農薬を使用するだけでなく、木で実が大きくなると農薬を中に噴霧した大きなビニールの袋かけを行います。収穫後は索道で作業場まで運ばれ、農薬の入ったプールに浸されます。そこで洗浄やパッキングのために加工されますが、労働者は素手で農薬プールの中にあるバナナを触っています。あまりにも低賃金でゴム手袋を買うこともできないのです。
 パッキングは5kg単位で農薬を噴霧したビニール袋に入れられ、箱つめされます。さらに船中と輸入後倉庫で箱のまま農薬くん蒸を行っています。使用されている農薬はテミク(バナナを触っただけでも危険)、TBZ(防カビ剤)を始め26〜28種に及びます。これらの農薬は芯まで浸み込んでいますので、皮をむいたからといって安心できません。
 このように市販のバナナは労働者の低賃金、危険など犠牲の上に作られています。かつて市民団体・太平洋資料センター製作の衝撃的なタイトルのスライド「人を喰うバナナ」で紹介され、消費者運動の批判対象となりました。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


戻る