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300年の伝統、手作り、もち米の麦芽水飴
カタログ2011年3月3週号
昔なつかしい水飴
母乳の出、産後の肥立ちに、砂糖の代替に


◆砂糖の代わりに大活躍
 香川県木田郡三木町にある三原飴店の三原紀子さんは、もち米を原料に、昔ながらの手作りで麦芽水飴を作っています。麦芽も自家製です。昔から「凝煎飴(ぎょうせんあめ)」という名前で親しまれ、地元香川県では母乳の出が良くなる、産後の肥立ちが良いと、昔から出産祝いに使われてきました。食欲のないときには、この飴を食べると体力がつくと言われています。咳止めや喘息にも良いと重宝されてきました。砂糖の代替に料理に使ったり、子どものおやつにも最適です。

◆昔から日本人が親しんできた水飴
 麦芽を利用して造られる水飴、凝煎飴は、約1000年前の平安時代に編まれた「延喜式」に登場します。砂糖が出回る前、古くから日本人は麦芽水飴を楽しんでいたのです。
 三原飴店では、290余年前の江戸時代から先祖が造られ、三原紀子さんは9代目になります。代々、田畑仕事の副業として嫁の仕事とされ、飴作りは姑から嫁へと直伝で受け継がれてきました。冬でも朝6時から始める、きつい仕事です。

◆伝統の味を取り戻そう
 今日、国内では三原飴店の凝煎飴のような良質な水飴はほとんど見かけなくなりました。「市販の水飴の問題点」で述べるような問題だらけのものばかりです。良質な原料を使い、伝統的な製法で作るほんものの麦芽水飴はないかと、かねてからオルターとして探していたところ、2003年に日本テレビ系「どっちの料理ショー」で三原飴店の凝煎飴が紹介されました。
 日本人として、このような素晴らしい伝統食を取り戻していきたいものです。


三原飴店のぎょうせん飴
もち米のほうがうるち米よりも高くつきますが、コク、おいしさ、色のよさを考えれば、これを使うしかないという理由から、もち米を使っています。

■原料
●もち米・・・香川県産もち米。品種は主として「くれない」。広島県産もち米。原種に近くモチモチする。粒が小さく、水飴に向いています。この2種類を使っています。品薄の場合に、佐賀県産を使うことがあります。

●小麦・・・主として香川県産。品薄の場合に、他県産のものを使うことがあります。

●水・・・井戸水を太陽熱で間接的に温めて使用しています。三原飴店の井戸の地名は砂入りと呼ばれ、砂れき層を通る水脈のあるところで、いい水が出てきます。

シンプルな原料で、砂糖はもちろん、食品添加物は一切使っていません。

■製造工程
★麦芽の作り方
真冬、寒の時期に作ります。

@小麦の種もみを水に浸ける。
A室に入れて発芽させる。
B麦が麦粒の2倍ほどに伸びたときに、むしろで天日干しをして乾燥する。
C保存
 麦芽は寒の時期のものを1年間使う。

★麦芽水飴の作り方
1日目

@水浸したもち米を粥状に炊く。
A麦芽を粉砕機で粉砕した粉を少しずつ加える。全て入れるのに始めてから4時間かかる。この間、かいな棒(樫の木)で混ぜ続けます。かなりきつい仕事です。
B粥状からさらりとなったところで一晩ねかせる。

2日目
C甘味が増した飴汁を麻袋に入れて搾る。糖化した飴を、ふるいで2回こす。
D上部のアクを取る。
E後は火加減を見ながら8〜10時間ひたすら煮つめる。釜底に琥珀色の飴ができてきます。
Fこの出来上がったものをステンレス容器に入れておき、ビンに手詰めします。製造に使う道具類はさすがに伝統を感じさせる竹や木、ステンレスでできています。

■保存方法
常温です。冷蔵庫に入れると固くなります。半年以内をめどにお召し上がりください。

■水飴の使い方
・そのままスプーンや竹の箸などに巻きつけてなめる。
・大根エキスにして。咳止め、喘息に大根を生のままの皮付で0.5〜1cmの厚さの輪切りにし、その上から大根の容積の1/3〜1/2くらいをのせ、出てきた汁を飲むと、効果があると広く愛用されています。
・きなこ飴にして。水飴60〜70%に対して、15〜20%のきなこと15〜20%のはったい粉を混ぜて、きなこ飴を作るのもおいしいですよ。
・その他、砂糖の代わりにお菓子作りやお料理にお使いください。


市販の水飴の問題点
 市販の水飴のほとんどは、麦芽酵素で発酵をした水飴ではなく、とうもろこし・じゃがいも・さつまいもなどを塩酸(HCl)で加水分解して作る異性化糖です。原料の輸入とうもろこしには、遺伝子組み換え、ポストハーベスト農薬の問題があります。じゃがいもは遺伝子組み換えや農薬の心配、さつまいもは栽培時の農薬の心配があります。
 α‐アミラーゼなどの酵素を使って酵素水飴を作る方法がありますが、そのα‐アミラーゼには遺伝子組み換え微生物から作られているものがあります。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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