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アレルギーにやさしい 低蛋白パン
カタログ2013年4月1週号
蛋白質含有量の少ない国産薄力小麦粉を使っています。
◆技術的に難しい低蛋白パン
 京都府宇治市にあるパン屋、ノンアレコムギコの宮原秀行さんは蛋白質含有量の少ない国産薄力小麦粉を使って、アレルギーに配慮したパン作りをしています。
 アトピーなどのアレルギーリスクは、農薬の汚染が少ない方が、また蛋白含量も少ない方が、アレルゲンの量が当然少ないので、低いといえます。したがって輸入強力粉より低蛋白であり、ポストハーベスト農薬の心配のない国産薄力粉でパンを焼く方がアレルギーがある人にはやさしいといえるのです。
 しかし、小麦粉グルテン含有量の少ない低蛋白の薄力粉でパンを焼くことは、技術的に、特に発酵工程が難しくなります。宮原 秀行さんは、この難問を技術的にクリアしています。

◆アレルギー外来の医者からの提案
 宮原 秀行さんは1985年に脱サラして、パン屋を始めました。アレルギーに配慮した薄力粉パンを始めたきっかけは、知り合いのアレルギー外来の病院の先生から、できるならたまご、乳製品などをカットしたパンを、アトピーなどで困っている人たちのために作ってあげてほしいと言われたことからでした。それ以来、小麦粉やその他の原料にもこだわった天然酵母パンを開発してきました。

◆学校給食のパンが食べられない子どものために
 ノンアレコムギコをご紹介いただいたのは、中村 敏美会員です。中村 敏美さんより、ノンアレコムギコのパンがおいしく食べられたので、子どもが学校給食のコッペパンの代わりに持っていけるコッペパンをノンアレコムギコさんで作ってもらえないかというご提案をいただきました。このご提案を受け、中村 敏美さんにも開発に同席していただいて、ノンアレコムギコさんの方で、快く希望通りのコッペパンを開発していただけたのです。
 低蛋白の国産薄力粉のパンを食べることは、アトピーの子どもにまた1つ安心アイテムが増えるだけでなく、それだけ危険な輸入小麦を食べずに済むことになり、国産小麦の新たな需要を生み出すことにもなるのです。


ノンアレコムギコの手作り国内産薄力粉  天然酵母パン
■原料
●薄力粉
北海道産小麦粉ホクシン(旭製粉)。市販の食パンに使われる小麦粉の蛋白質含有量通常14%程度に対し、北海道産ホクシン薄力粉の蛋白質含有量は9%以下です。
●てんさい糖
北海道産ビート糖
●赤穂の天塩
2000年4月第4週カタログ表紙参照
●天然酵母
ホシノ天然酵母
●レーズン
ネオファーム(アメリカ産)( ND )
(レーズンパンにのみ使用)
●菜種油(離型剤として)
影山菜種油、2011年10月4週カタログ表紙参照

■製造方法
@ホシノ天然酵母/準備発酵(約30℃で36時間)
A小麦粉、砂糖、塩/量って混合
B発酵
C分割
手作業で行いますので、分割機(通常は危険な油を使用)を使用していません。
D型に入れて、休めてから焼く
離型剤として危険なものを使わず、菜種油を使用。
道具の洗浄に合成洗剤も使いません。
保存剤、品質改良剤、イーストフード、ベーキングパウダー、
着色剤などの化学物質を一切使用しておりません。
E包装 
日持ちするよう、コストはかかりますがエージレスの包装をしています。賞味期限は2週間としていますが、食べるのが早ければ早いほどおいしくいただけますので、早めにお召し上がりください。


市販のパンの 問題点
 市販のパンの最大の問題は、ポストハーベスト農薬の汚染のある輸入小麦が原料に使われているということです。そのためパン食が日本人の健康を破壊している大きな原因のひとつとなっています。副原料についても、乳製品にはチェルノブイリ原発事故による放射能汚染のあるヨーロッパ産が使われたり、たまごなど畜産品には輸入穀物がエサに使われているためポストハーベスト農薬の汚染が心配されますし、飼料添加物、動物医薬品の問題もあります。
 あん、クリーム、ジャム、カレー、レーズン、ナッツなども、詳しい解説は別の機会にしていますが、問題だらけです。
 天然酵母で発酵させて、小麦粉のうま味をじっくりと引き出しているなら良いのですが、一般には生イーストならいい方で、イーストフードやドライイーストを使っています。
 天然酵母パンは練りから焼き上がりまで3日かかりますが、イーストフードを使った流れ作業のいわゆるラインのパンはそれが数時間と格段に短時間で焼き上がります。コストは下がりますが、うま味が出るひまがないので、粗悪な副原料を使って味をごまかさなくてはならなくなります。イーストフードといっても、イーストすなわち酵母とは無縁で、発ガン性のある食品添加物・臭素酸カリウムをはじめ何十種類もの化学薬品のかたまりなのです。
 山崎製パンがテレビのコマーシャルで「国産小麦パン」であることをアピールしていますが、その生地に使っているイーストフードには発ガン性の強い臭素酸カリウムを含んでおり、消費者を惑わす悪質なCMです。つけ加えれば、山崎パンのようなフワフワのパンはいくら食べても腹の足しにはならず、結局空気に高いお金を払わされていることになります。家計簿的には天然酵母パンの方がしっかりしていて、むしろ安くつくのです。
 生イーストやドライイーストは酵母が使われますが、その培養培地に大豆(ポストハーベスト農薬や遺伝子組み換えの問題)、廃糖蜜(砂糖工業界の廃棄物)などが使われ、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)などキャリーオーバーの添加物が含まれています。
 オルターでは野生酵母、天然酵母、できるだけ安全を確認した無添加の生イーストまでの使用を認めています。
 パンを焼き型から外すための離型剤として、大手メーカーでは石油系の流動パラフィンを使っています。「機械に塗って使うのだから、これでいい」との考えのようですが、焼き上がったパンの表面にテカテカと光るほどついています。よほどましな町のパン屋さんでも、ショートニングを使っており、ポストハーベスト農薬、遺伝子組み換え、トランス脂肪酸(心臓病・ガン・精神病)などの問題があります。
 生地の分割にも油を使いますが、その植物油などにもショートニングと同様の問題があります。その他パンには合成着色料、品質改良剤、合成ビタミンC(天然型とは違う)などの酸化防止剤をはじめ、様々な食品添加物が使われています。
 ヨーロッパ人が伝統的に食べている小麦胚芽のある玄麦パンなら栄養バランスは優れているのですが、日本国内のパンはほとんどが精麦パンで、栄養的に偏っています。そこで玄麦パンを望んでも、酸化しないよう自家で製粉機を持っているパン屋はごく例外的で、一般には脂肪の酸化に注意が払われていないため有害な過酸化脂肪が心配な玄麦パンになってしまっています。
 

―文責 西川榮郎(NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター代表)―



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