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フィリピンからの 徳用バナナ
カタログ2013年8月2週号
有機栽培です。
◆高地栽培ならではの甘さ香り
 フィリピン南部、ミンダナオ島、ダバオ市シブラン地区にある生産者団体シブランオーガニックファームのコロナド・アポシン(Koronada.B.Apuzen)代表は、有機栽培でバナナを育てています。
 ダバオ市シブランは標高600m〜900mの高地にあり、朝晩の寒暖の差が大きく、バナナの生育期間は通常の約10ヶ月に比べて、約11〜12ヶ月と時間が長くかかりますが、バナナがじっくりと育つため、でんぷんが多く含まれ、甘くて香り高く、おいしいバナナが収穫できます。
 シブランにある農園は、山に囲まれ、その山から流れ出る清らかな水も豊かです。また農薬を使う他のバナナ園とは離れているため、他農園からの農薬で汚染される心配もありません。バナナ栽培にはたいへん恵まれた大自然の環境です。

◆地域の自然環境を守るために
 シブランオーガニックファームは2003年に有機バナナ栽培を始めました。地域の自然環境や自分たちの土地を守るために、慣行栽培ではなく有機栽培を選びました。
 有機栽培に取り組んでいた当時、シブランの生産者は有機栽培の経験も技術もありませんでした。
 そこでバナナ栽培に長い経験を持つ生産者団体FARM COOP(Foundation for Agrarian Reform Cooperatives in Mindanao.Inc.)から有機栽培の技術を学びました。またシブラン地区に暮らす人たちへの健康面でのサポートも受けてきました。
 日本での販売をしながら、品質改善に取り組んできました。
 現在では38人の生産者が面積約68ヘクタールで、有機バナナを栽培し、有機JASの認証も取得しています。

◆昔ながらの追熟加工
 シブランオーガニックファームの有機バナナの日本側の窓口は、三重県伊賀市の丸夕田中青果加工(株)です。丸夕田中青果加工(株)はオルター取り扱いのコロンビアのサンタマルタ有機バナナの世話もしていただいています。
 シブランオーガニックファームの有機バナナは熟成ムロで、緑色で硬く渋い状態で輸入されたバナナを、黄色く柔らかく甘いバナナに熟成加工しています。熟成加工は熟練した技術者がその日の気温、湿度などを考慮して、昔ながらの方法で仕上げています。ちなみに現在はコンピューター制御で熟成加工する方法が一般的です。

◆オルター向け特別企画徳用バナナ
 有機栽培では農薬などで病虫害を抑制する慣行栽培と比べて、どうしても天候など自然の影響を強く受けてバナナが育ちます。そのため、多くの病虫害を受けた実や、不揃いなバナナができてしまいます。
 一般市場では有機栽培バナナといっても見栄えを気にする消費者が多くいます。そんな一般市場向きには出荷しにくい、表面に多少の傷がある、不揃いなバナナを格安品「徳用バナナ」としてオルターが企画しています。皮表面に多少の傷があってもむいて食べるのには全く遜色がないおいしいもので、これまでは加工用途へ安く買いたたかれていた品です。
 この徳用企画はフィリピン現地の生産者、消費者ともハッピーになれる企画です。


シブランオーガニックファーム、丸夕田中青果加工の有機バナナ(オルター基準 ★★)
■生産者
シブランオーガニックファーム/フィリピン、ミンダナオ島、ダバオ市シブラン地区 コロナド・アポシン代表ら38名の生産者

■品種
ウイリアムス種、ブングラン種

■防除
防虫(対象 シガトガ)にはハーブを週1回程度使用。ハーブはショウガ、コショウ、ニンニク、タマネギ、スイートポテトの葉、糖蜜を発酵させたもの。
殺菌にはJAS適合別表農薬、銅水和剤を使用。有機JAS認証(ECOCERT認定)あり。

■肥料
乾燥鶏糞、フェザーミール、ココナツの皮、籾殻の灰、米ぬか、牛骨粉

■輸入
関西の港に到着後、植物検疫を受けます。植物検疫の際、特定の害虫や病気が発見されると、青酸ガスくん蒸を受けます。この場合はオーガニック流通からはずします。

■熟成加工
丸夕田中青果加工(株)の熟成ムロでエチレンガスを使って熟成加工しています。熟成後は有機JAS小分け手順に基づいて選別、保管をします。
丸夕田中青果加工(株)の有機小分け認証は兵庫県有機農業研究会認定。



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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