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いつもお世話になっております。今年は、次男である充孝も田畑を持ち、正式に農業者としての一歩を築いてくれました。亡き祖父からの土と農業へのおもいを共に受け継いでくれる事を、長男 幸蔵も喜んでくれております。充孝も青汁の工場の管理始め、益々地域との連帯の想いを強く感じるようになってくれると思います。皆様の変わらぬご支援のお蔭で、ここまで来れた事に、感謝を申し上げます。 明年より、有機認証に続き、特別栽培表示ガイドライン、そして生産行程履歴JASの本格的な施行となり、無登録農薬の風評被害に揺れた高畠の地でも新たな波紋が起きております。 思えば、米沢郷牧場として環境技術であるBMW技術を地域循環システムとして先駆けて取り入れ、ISO14001システムを集落農業経営に適用させ、青汁工場では食品加工での有機認証を取得するなど、皆様には時にご心配をおかけした事もあったかと思います。それぞれの技術は、農業者とともに、地に根を下ろし、若い後継者という葉を広げつつあります。 単に制度上の問題からではなく、これからは、彼等若手が牽引力となり、安全な生産による農畜産物を、消費者の皆様に情報と共にお届けする事が必要となると思います。
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その情報をきちんと流通履歴とともに送る事はこれからの課題であると考え、2001年には「日本農業IT化協会」を農業者で立ち上げさせて頂きました。 協会も、現場の農業者との協議を繰り返し、次第に技術を革新し、昨年は独立行政法人農業技術研究機構との共同研究を締結、今年は、協会のデータ技術と日立製作所の超小型チップとの協同によるトレーサビリティーシステムの構築に入り、先だっては、トロンで世界的に有名な坂村健教授のユビキタス技術の導入も計画しております。 日立さんでは、我々の活動を評価して頂き、超小型チップをテーマに日立の企業CMを制作するため、高畠へ50名を超える映画の撮影スタッフにより、幸蔵や充孝を交えた作品(60秒/30秒CM)が、6月7日のTBS系「世界ふしぎ発見」、続いてフジテレビ系「ニュースジャパン」から9月末まで放映するようになり、農業の新時代を感じさせる内容との事です。
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私も60歳を目の前にして、このような若者の活動に期待しながらも、地域社会に根を張れるようなきちんとした技術になるまで、ITといういささか得意でない分野でも、消費者の皆様と歩みを揃え、安心できる農業のために、もう少し頑張る覚悟でございます。 更なるご指導、ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。 2003年6月吉日 米沢郷牧場 伊藤幸吉
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