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美しい海で獲れる天然エビ
カタログ“2007年12月3週号”
美しい海で獲れる天然エビ
鮮度、安全性、おいしさとも文句なし。
養殖エビとは全く違う、天然エビを味わってください。


●鮮度抜群、薬品処理一切なし

 パプアニューギニア海産の武藤優社長は、対等な関係の生産パートナーであるパプアニューギニア国現地資本100%の水産会社数社の漁師さんのエビ船がオーストラリア北方パプアニューギニア海域で獲った天然エビを、日本へフェアトレードしています。
 そのエビは、漁獲後ただちに船上で規格選別され、すぐに急速凍結処理されます。そのため、日本まで刺身にできる鮮度で届いています。船上、および国内での解凍、加工などの全工程において薬品処理を一切行っていない、安心して食べることのできるエビです。

●搾取しない生き方を模索し、フェアトレードの道へ

 武藤さんは、長崎大学水産学部を卒業後、築地魚市場で冷凍エビを扱う職につきました。しかし、市場が元来抱えている搾取の構造に悩み、生産する人たちの側に立った生き方を強く志向するようになり、とうとう海外青年協力隊に参加しました。
 ホンジュラス国の途上国向け沿岸漁業開発プロジェクトに2年間従事し、その後、国際協力事業団のパプアニューギニア駐在を経て、パプアニューギニア国ガルフ州政府の水産公社から要請を受け、彼らの、彼ら自身による、日本における販売窓口としての法人設立に参画し、武藤さんが長年模索し続けてきた生産者サイドに立った流通システムの開発に1985年に着手したのでした。
 当時はまだ、今日のように養殖エビが大手を振ってまかり通る時代ではなく、天然エビ市場は厳しいながらも不安の少ない時代でした。日本の商社や大手水産会社や政府の紐付き援助とは一切関係を持たなかったパプアニューギニアの民族資本のみという生産母体ということで、国内の中央卸売市場の人たちの強力な支援・協力を得て、州政府水産公社は順調に業績を伸ばしました。4年後には、自力で150トン型新造トロール船4隻を建造できるまでになっていたのでした。

●安心できる天然エビ、消費者みんなで食べ支えよう

 1987年に本格化した養殖エビの大量輸入による冷凍エビ相場の急落、安値安定がありましたが、末端の消費者との提携やコスト削減努力のかいがあって、奇跡的に事業は自立を果たすことができました。
 しかし、このことは手放しでめでたしめでたしとはいきません。生産者が納得のできる良質なマーケット、消費者側がさらに育たなければ、略奪的なスポットバイヤーが現れ、高値の買い付け競争に参入したら厄介なことになりかねないからです。資金力にものを言わせる大企業に振り回されないためには、私たち消費者側がしっかりとしたマーケットを確立することが必要だと、武藤さんは考えておられます。   
 エビの輸入といえば、途上国の資源を根こそぎ荒らしまくった日本人の悪業を象徴するものでした。しかし、そのエビで、武藤さんのように真の民衆同士の助け合いの輪を広げる活動もできるのです。
 パプアニューギニアの人たちが将来に渡って、楽しく仕事を継続し、再生産・再投資が可能な相応の利益を確保し、自信を持って子ども達の世代に受け継いでいってもらうことを目指しています。その結果、私たちも安心できる天然エビを食べ続けることができるのです。


パプアニューギニア海産の天然エビ
●天然エビ漁獲、選別、急速凍結
 
  パプアニューギニアの民族資本100%の水産会社が所有する150トン鋼製エビトロール船(乗組員約15名)で、基地であるポートモレスビーから約一昼夜で漁場へ行きます。一旦港を出ると、通常25日間は帰港しません。
 漁は約4時間おきに網が揚がってきます。曳網時間は2.5〜3時間くらいですので、最初に網へ入ったエビは、水温28℃で2時間以上も引きずりまわされ、ヨレヨレ状態で揚がってきます。したがって、船上凍結、ワンフローズンといっても、とくに鮮度の規格選別が大切です。その選別は、赤道直下の強い陽射しから鮮度を守るため、日覆いをかけながら乗組員の手作業で行われます。無頭にする作業もここで行われます。
 選別作業が終わるとすぐに急速凍結をします。凍結に使う水は、船上で海水から真水に作ったものです。もちろん一切薬品の使用はありません。
 漁獲量がやたらと多い他の漁船や漁獲方法ではこれらの処理に時間がかかる為、またプールに入れて選別を行うものはエビに黒変が発生しないよう、薬品を使わなければならないのです。ここでは1回の操業で約50kgの漁獲ですので、天然エビは大変貴重であることが分かります。

●解凍、パック処理、急速再凍結、出荷

  パック品は、新鮮さを失わないように手早く解凍し、パック処理、急速再凍結処理をしたもので、刺身で食べることができるほどの鮮度を保っています。
 作業は全て手作業で、解凍はシャワー方式で行います。エビの包装時に使っている水は、浄水器を通した水です。原料段階はもとより、加工する時も一切の薬品の使用はありません。包丁やザル等の洗浄には、無添加石けんを使っています。

*小分けパックは石巻市にあるパプアニューギニア海産の工場で行っています。


一般のエビの問題点
  市販されている通常のエビは、養殖エビが圧倒的です。エビの養殖池は大変汚れており、そのため、それらのエビは薬漬けで飼われています。
 養殖時に使用される薬剤は、病気を防ぐための抗生物質、からだを大きくするための成長促進剤、食欲を刺激するための食欲増進剤などですが、それでも病気の蔓延で長期の養殖は無理で、数年という短期間で池は放棄されています。一旦放棄した池は、あまりの汚染のため、後の使いみちがないという状況になっています。
 また加工時においては、黒変防止剤、保水剤、ツヤ出しワックス剤、人造エキス(エビの味)などが使われます。
 エビはすぐに黒変するために、見かけの鮮度だけごまかす黒変防止剤(酸化防止剤)が使われますが、それでも黒変しやすい頭部を外した無頭が一般的になっています。そのため、頭部のつけ根にあるエビのうまみが失われています(エビは頭こそエビの味がするのです)。酸化防止剤は、エビ本来の味を消すためにグルタミン酸、あるいはイノシン酸系の食品添加物を加えて、一般の人々の慣れ親しんだ味に仕立て、さらに臭い消しのための薬も使用します。歯応えをよくするために保水剤、保湿剤も加え、カスカスになった食感をプリプリ感にごまかしています。
 この加工時の薬品は、天然エビでも通常は一緒で、元は天然エビでも薬品が使用されることが一般的なので、天然エビということだけでは安心できません。魚介類の中で、エビへの薬品使用は一番の問題といえます。バナナで提携しているATJの粗放養殖のエビも、出荷時に次亜塩素酸で消毒をしているため、オルターでの取り扱いは休止したままになっています。


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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