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オセルタミビル(タミフル)の危険は計り知れない
オルター通信1006号記事
オセルタミビル(タミフル)の危険は計り知れない
―承認取り消し・回収を―


浜 六郎

The Informed Prescriber 第22巻4号 2007(平成19)年4月28日発行より転載



 TIP誌と薬のチェック誌が所属する国際医薬品情報誌協会(ISDB)では,本年2月2日,一般市民向けにはインフルエンザに対してタミフル(オセルタミビル)の使用を控えること,WHOに対して新型インフルエンザ対策としての備蓄を中止するように要請する声明を発表した.これは,タミフルによる突然死や異常行動からの事故死など重篤な害に関する「薬のチェック」やTIP誌,FDAなどの情報を総合し,タミフルでは利益よりも害の面が急速に増大してきていることを受けたものである.
 NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)では,2005年2月,タミフルによる突然死や異常行動からの事故死など重篤な害に関して再三再四警告し,乳幼児には禁忌にすべきと主張し,厚生労働省(厚労省)やその安全対策関連諮問委員会,日本小児科学会,研究班等に対してタミフルと突然死や異常行動との因果関係を認め警告を発するように求めてきた.2007年に入ってからも,2月21日,3月19日に引き続き3月26日,厚生労働大臣に対して,タミフルの承認取消し・回収をはじめとする5項目の要望書を提出した.数多くの突然死や事故死など重大な被害は,承認取消し・回収でしか救えないからである.
 その後開催された4月4日の厚生労働省(厚労省)の安全対策調査会において公表された資料を精査すると,被害はすでに死亡者73人,うち突然死・心肺停止例が43人(10歳未満17人,成人31人),異常行動後事故死は8人(10歳代5人,成人3人)であった.NPOJIP(薬のチェック)独自把握例を合わせると死亡例78人,うち48人が突然死・心肺停止例である.同資料の精査では,タミフルの使用終了後に肺炎の悪化,肺炎から敗血症が悪化し多臓器不全の結果死亡したと思われる例も少なくない.またハイリスク者ほど危険であることがますます明らかになりつつある.タミフルによる利益と害のバランスはますます悪化してきている.新型インフルエンザ自体根拠が薄弱であるが,仮に起きたとしてもタミフルの使用を正当化する根拠は全くない.

 危険なタミフルは承認取消し・回収すべきであり,備蓄も中止すべきである.



タミフルの効果は怪しく,毒性は確実

 タミフルはインフルエンザのA型にもB型にも効果があるとして販売された.ウイルスが気道の粘膜細胞内で増殖して細胞の外に出てきて細胞から離れるのを妨害することで広がるのを防ぐといわれて服用しても,インフルエンザの症状が出るのを抑制はしなかった.しかも,インフルエンザの症状が早く軽くなると言っても,タミフルは脳中に移行して体温を下げる作用があるため,症状が軽くなっているのは単に見かけ上だけの可能性が大きく,抗ウイルス効果かどうかは怪しい.
 一方,タミフルは中枢神経抑制作用に伴う毒性が目立つ.その病像は,せん妄や異常行動後の事故死だけでなく,低酸素性呼吸駆動(respiratory drive)が作動せず呼吸抑制・心肺停止で突然死する,肺炎が増加し,敗血症,出血などが生じている.判明している氷山の一角だけでも,突然死の数十例をはじめ,死亡例は100例近くになってきた.死亡に至らない副作用例が1388人,異常行動など精神神経系の副作用例は596人に達する.3月20日までが341例であり,3月21日から4月3日に報告された異常行動など精神神経系の副作用例(突然死も含む)は255例に達する.いかにこれまで埋もれていたかがわかる.


突然死,異常行動後の事故死との因果関係は確実

 厚労省はいまだに認めていないが,呼吸抑制から突然死を起こすこと,異常行動や幻覚,あるいは自殺したくなることなども含めて精神神経系の異常を起こすことは,タミフルの薬理作用・毒性からして因果関係は明瞭である.

(中略)


インフルエンザは自然に治る軽い病気

 インフルエンザは自然治癒する疾患である.通常は感染しても症状は軽く,タミフルが不要であることは日本を除く世界の常識である.メーカーのパンフレットにも明瞭に書かれている.
 「一般にインフルエンザウイルス感染症は自然治癒する疾患であり,患者によってはインフルエンザウイルスに感染しても軽度の臨床症状ですみ,抗ウイルス薬の投与が必要でない場合が考えられる.(中略)患者の状態に応じ,本剤の必要性を十分検討の上で使用すること」


タミフルでインフルエンザ脳症の発症は予防できない

 また,タミフル服用が脳症を予防するとの証拠も全くない.オセルタミビル(タミフル)のインフルエンザ脳症の発症への有効性について,横田は,「エビデンス(証拠)は確立されていない」「現時点ではその治療的有効性は以下の諸点から否定的である」と述べている.

(中略)


捏造「インフルエンザ脳症」で作られた「インフルエンザ恐怖症」

 インフルエンザは怖い,と多くの人は思い込まされている.これは作られた恐怖症である.脳症は,インフルエンザだけでなく,かぜでも生じていた.インフルエンザの流行しない夏や秋にもあった.むしろ1年を通じると,インフルエンザよりインフルエンザ以外の感染症の方が3倍も多かった.そして,死亡するような重症脳症はタミフル導入前の2001年には,非ステロイド抗炎症剤の使用規制とともに激減したのである.いわゆる「インフルエンザ脳症」は,実は非ステロイド抗炎症剤による「解熱剤脳症」であったからだ.
 もともとインフルエンザウイルスは脳中には入らず,異常行動やせん妄を起こすのは,横田氏も適切に指摘しているように,インターフェロンやTNF−αなどサイトカイン類のためである.脳症が重症化するのは,非ステロイド抗炎症剤でサイトカイン類がより強く誘導され,脳だけでなく全身の組織が傷害され,多臓器不全を起こすからである.さらに重症化すれば死亡する.これが重症脳症の実態である.
 「インフルエンザ脳症」なる言葉は,1998年ころから「インフルエンザはかぜじゃない」とほぼ同時に出現した「インフルエンザ怖い」キャンペーンの一環として捏造されたともいうべき言葉である.人々がインフルエンザワクチンとタミフルを求めるように誘導するために巧妙に仕組まれた.このキャンペーンで,脳症になったらいけないからと,人々は『タミフル』を求めるようになり,世界中の8割近くものタミフルを日本で消費するようになったのである.

                      (後略)



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