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クエン酸を使わず、有機米酢で作った「紫蘇どりんく」
カタログ“2005年10月1週”
クエン酸を使わず、有機米酢で作った「紫蘇どりんく」
山里の暮らしを守る活動に取り組む杣の会から、紫蘇どりんく、山ブキの佃煮、しば漬、蜂蜜をいただきます。

 私たちの飲料水も、田畑の灌漑用水も、沿岸の海藻も、山の緑なくしては存在しません。まさに山は生命を育む大切な存在なのです。その山に対して、戦後、針葉樹である杉や桧に偏った植林がなされ、水源涵養林としての役割を果たし、かつ動物たちのエサが豊富な広葉樹林が乱伐されてきました。
 一方、輸入木材の増大で、日本の林業は疲弊し、手入れもされず放置されたままの山林が広がり、林業に従事する後継者も減少し、山里の生活が滅びようとしています。山が滅ぶということは、里が滅び、国が滅びることとなるのです。
 琵琶湖に注ぐ安曇川の支流・針畑川の最上流にある滋賀県朽木(くつき)村は、淀川の水源のひとつです。福井県および京都府と境を接する、関西では珍しい豪雪地帯。有名な芦生(あしう)杉の天然分布も広がっています。
 杣(そま)の会は1982年、朽木村針畑地域で、「雑木山は生活文化の源」という理念のもとに活動を始めました。その中心メンバーの今北哲也さんは、大学で林業を学んだ後、全国の山林を見て回ったあと、朽木村に1975年に入植し、山里を守る活動に取組んでこられた方です。

杣烽舎代表の今北哲也さん(右)と山菜じゅうべえの西澤恵美子さん(左)
任意団体からNPO法人へ
 この杣の会は、まだブナなどの多い山林27haを都会の人々に呼びかけ、共有林として所有し、活動しています。活動当初は山小屋建設や歩道の開削から始まり、自然環境の調査、キノコや薬草の林床栽培、源流域の自然の保全や活用に取り組んできました。また日本のさまざまな基層文化を記録した民族文化映像研究所の諸映画の自主上映や、地域の人々、ムラの暮らしに関心を寄せる人たちとの交流などを重ね、源流と下流、ムラとマチのあるべきつながりをめざして実践を重ねてきました。
 「それらを通じて私たちは、針畑地域には自然を破壊しないでその恵みを永続的に利用する知恵と工夫が連綿と伝えられており、それによって人々が自立的生活を営んでこれたこと、またその結果、美しい水を琵琶湖に送り続けてもこれたことなどを学びました。いまや杣の会は、この雪深い山間地の針畑の知恵や工夫が、実は世に広く通用する普遍性を備えたものであり、それゆえ環境や食料など深刻な諸問題を抱える現代社会への、有益な示唆に富んだものであることを痛感するまでにいたりました」(NPO法人杣の会・設立趣意書より)。
 こうして任意団体からNPO法人へと再出発した杣の会は、現在、環境に配慮した森林管理をしていることを認証する森林認証FSCの取得準備を進めています。今では、小中学生を対象とした原始的炭焼き「伏焼」や草木染などにも取り組んでいます。
 山村の生活は知恵と工夫の宝庫。空山と呼ばれる雑多な広葉樹林から富を生み出そうと、炭焼き、シイタケ栽培、山菜、餅、漬物、ハチミツなど縄文食・伝統食をテーマに様々な品物作りにも取り組んでいます。
 この今北さんらの活動を、最も脅かしているものは、近年頭数増が目立つ鹿による食害です。畑の野菜はもとより、木の皮をはいで枯らしたり、山菜、クマザサ、ワサビまでどんどん食い荒らしているのです。
オルターは、この山里を守る杣の会の活動に賛同し、できるだけ応援したいと考えて、その生産物をシリーズで取り組んでいます。去年の春に企画したちまきに続き、今回も山の香りいっぱいの4品をご紹介します。

滋賀県朽木村・山を守る杣の会の農産加工品  ◆ 「紫蘇どりんく」 ◆
◆杣烽舎有機農産グループの「紫蘇どりんく」◆
 通常の紫蘇ドリンクに一般的に使っているクエン酸(食品添加物)は、製造工程上、安全が確保できませんので使用していません。代わりに河原酢造の有機米酢を使ってマイルドな味に仕上げています。たいへん香りの良いドリンクです。ドリンクで飲まれる場合、5倍に薄めて下さい

【原料】
・赤じそ、青じそ…生産者は杣烽舎有機農 産グループの前田浩さん・通子さん、前田良造さん、美代子さんら。炭・木酢農法による無農薬栽培。肥料はボカシ発酵肥料、川合肥料製造の放線有機
・てんさいグラニュー糖…日本甜菜糖業(株)
・有機米酢…河原酢造の有機米酢(カタログ2005年1月4週号参照)
・水…朽木谷の地元簡易水道
【製造工程】
@しそ葉採取 
A熱水抽出(煮出し) 
Bろ過 
C一斗缶に封入 
D冷蔵保管
 以下、京都飲料の工場にて、
E味の調整(原料を配合) 
Fろ過
Gボトリング(リサイクルビンです)
H熱殺菌

◆山菜じゅうべえの「山ブキの佃煮」◆
 山里に豊富な山菜を活かし、山を荒廃させる杉を減らして、山里の生活を守っていくことを考えておられる「山菜じゅうべい」の西澤恵美子さんから、来年の早春にはヤマウド、カニウド、タラ、フキ、ウコギ、アサツキ、ゼンマイ、ワラビなど色とりどりの山菜を届けていただく予定です。今回はそのうち、塩漬けにしておいたフキを佃煮にしていただいたものをご紹介します。

【原料】
・フキ…山採りのフキと、転作田を利用した栽培フキ。栽培フキの肥料はシソと同じ。
・山椒…山採り苗を栽植した樹から
・醤油…丸中醤油(カタログ2000年7月1週号参照)
・みりん…三河みりん(カタログ1998年12月1週号参照)
・砂糖…種子島甘蔗分蜜糖(カタログ2000年4月1週号参照)
【製造工程】
@採取 
A塩蔵・保存
B塩抜き
C調味料を入れて煮る 
D冷却
E袋詰め 
F殺菌


◆山菜じゅうべえの「しば漬」◆
 朽木村針畑川流域で伝統的につくられてきた「やたら漬(みょうが、しその時期に採れる野菜を漬け込んだ漬物)」を基本にした、色合い、歯ごたえ、香りを楽しむ山里の漬物です。姿のまま漬けてあるので、必ず刻んでお召し上がり下さい。

【原料】
・みょうが…山みょうがを移植して自然栽培(★★★)
・しそ…無農薬栽培(★★★)
・なす…無農薬栽培(★★★)
・とうがらし…無農薬栽培(★★★)
・ビーツ大根…無農薬栽培(★★★)
以上5種の栽培は山菜じゅうべえの西澤恵美子さん
・塩…伯方の塩 
・酢…河原酢造
【製造工程】
@みょうが、しそ、なすの各収穫期に樽で塩蔵。
A上記3種を混合して同一樽に本漬け。酢を若干加えます。



◆ 瀬尾養蜂園の「蜂蜜」◆
 瀬尾養蜂園(大津市)は、花を求めて全国を蜜蜂とともに旅する、家族経営の移動養蜂家です。初夏に開花する栃(トチ)の蜜を、滋賀県朽木村と余呉町で採取しています。

【原料】
・トチの蜜…滋賀県朽木村・余呉町で採取(5月下旬〜6月初旬)
・カエデの蜜…滋賀県朽木村・余呉町で採取(5月中旬〜下旬)
・サクラの蜜…滋賀県大津市で採取(4月中旬)
・アカシアの蜜…北海道富良野市・芦別市で採取(6月下旬〜7月上旬)
【製造方法】
抗生物質を使用していません。精製に関しては、金網による物理ろ過のみで、ビン詰めに際しても加熱処理をしていません。


          ー文責 西川栄郎ー

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