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桃の無農薬栽培にチャレンジ
カタログ2009年7月3週号
農薬9割削減に成功、
さらに無農薬への努力を続けています。
香り高く、たいへんおいしい桃です。


●桃の無農薬栽培にチャレンジ

 「あら川の桃」で名高い桃の名産地、和歌山県桃山町において、薮本畑下農園の薮本周也・梓ご夫妻は、無農薬で桃を栽培することにチャレンジしています。無農薬にしてみたいと思われたきっかけは、NHKの放送で青森県の木村秋則さんが無農薬でりんご栽培に取り組んでいる姿をみて影響を受けたからとのことです。
 桃山町の一般慣行栽培の桃は農薬を20回程度散布しています。これに対して薮本さんは8年前から、まず農薬を7割減らしました。減農薬栽培を実践している地元の10軒くらいの桃農家のグループに教えてもらった、キチンキトサンなどを利用して樹勢を強めるという方法で取り組んでいます。5年前からは更に本格的に取り組み、農薬8〜9割減にして除草剤もやめました。一部は無農薬・無肥料にも取り組んでいます。

●努力したら評価されなくなった

 ところが農薬を減らしてきた結果、大きな問題にぶつかりました。産地の市場で「見栄えが悪い」と規格外、すなわちクズ扱いを受け、売ることができなくなったのです。オルターだったら全く問題のない見栄え、それどころか極限まで農薬を省いた薮本さんの桃は国内最高峰といえる稀少でかつ超貴重な桃なのに、です。
 薮本さんはやむを得ずインターネットで販売したり、友人知人に桃をあげたりしていました。それでも余った桃の一部は「いつか安心でおいしいジャムやジェラートにしよう」と、冷凍庫に入れて保管していました。その桃のジェラートは2009年2月4週号で企画し、ご案内した通りです。

●お待たせしました、オルター初出荷

 2008年4月にオルターの会員になった薮本さんは、「オルターならこの桃の価値を理解して、協力を得られるかもしれない」と思い、7月になってオルターへ「生食用の桃を出荷させてもらえませんか」と声をかけてこられました。残念ながらその時点では既に出荷タイミングを逃しており、イベントに参加された会員やオルターのスタッフに何とか紹介できたくらいのお取扱いでした。しかしこの時に試食させていただいた薮本さんの桃は、甘さも香りも熟度も申し分なく素晴らしいもので、カタログでご紹介できなかったのがつくづく惜しまれました。
 そして今シーズンのご紹介をお約束していました。市販品のように虫の傷ひとつないというようなわけにはいきませんが、安心しておいしくいただけるからです。
 薮本さんは桃栽培だけでは今のところ生活がたてられないので、周也さんが主に土曜日、日曜日だけ農業に従事するという兼業をしています。したがって、桃栽培の主力は商家出身の梓さんが担っています。早く農業だけで一本立ちしたいと考えておられます。無農薬をめざしておられる薮本さんへの応援をお願いします。


薮本畑下農園の特別栽培桃(オルター基準◇)
0.5ヘクタールの桃園に、200〜250本の桃の木を栽培しています。

●品種
 清水白桃、白鳳、川中島白桃、八幡白鳳、日川白鳳、まさひめ

●栽培方法
◎防除
 慣行栽培の桃の場合の農薬散布回数20回程度に対し、今年は9割減の1〜2回にまですることに成功しています。一部は無農薬無肥料にもチャレンジしています。使っている農薬は、毒性をほとんど問題にしなくてもよい石灰硫黄合剤(縮葉病対策として1回)と、殺虫剤として化学農薬ロディーまたはアディオンです。ロディー(フェンプロパトリン)のほうが毒性がましなので、これでいけたらこれを使います。やむを得ない場合はピレスロイド系のアディオン(ペルメトリン)を使います。畑にもよりますが、様子をみながらなんとか1〜2回のまま頑張りたいと思っておられますが、場合によるとあと1〜2回必要になることも考えられます。キチンキトサン(カニ殻由来)を4月〜6月の間に月3回使って樹勢を強くし、農薬を減らす工夫をしています。除草は除草機を使って2〜3回草刈りをしています。
◎肥料
 EM菌を活用している和歌山県の梶谷椎茸園の菌床しいたけの廃床を、10アール当たり600個の割合で使用しています。梶谷椎茸園の菌床は、シイ、クヌギ、ナラ、ホソ、サクラなどの原木チップをブレンドし、農薬、化学肥料、ホルモン剤などは使用していません。栄養素としてフスマ(国産)7%、コーンのひきこ(オーストラリア、アメリカ産など)1%を使用しています。カビ対策としてEM菌をスプレーしたり浸水用の水にEM菌を活用しています。


●その他の出荷品
 薮本さんには、桃のほか、はっさく、キウイ(ヘイワード)なども出荷していただいています。

はっさく(オルター基準☆)
防除…2007年から無農薬栽培しています。
肥料…廃菌床を利用

キウイ(ヘイワード)(オルター基準☆☆☆)
防除…2004年から無農薬栽培しています。
肥料…完熟ぼかし肥料


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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