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自家採取した天然酵母によるパン造り アルムリーノ
カタログ“2001年4月4週”
 西宮のパン工房アルムリーノ(小さい麦の意味)の原慎之介さんと今村てる子さんは、自家採取した天然酵母を使ってパン造りをされています。小麦粉などの素材にも徹底的にこだわりをもっていらっしゃいます。会員の杉本久美枝さんから「本当に酵母と粉の味が絶品です」とご紹介いただきました。さっそく企画会議のメンバーで訪問し、試食させていただき、一同そのおいしさに納得しました。実は、『買ってはいけない』の著者の1人、三好基晴医師より、お二人がまだ大阪市内長居に店をお持ちのときに、すごくこだわった料理店があるとご紹介をいただいていたのでした。原さんはプロの料理人で、もともと北海道で料理屋をされていましたが、1988年に長居に店を持たれ、さらに今は「灘しん」という精進料理店をアルムリーノの2階でされています。
右から原慎之介さん、今村てる子さん、研修生
 豆腐、湯葉、生麩も手作りするというこだわりようです。「安全なもの」と「おいしいもの」は矛盾しないとおっしゃいます。もちろん建物にも凝っておられ、杉材の抜き工法の建物、壁には木くずとセメントで固めたもの、障子は名塩の手すきの和紙、木のテーブルはエゴマや柿渋で仕上げています。
 今村さんは天然酵母パンに興味をもって勉強を始め各地のパンを見てきましたが、自分に気に入ったものがなかなかなく、とうとう自分で作り始めてしまったという方です。パン作りはドイツのマイスター、ウッダーさんの指導です。パン作りは1992年から始めました。最初は何回も酵母菌を取るのに失敗されたそうです。パン作りは結果が出るのが早く、ごまかしがきかないからおもしろいとおっしゃいます。納得できないパンになった場合、全て捨ててしまったこともあり、そういうときには中止となります。商いのパン屋としての出発でなく、自分自身が納得して食べられるパンを作ってきた結果が、現在の形になったというわけなのです。

パン工房アルムリーノのパン
 素材の品質や安全性へのこだわりは、半端ではありません。おそらく日本一といっても過言ではないでしょう。パンは固くて、かめばかむほど味の出るのが理想です。しかし、柔らかくておいしいパンが売れ筋で、やむなくそういうパンも造られています。パンは薄味に仕上げています。いろいろな料理と楽しめるようにしています。そのため、小麦粉などの素材の味が楽しめます。さらに天然酵母の爽やかな酸味も楽しめます。

<原料>
◎天然酵母  
果実酵母(オーガニックレーズンより)、サワー種(ライ麦より)、ミルク酵母(中洞牧場牛乳より)、ホップ種(乾燥ホップより)、バックフェルメント種(小麦の外皮より)、酒種(米と米麹より)、海洋酵母(インドネシアのバージンソルトより)
  などいろいろな酵母源から自家採取しています。それを用途に応じて使っています。自家採取にこれだけこだわられているのは、大阪府立大農学部の酒井拓夫先生の指導を受けられたからであり、ホシノ酵母のように純粋培養されたものと違い、乳酸菌や酢酸菌など雑菌と共存している方が風味やおいしさが出るからなのです。一次発酵をスタートしてから、活性の強い2週間以内に使い切っておられます。その都度新しく酵母種を作り直されているのです。
◎小麦粉
  阿部製粉のあおば粉(強力粉)、あぶくま粉(薄力粉)。東日本製粉の南部粉(強力粉)、北上粉(薄力粉)。国産小麦は安全性はもとより外麦より風味が良いので取り組んでいます。小麦粉は製粉してすぐだと発酵に必要な酵素が出てこないので、1ヶ月以上ねかして使います。
◎ライ麦粉:桜井食品、オーガニック認証
◎塩:インドネシア、バージンソルト
◎砂糖:種子島甘蔗分蜜糖(2000年4月第1週カタログ表紙参照)
◎黒糖:新光製糖
◎水:ミネラルウォーター「森の水」牛乳:中洞牧場牛乳(山地酪農)
◎バター:よつ葉バター(2000年8月第3週カタログ表紙参照)
◎スキムミルク:よつ葉スキムミルク
◎玉子:タナカファーム(2001年4月第1週カタログ表紙参照)
◎カスタードクリーム:自家製
 中洞牧場牛乳、タナカファーム玉子、種子島甘蔗分蜜糖
 (市販のようにコーンスターチなどを使っていません)
◎小豆:北海道無農薬小豆
◎豆乳:無農薬大豆を使って自家製
◎玉ねぎ:自家製
  
 アルムリーノでは多くのパン、アイテムがあり、その素材もかなり厳選されていますが、オルターとしてもしっかりその安全性を確かめながら、場合によってはさらに良いものへ切替えていただき、取扱えるアイテムを少しずつ増やしていかせていただく予定です。

<作り方>
  中種法で1次発酵10〜12時間、2次発酵2〜3時間かけて発酵しています。朝5:00から夜9:00までパン造りをされています。
  パン生地はほとんどが手ごねです。粉の量の多いときにはミキサー(こね機)を補助的に使われます。分割機(油を使う)は始めからありません。今村さんはもともとアレルギー体質ですので、粉に農薬などがあれば、すぐに皮膚が荒れるので、分かるそうです。
  離型剤としてはよつ葉バターを使います。流動パラフィン、ショートニングなどを使いません。イーストフード(食品添加物のかたまり)、生イースト、純粋培養した酵母などを始め、合成着色料、香料、酸化防止剤など一切の化学薬品を使いません。

今回ご紹介のアイテム
  今回は冷凍で翌々週のお届けです。焼いていただくと一層おいしくなります。届いたパンにひと手間かけて食べていただけると嬉しいとのことです。

*食パン
 原料:天然酵母(酒種)、あおば粉、あぶくま粉、種子島甘蔗分蜜糖、バージンソルト
*フランスパン
 原料:天然酵母(果実酵母)、南部粉、北上粉、バージンソルト
*ブール
 原料:フランスパンと同じ
*ライブレッド
 原料:天然酵母(サワー種)、ライ麦(桜井食品)、南部粉、玉ねぎ(自家製)、
 レモン(無農薬もしくは低農薬)、タナカファーム玉子、中洞牧場牛乳、
 クミン(桜井食品)、バージンソルト、黒糖
*小豆のあんぱん
 原料:天然酵母(酒種)、あおば粉、あぶくま粉、バージンソルト、種子島甘蔗分蜜糖、 タナカファーム玉子、よつ葉バター、無農薬小豆
*クリームパン
 原料:天然酵母(酒種)、あおば粉、あぶくま粉、バージンソルト、種子島甘蔗分蜜糖、 タナカファーム玉子、よつ葉バター、カスタードクリーム
 (自家製…中洞牧場牛乳、タナカファーム玉子、種子島甘蔗分蜜糖)


   ―文責 西川栄郎―




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