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影山さんの国産菜種、圧搾一番搾りの菜種油
カタログ“1999年10月1週”
 昔は、日本のどこでも菜の花の咲き乱れる風景が見られました。そして、菜種油は食用はもとより灯の原料油として日本人に親しまれてきたものです。しかし、近年、米の早生種の出現などで年々その栽培面積が激減し、2001年には現在ある政府の栽培補助金も廃止されることとなり、いよいよ絶滅の危機を迎えているのです。その中で影山さんは国産菜種にこだわり続けていらっしゃいます。「国産」「原料の安定供給」を考えれば、日本人にとって菜種油は比較的安価に購入できるとても貴重な油なのです。この伝統を守りぬくため、ここ数年のうちに訪れる大幅な値上げがあったとしても、何としても買い支え、影山さんの国産へのこだわりを支えていきたいと思います。市販の菜種油では胸やけがしたり、アレルギーが増悪しますが、影山さんの油ではそのようなことはありません。

原料の国産菜種を後ろに影山省治(左)、サダ子さん(右)
<影山製油>
菜種油
原料−影山さん御自身の菜種の栽培の試みもしていますが、主力は青森産です。他に滋賀、福井、広島、山口、島根の各県のものも使っています。ポストハーベスト農薬(菜種は15〜20%がポストハーベストされています)、遺伝子組み換え、チェルノブイリ放射能汚染の心配はありません。
製造方法−炒り:今なお薪を燃料としている鉄釜で炒ります。この炒り加減が結構難しいのです。薪を使っているため、重油バーナーのように余分の加熱をすることがありません。
圧搾搾り−炒った菜種をネジ式の圧搾機で菜種油に搾ります。
湯洗い−搾った油にはガムなどの共雑物がありますので、これを水で2回、お湯で1回洗って脱ガムします。このときお湯に使う水は活性炭処理しています。そのあと水分をとばし、ろ紙でろ過をします。
充填−これだけの簡単な製造工程で、一切の添加物はありません。あとはビン詰めだけです。ビンは地元でリサイクルしているものを使っています。
今なお薪を使用している炒り釜
圧搾搾り機
天ぷら用にお推めの油です。天ぷら油としては国産のオリーブ油の方がより向いていますが、あまりにも高価です。大手メーカー品はこしの弱い油になっています。それに比べると、影山さんの菜種油は適度な加熱条件のため、数倍こしの強い油です。水のみで脱色しているため天然の色素クロロフィルや香りが残っています。天ぷらをするため最初、加熱するとこの臭いが気になることがありますが、揚げ物にはその臭いは残りません。消泡剤を使っていないため、始めは泡立つけれど、使用するにつれて逆に泡立ちが少なくなり、メーカーの油とは反対の現象が見られます。

●紅花油
アメリカ、カルフォルニア産の紅花を圧搾一番搾りしています。市販品はn−ヘキサン抽出なので心配です。一時誤って紅花油のリノール酸(あまり取りすぎてはいけない)が体によいというキャンペーンを自然食業界で行われていたことがありました。紅花油はサラダ用で酸化のことを考えると、天ぷら用には不向きです。サラダ用に使われるなら、亜麻仁油(1999年1月3回で御紹介)をお推めします。

●ゴマ油
中国産のゴマを圧搾一番搾りしたものです。搾った後放置し、2回ろ過したものです。酸化に一番強い油です。

天ぷら油、サラダ油として売られている市販の油の問題点
・遺伝子組み換え作物として、すでに流通している大豆、トウモロコシ、菜種、綿はいずれも大豆油、コーン油、菜種油、綿実油として油の原料です。したがって、これらをブレンドしている市販の油は全て絶望的な状況にあります。
・ポストハーベスト農薬汚染については、とくに大豆がひどく、菜種(15〜20%が対象とされる)、トウモロコシ(秋〜冬にかけては対象としないケースがある)など輸入原料は全て心配です。またチェルノブイリの放射能汚染地域からの大豆の輸入も行われています。
・大手メーカーの市販油のまず全てがn-ヘキサン抽出を行っています。n-ヘキサンはそれ自体が有害な石油系の劇薬であり、不純物として強い発ガン性のある3.4ベンツピレンを含むことも知られているものですが、近年n-ヘキサンで処理した油の分子がシス型から有害なトランス型へと転換してしまうことが問題となっています。トランス型脂肪が精神病、心臓病、ガンなどの原因になると指摘されています。アメリカの精神科へうつ病で訪れる患者に医者はマーガリンを食べていませんかと質問する時代なのです。
・まともな油はお湯でガムなどの汚れをとったり、静置ろ過などで精製していくものですが、市販油は硫酸、苛性ソーダー、酸性白土、活性白土など工業用化学薬品(その不純物も問題)で化学的に精製されています。カミネ油症事件は、まさにこの脱臭・脱色工程で機械からピンホールでPCBが混入した事件でした。
・酸化防止剤(リン酸、クエン酸)の使用
・消泡剤(シリコーン樹脂)の使用
・超高温水蒸気による脱臭


【 一見よいと思ってしまう油 】
・オーガニックのオリーブ油、エキストラバージンオイル
  ヨーロッパ産はチェルノブイリの放射能汚染が心配です。
・米ぬか油
  米ぬかは遺伝子組み換えがまだ問題となっておらず、遺伝子組み換えの表示対象として米ぬか油(国産が主、輸入は一部)に切替えていく動きがあります。しかし、米ぬか油や大豆油は圧搾法はなく、全てn-ヘキサン抽出によるもので、安心できるものではありません。


【 菜種油に対する誤解 】
・中国で菜種油で肺ガンになったという話??
 かなり以前、新聞で菜種油で肺ガンになる人があるという新聞記事が出たことがありました。これは正しくはこげた油のゆげに発ガン性があるということで、中華料理のコックさんの職業病です。中国では菜種油がよく使われているというだけのことで、どんな種類の油でもゆげが出るほど加熱しすぎてはいけません。
・国産の菜種に多く含まれるエルカ酸は心臓病の原因になる??
 エルカ酸(俗称 エルシン酸)が心臓病になるという新聞記事が出たことがありました。この説に対して鬼頭誠、京大食糧科学研究所教授(脂質生化学)が朝日新聞(1985年4月25日)で、これは中途半端なデーターを基にした誤解で、疫学的に無罪が証明されたと指摘されました。エルカ酸を問題視し、国産菜種を攻撃することには根拠はないと思いますが、念のため影山さんの菜種はそのエルカ酸含有量の少ない菜種種(キャノーラ キザキノナタネ)に切り替えてあります。油と心臓病の問題は、むしろ先述したn−ヘキサン抽出をやめるべきというのが筋なのです。菜種油といっても影山さんの油もあれば市販の油もあるからです。


   ―文責 西川栄郎―


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