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オルター提供の野菜でツナ缶作り かもめ屋(3)  
カタログ“2002年4月4週”
 アメリカの環境運動のリーダーである、あるジャーナリストは「缶詰めは使わないことにしている」と言っていました。缶詰めは環境負荷の高い商品だから、というのがその理由でした。とくにアルミ缶などは、その精錬に多くの電気を使うもので、それを捨てるのは大変もったいないことでもあります。昔、スチール缶に錫メッキしてあったとき、その錫が食品に溶け出して問題になっていました。そのため現在は、缶の内側にプラスチックで塗装(コーティング)してあるタイプのものになっています。
 ところが、このプラスチックから製造工程の高温加熱の際などに、ビスフェノールAなどの環境ホルモンが食品に移行することが問題となっています。そのため、ビスフェノールAの溶出を低く抑えたタイプのものに切替える動きが始まっています。しかし、プラスチックにはメーカーの公表していない、キャリーオーバーの薬品が含まれているため、100%安全、安心とはなかなかいかないものです。
 一方、日本人は昔から缶詰めが大好きです。こういう文化は、なかなか否定できるものではありません。かもめ屋ではツナ缶を可能な限り、環境ホルモンを低減させて、原料段階での遺伝子組換えなどにこだわって作っています。この業界に安心できるおいしいツナ缶がないことに気付いたのが、開発のきっかけ。伊藤食品にたどりつくのに3年かかったとのことです。
左から斉藤篤工場長、山崎力専務、色本幸代さん(かもめ屋)
◎かもめ屋のツナ缶
≪加工メーカー≫ 
缶詰めメーカーの伊藤食品に委託加工されています。

 伊藤食品とは、母体が鉄工所で、漁船のエンジンを作っていますが、その納入先の漁師さんらが水揚げする海産物を缶詰めに加工すれば、漁師さんの応援にもなると1948年に缶詰製造を始められた会社です。実質的責任者である工場長の斉藤篤さんを始め、社員の皆さんのアットホームな雰囲気が印象的です。安い海外物を加工する超大規模な工場の寡占化が進む缶詰め業界の中にあって、国産の材料にこだわって、少量多品目の小回りをきかせた加工で立派に活躍なさっています。だからこそ、かもめ屋さんの熱意にほだされ、小ロットでの委託加工にも快く力を貸していただけているのです。
 ツナ缶に使う缶は、東洋製缶清水工場の製品です。製缶メーカーとしてはトップメーカーで、環境ホルモン対応も、よく研究なさっています。現在国内で最も低減できた缶を使っています。通常の缶では40ppb、かもめ屋の現段階の缶では7ppb程度のビスフェノールが検出されます。かもめ屋では6〜7月からは、ビスフェノールが検出限界5ppbでも検出されない缶に切替える予定です。

缶詰工場作業風景
≪原料≫
キハダマグロ以外は全てかもめ屋の持ち込みです。

●キハダマグロ
 通称南方海域、東経0度と、赤道の交点の北西の海域で、巻き網で漁獲し、清水港に水揚げしたもの。船上で獲れた魚を-18℃の塩水に入れて冷やしたあと、塩水を抜いて-25℃で冷凍したものです。このとき、酸化防止剤を使っていません。

●野菜スープ
 原料野菜は、オルターが提供してます。
 今回の製造ロットで使った野菜の生産者はいずれもあゆみの会の生産者
玉ねぎ……………………無農薬(北海道 本田秀子)
にんじん…………………無農薬(千葉県 宮城清司)
キャベツ…………………無農薬(茨城県 大久保明)
 野菜スープの煮出しは、名古屋の「ダンフーズ」社です。

●菜種油
 圧搾一番搾り(石橋製油)
 オーストラリア産非遺伝子組換え菜種を圧搾一番しぼりしています。

●塩
 沖縄シママース

●製造工程
@原料(キハダマグロ)
 解凍洗浄→頭切り→内臓除去→血抜き冷却→蒸煮 →放冷→身割り→くず肉を削り、精肉にする→選別 →缶へ肉詰め→秤量
A缶に野菜スープ、油、塩を入れて調味し、巻締め(缶 にふたをすること)をする。
B115℃70分加熱
C冷却して検査、箱詰め。

≪食べ頃≫
 製造後、3ヶ月くらいで油がなじんできておいしくなる。とくに半年〜1年後がおいしい。


◎市販のツナ缶の問題点
 缶詰めではビスフェノールAなどの環境ホルモンが問題となっています。マグロには、酸化防止剤の使用のおそれがあります。野菜スープに使われる野菜は、農薬の汚染や化学肥料の害(亜硝酸塩によるガンや糖尿病、貧血)があります。とくに安く輸入されている中国野菜は、農薬汚染度が高くて問題です。
 サラダ油は、例えば大豆油の場合、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、n-ヘキサン抽出によるトランス脂肪(ガン、心臓病、精神病の心配)などの問題があります。
 調味料は、アミノ酸には脳障害、タンパク加水分解物には、発ガン性の心配があります。魚貝エキスの原料、製造工程は全く不明で、このように○○エキスと書いてあるものはとくに要注意です。
 醤油には原料の大豆(ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え)、小麦(ポストハーベスト農薬)などの問題があります。
 水飴には、原料のトウモロコシのポストハーベスト農薬、遺伝子組換えなどの問題があります。


    ―文責 西川栄郎―


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