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生産者からのお便り クッキー工場 ぷくぷくワールドから 
通信892号記事
〜障害者自立支援法案について〜
「お給料を上げてほしい。利用料を払うと好きなものが買えなくなる」「一生懸命頑張ってるのに、お金が減るのはおかしい」「みんなの意見を聞かずに勝手にしないでほしい」障害者自立支援法案について、ぷくぷくワールドの当事者たち(知的障害者)の声です。
 しかし7月13日深夜のTVニュースで、この法案が衆議院厚生労働委員会で傍聴の人たちの反対の叫び声の中、可決された様子が放送されていました。私たちも、何度も厚生労働省への抗議行動に参加し、大阪でもビラまき、集会、デモなどに参加し反対していましたので、なんとも言えない気持ちです。当事者の想いは本当に国会には届かないのだと思いました。
 その後、参議院も通過してしまう流れになっていましたが、郵政民営化法案の否決を受けて、衆議院が解散され、これに伴って参議院で審議中だったこの法案は、とりあえず廃案になりました。しかし、尾辻大臣はこの秋に同じ内容の法案を再提出すると明言しているそうです。
この法案「自立支援」と、とても聞こえがいいですが、問題点がたくさんあります。
 2年前に福祉サービスに支援費制度が導入され、本人がサービスを選択し、上限はあるものの、それまで使えなかったサービスが使えるようになりました。ぷくぷくワールドの利用者もクッキー工場が終わったあとや、休日の余暇活動、病院への通院など様々な形で生活の幅が広がってきました。障害を持つものも持たないものも仕事以外の余暇は、とても重要です。またショートステイやグループホームのサービスを利用している方もいます。やっと、地域であたりまえに暮らすことが、少しずつ進みかけたのに、これがたったの2年間で変わってしまいます。
 まず、サービス費用の1割自己負担が、原則となります。例えば、ぷくぷくワールドに通ってクッキーを作るのにも利用料がかかります。給食費も含めて、大体合わせて月に約3万円払わなければならなくなるようです。
現在の利用者の工賃が約2〜3万円ですから、トントンか、足らなくなります。これでは何のためにクッキーをつくりに来ているのかわかりません。
 障害者の所得保障がしっかり整備されていない中、負担ばかりが増えれば、生活自体ができません。この先を考えると命に関わることです。
 さらに、専門家で構成される審査会、障害程度によって住む場所を分けられてしまうグループホーム、ガイドヘルパーも個別給付から除外されて、利用時間が減らされる恐れがあります。まだまだ他にも書ききれませんが、問題点は山積しています。
 これからも私たちは地域であたり前に生きていくための働きかけを行なっていきます。 
    (高田 仁)

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