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簡単に楽しい料理がいろいろできる乾燥糸こんにゃく
カタログ“2006年4月1週”
インドネシアで自生するムカゴコンニャク芋を原料に、残留元日本兵が日本とインドネシアの架け橋に作りました。

(有)トレテスの中川智子前社長は、父親の旧友・故石井正治さんがインドネシアで作った乾燥糸こんにゃくを扱っています。中川智子さんは学校給食問題などに取り組み、市民派の衆議院議員にもなった方です。
 中川さんは1994年夏、父親がご病気をされたおり、「少しでも生き甲斐を感じてほしい」と、第二次大戦中に父親が過ごしたインドネシアへ思い出旅行に誘いました。その旅先で、父親が戦後貿易の仕事で世話になった石井正治さんに出会われたのでした。
 石井正治さんはインドネシア在住の残留元日本兵で、戦後の混乱の中、日本軍とインドネシア独立にいきり立つ住民とのいさかいを避けるための交渉に奮闘した結果、かえってその努力があだとなり、インドネシア軍の人質とされ、インドネシアで生きていくことを余儀なくされた方です。
 持ち前の忍耐強さでサンダル工場など従業員7,000名の6つの会社を経営する実業家として成功を収めていました。そんな石井さんが、ある日コンニャク芋に目を止めました。
 インドネシアにはコンニャク芋が何種類も自生しているのです。日本のコンニャク芋のルーツもインドネシア半島あたりだといわれています。1964年、コンニャクの権威・お茶の水女子大名誉教授の故・大槻虎男先生らが調査に訪れ、「幻」といわれたジャワムカゴコンニャクを発見しました。ムカゴコンニャクは日本のコンニャクとは別種です。ジャワ島東部、ブリタルのトレテス高原に自生しています。
故石井正治さん(左)と中川智子前社長(右)
チーク林の中で自生するムカゴコンニャク
 インドネシアでは、なぜかコンニャクを食用にする習慣がありません。現地で長年雑草扱いのムカゴコンニャク芋は、コンニャク特有のくさみがなく、一般のコンニャクより1.5倍の繊維質を含み、良質です。「何とか製品化して、こんにゃくを食する日本へ輸出し、農民たちの安定した現金収入の道が開けないものか」と考えた石井さんは、30年の年月をかけて改良に改良を重ね、保存がきき、簡単に調理でき、日本のコンニャク業者とも競合しない、安全安心、無農薬の乾燥糸コンニャクの開発に成功なさいました。
 石井さんは、このコンニャクが日本とインドネシアの架け橋になってくれれば、との想いを込めています。「私の仕事が何らかの形で貧しい農民の生活向上に役立ち、この国のためになれば、独立戦争で死んでいった400名もの戦友に申し訳が立つ。金儲けだけでは日本人としてこの国の人々への謝罪にはならない。企業を興せば雇用を促し、生活を支えることができる」。
 現在ではスラバヤ州ジャパナン村で、ワキモンさんら50戸の農家がムカゴコンニャクを栽培しています。栽培といっても農薬も水もまかず、肥料はチーク樹の落ち葉だけです。下草のところどころに高さ30cmくらいの竹串が立っています。地上部の葉や茎が1年ごとに枯れるので、目印に竹串を使っているのです。
 50戸の栽培農家に加えて、収穫時には100余人が仕事を得て、乾燥糸コンニャクの加工場には400人が働いています。その収入で子どもたちは教育を受けることができ、村人の生活向上に役立っています。
現地で収穫されたムカゴコンニャク芋
 中川智子さんはこの石井正治さんの想いに共感し、オルターなど日本国内の草の根団体へ紹介されています。阪神大震災の折には、その救援のための資金集めにもこの乾燥糸こんにゃくが一役買いました。
 日本では、袋詰めは宝塚市の「さざんかの家」を始め、兵庫、奈良、岡山、高知、熊本、鹿児島の福祉作業所で行っています。スタンプ押し、チラシ折り、数を揃えたりとバラエティーに富んだ仕事を生み出し、訓練によいと喜ばれています。まさに幸せを世界に運ぶ食材です。
(有)トレテスの乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」
◇原料
●ムカゴコンニャク…インドネシア・トレテ ス高原の自生ものと栽培もの。栽培して いるものも農薬も水もやらず、肥料はチーク樹の落ち葉だけ。水洗いしたコンニャクを短冊状に切り、天日乾燥または熱乾燥した「荒粉」を、スタンプミルと呼ばれる臼にかけ、8時間ドスンドスンと挽いて「こんにゃく粉」とでんぷんに分離し、エチルアルコールで精製します。
●タピオカでんぷん…キャッサバの塊根から製したでんぷん。保水、食感調整に使用。
●水酸化カルシウム…石灰岩由来。田中石灰工業(株)製。
●水あめ…タピオカでんぷんをアミラーゼ酵素で分解した酵素糖化水あめ。乾燥変成防止に使用。
●クエン酸…タピオカでんぷん原料。インドネシア産。
◇製造工程
@こんにゃく精粉(アルコール精製)とタピオカでんぷんを水に溶解し、こんにゃく糊を作る
A練り機で石灰乳(石灰+水)を加え、熱湯の中へニョロニョロと押し出し、糸こんにゃくに成形
Bクエン酸で余分なアルカリを中和
C切断 D冷却
E水あめをからめ、2時間漬け込んだあと脱水機に
F乾燥 
G包装、金属探知、計量(以上、インドネシアで加工)
H小分け(国内及び現地)
◇もどし方
ボールに入れ、たっぷりの熱湯を注いで下さい。5分〜7分でやわらかくなります。ざるにあげてさっと水洗いをするだけ。約2.5倍に増えます。寄せ鍋、水炊き、すき焼きなどは、そのまま鍋に入れて調理できます。ただしこんにゃくから甘味が出てきますのでご注意下さい。
◇食べ方
においもなくくせがなく、歯ごたえがあり、味もよくしみるので、おいしくどんな料理にも使えます。ビーフン、春雨感覚で、ざるこんにゃくや冷麺風に。すき焼き、鍋物、サラダ、和え物(白和えや辛子明太子和え)、煮物、ひじき煮、酢の物、炊き込みごはんなどなど。アイスクリームに添えたり、ところてん風などデザートにも使えます。
◇腸の健康に
昔から「おなかの砂おろし」といわれるこんにゃく。主成分の食物繊維マンナンが腸の働きを活発にし、体内の老廃物を外に出してくれます。便秘、糖尿病、ガンの予防、コレステロールの抑制などにも役立つことがわかってきました。腸によいのはブームのところてんだけではありません。ダイエットに使いたいときは、水あめが使ってありますので湯戻ししてください。約330kcal/100g→約22kcal/100gになります。

◇普通のこんにゃくとの違い
@食物繊維(グルコマンナン)の量が約1.5倍です。
水もどしをして食べるときの比較。乾燥の状態では約4倍の10g(こんにゃく100gあたり)以上が含まれています。
A無農薬の原料(コンニャク芋)を使用しています。
日本のコンニャク芋は、病気対策のため多量の農薬を使用していますが、インドネシアのコンニャク芋は栽培のものを含めて一切の農薬を使用していません。
B不純物を含まないこんにゃく粉を使用しています。
日本のこんにゃく粉は重油乾燥で加工するため、300〜900ppmの亜硫酸(SO2・硫黄化合物)が含まれています。乾燥糸こんにゃくで使用しているこんにゃく粉は、はじめから亜硫酸が少なく、かつすべてアルコールで洗浄しているため不純物を含まず、純粋に近いグルコマンナンを使用しています。
C中性なので食品材料の味を壊しません。
普通のこんにゃくは、pHが11以上とかなりの強アルカリで、そのまま料理に使うと他の素材の味を壊してしまうことがあります。乾燥糸こんにゃくは中性なので、そのまま料理に使っても素材本来の味が変わりません。




   ー文責 西川栄郎ー



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