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日本食品製造(2) スイートコーン缶
カタログ“2004年9月2週”
日本食品製造(2) スイートコーン缶
 前号でご紹介した玄米フレークの製造、日本食品製造(合資)では、玄米フレークのような穀物加工品と並んで、野菜の缶詰の製造が2本柱となっています。今後、生産者のわかった有機の野菜の缶詰作りに協力していただくことが可能です。
 今回は、低農薬(除草剤1回)のスイートコーン(品種:ハニーバンタム)を収穫後、味が落ちないように素早く、赤穂の天塩だけで味付け加工したスイートコーン缶のご紹介です。
 安全な国産のトウモロコシを原料にしたコーン缶は、大変珍しく貴重です。 スイートコーン(ハニーバンタム)の栽培者は、吉田牧場の吉田敬貴さんです。吉田牧場は競馬ファンならよく知っている名馬テンポイントを育てた競走馬サラブレッド専用の有名な牧場です。 
吉田敬貴さん(背景はスイートコーン畑)
 北海道勇払郡早来町にあります。土地改良のため肥料として、トウモロコシの茎や葉など、有機物残渣がほしくて、スイートコーン(ハニーバンタム)を栽培しています。
 ハニーバンタムの栽培は5年目で、その前後は牧草の採草地として利用しています。牧草には、そもそも農薬は不要です。堆肥と、残念ながら少量(20kg/反)の化学肥料を使っています。ただし、亜硝酸態窒素を検査していますが、問題となったことはありません。
 ハニーバンタムには、除草剤を1回だけ使います。土地の利用は牧草4年に対し、ハニーバンタム1年という割合です。吉田牧場では、馬を放牧しない遠めの畑では、牧草7年に対し、畑作3年の割合で土地を輪作利用しています。外食産業向けのスープ用のスイートコーン(品種:シュビリー)や慣行農法で小麦、小豆なども作っています。スイートコーン缶用のハニーバンタムは日本食品製造からの要請もあって、これらとは混合しないようにしています。そもそも競走馬自体デリケートなもので、農薬の使用は要注意なのです。
 スイートコーンを専門に作る畑作農家だと、除草剤1回だけの栽培はほとんど困難です。通常は、収量や収入を気にして、もっと農薬をたくさん使いたがるからです。
 吉田牧場がほしいのは、スイートコーンの実(粒)ではなく、茎や葉の方なので、収量や収入をあまり気にせずに、スイートコーンが栽培できているのです。一般にスイートコーン缶詰は、アメリカ産トウモロコシや国内産慣行栽培ものが原料になっています。遺伝子組換えや農薬使用が問題となります。
一方、国産の安全なトウモロコシは一般の畑作農家に委託する形では、通常缶詰の原料にできるほどの量を入手することは、なかなか困難です。サラブレッド牧場と提携して、無理なく安全なスイートコーン缶詰が実現しているのです。

日本食品製造のスイートコーン缶
◆原料
・スイートコーン〔低〕
 吉田牧場の吉田敬貴さんが低農薬(除草剤1回)で栽培。
  およそ4年、牧草(農薬、化学肥料使用せず)を栽培したあとに、
 スイートコーンを1年作っています。
 スイートコーンの品種はハニーバンタム。
・食塩…赤穂の天塩(カタログ2000年4月第4週参照)
吉田牧場風景
◆製造工程
@ハーベスターで原料(スイートコーン)を収穫。収穫した日に鮮度が落ちないうちに加工処理します。
Aハスカーで皮むき
B選別
C洗浄
D剥粒機で粒と芯を分離
E粒を水を使って浮遊選別し、茎、空の実を除去
F選別コンベアで変色粒除去
G食塩(赤穂の天塩)を使って調味
H巻締め
I殺菌、高温短時間熱水回転レトルト機
J冷却
K箱詰、保管、検査
オルタースタッフ畑見学風景
日本食品製造缶詰工場風景
市販のとうもろこし缶の問題
 コーン缶は通常、新鮮なトウモロコシから加工します。大手メーカーの中では、アメリカでの冷凍加工品をリパックしているところもあります。この場合、遺伝子組換えの汚染の心配があります。
 北海道のメーカーは北海道産を使っています。この場合は、慣行農法による農薬汚染があります。
 アメリカのトウモロコシには、生物農薬であるBt農薬の遺伝子を組み込んで、殺虫性を付与した遺伝子組換えコーン(GMコーン)の心配があります。遺伝子組換え作物については、アレルギー、内臓の障害、生態系への影響などが問題となっています。
 GMコーンのスターリンク作付けは、数年前、全米の0.2%程度だったのですが、花粉飛散によって20%以上のトウモロコシに汚染が広がり、流通、輸送での混入によって日本に届いたトウモロコシの60%以上にその混入が認められています。GM汚染トウモロコシは、単にコーン缶として利用されるだけでなく、家畜の飼料に使われ、畜産品全般を汚染します。 また、コーンスターチ、コーンシロップ、異性化糖、水飴、オリゴ糖などでビール、清涼飲料水、お菓子を始め、加工食品全般を汚染しています。遺伝子組換え不使用と表記している商品についても、混入5%以下、1%以下という程度のものがあるので、残念ながら表示だけを信用するのは難しい現状です。
 一般のコーン缶は、トウモロコシを砂糖、食塩、クエン酸などで味付けしています。それらの品質も問題になります。


   −文責 西川栄郎−


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