280年の伝統、手造りもち米麦芽水飴 三原飴店のぎょうせん飴 |
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三原飴店の凝煎飴(ぎょうせんあめ)が日本テレビ系「どっちの料理ショー」で紹介されていました。紹介されていた内容に間違いがなければ、オルターとして探していた良質な水飴でした。市販の水飴と称するもののほとんどは、ポストハーベスト農薬汚染や遺伝子組換えの心配なとうもろこしを加水分解して作られる異性化糖で、安全性に問題があります。ちゃんとした原料を使い、麦芽酵素で昔ながらの作り方をしている水飴を探していました。 香川県三木町の地元で、昔から凝煎飴として親しまれてきた三原飴店のもち米から作る手作りの水飴は、まさにそんな水飴でした。麦芽を利用して造られる水飴、凝煎飴の歴史は、約1000年前平安時代に編まれた『延喜式』に登場します。砂糖が出回る前は、日本人は麦芽水飴を楽しんでいたのです。三原飴店では、280余年前の江戸時代から先祖が作られ、現在の三原紀子さんは9代目になります。代々、田畑仕事の副業として嫁の仕事とされ、飴作りが姑から嫁へと直伝で受継がれてきました。冬でも朝4時から始まるきつい仕事です。讃岐では、昔から単なる甘い菓子としてではなく、母乳の出がよくなると出産祝いに使われたり、咳どめや喘息などに重宝されてきました。 テレビの紹介をきっかけに、新聞や雑誌の取材が相次いだようですが、こういう伝統食がよみがえることは嬉しいことです。 |
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昔ながらの製法を守る三原紀子さん ビン詰も手作業 |
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昔ながらの製造道具 |
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もち米のほうがうるち米よりも高くつくが、コク、おいしさ、色もよいので、もち米を使っています。
原料
シンプルな原料で、もちろん食品添加物は一切使っていません。
もち米…香川県産米もち米。品種「くれない」 広島県産米もち米。 原種に近くモチモチする。粒が小さく、水飴に向いています。 この2種類を作っています。 小麦……香川県産、徳島県産。 次回の麦芽作りに際しては「チクゴイズミ」、「サヌキノユメ」採用の予定。また、オルターの生産者井村さんの無農薬の小麦を試しに使ってみたいと考えています。 水………井戸水を太陽ソーラーで間接的に温めて使用しています。三原飴店の井戸のある場所の地名は砂入りと呼ばれ、砂れき層を通る水脈のあるところで、いい水が出てきます。 |
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製造工程
麦芽の作り方 真冬、寒の時期に作ります。 @小麦の種もみを水に浸ける。 A室に入れて発芽させる。 B麦が麦粒の2倍ほどに伸びたときに、 むしろで天日干しをして乾燥する。 C保存 麦芽は寒の時期のものを1年間使う。
麦芽水飴の作り方 1日目 @水浸したもち米を粥状に炊く。 A麦芽を粉砕機で粉砕した粉を少しずつ加える。全て入れるのに始めてから4時間 かかる。この間、かいな棒(樫の木)で混ぜ続けます。かなりきつい仕事です。 B粥状からさらりとなったところで一晩ねかせる。 2日目 C甘味が増した飴汁を麻袋に入れて搾る。 糖化した飴を、ふるいで2回こす。 D上部のアクを取る。 E後は火加減を見ながら8〜10時間ひたすら煮つめる。釜底に琥珀色の飴ができてきます。 Fこの出来上がったものをステンレス容器に入れておき、ビン詰めは手詰でします。製造に使う道具類はさすがに伝統を感じさせる竹や木、鉄でできています。
保存方法: 常温です。 冷蔵庫に入れると固くなります。半年以内をめどにお召し上がり下さい。 |
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・そのままスプーンや竹の箸などに巻きつけてなめる。食欲のないときは、この飴を食べると、体力がつくと言われています。母乳の出がよくなる、産後の肥立ちがよいと、讃岐では昔から出産祝いに使われています。
・大根エキスで咳止め、喘息に大根を生 のままの皮付で0.5〜1cmの厚さの輪切りにし、その上から大根の容積の1/3〜1/2くらいをのせ、出てきた汁を飲むと、効果があると広く愛用されています。
・きなこ飴にして 水飴60〜70%に対して、15〜20%のきなこと15〜20%のはったい粉を混ぜ て、きなこ飴を作るのもおいしいですよ。
・その他、砂糖の代わりにお菓子作りやお料理にお使い下さい。 |
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市販の水飴のほとんどは、麦芽発酵をした水飴ではなく、塩酸(HCl)で加水分解して作る異性化糖です。原料の輸入とうもろこしには、遺伝子組換え、ポストハーベスト農薬の問題があります。じゃがいもは遺伝子組換えや農薬の心配、さつまいもは栽培時の農薬の心配があります。 アミラーゼなどの酵素を使って酵素水飴を作る方法がありますが、その酵素自体が遺伝子組換えによる微生物発酵を使った場合、問題となります。
文責:西川栄郎 カタログ 2003年8月2週
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