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原料焼酎の仕込みから本格みりんを造る滑p谷文治郎商店の三河みりん
カタログ“1998年12月1週”
原料焼酎の仕込みから本格みりんを造る滑p谷文治郎商店の三河みりん
 古書に「密淋酒」「美淋酒」「美淋酎」と書かれ、ほんのり淡い甘口の高級酒として飲用されていたみりん、料亭でさめた魚料理でもおいしく食べられるように使われ始めたみりん。 かつて、この「みりん」は「焼酎」(清酒粕や米を使う)の中に「もち米」「米こうじ」を仕込んで作られてきました。いわば焼酎の中で、常温でじっくりともち米を甘酒にしたようなお酒なのでした。 
 しかし、今日、日本人が「みりん」と勘違いしている「本みりん」「みりん風調味料」は、それとは似ても似つかない、いわば砂糖水にアルコールを添加したようなものに成り下がっているのです。もちろん、そんな粗悪なもので料理に使ってもおいしいものができないのは当り前なのです。自然食品店で売っているものでも、その例外ではないのです。
 角谷さんを除けば、昔ながらの「みりん」を入手するのはほとんどない時代になってしまっているのです。 
角谷利夫さん
 角谷さんは、水の良さと温暖な気候に恵まれた、醸造業の盛んな愛知県三河地方で、明治43年の創業です。三河みりんの原料は、もち米と米こうじとアルコール度数40〜43%の焼酎です。この焼酎は自家製で、寒中に清酒を仕込んで醪(もろみ)を蒸留して造る本格焼酎と、その酒粕を蒸留した粕とり焼酎を合わせて使っています。
 この焼酎が角谷さんの特徴です。仕込んでから、みりんになるのに1年以上かかっています。このように昔ながらの原料と造り方で醸造したみりんは、さわやかな、きれのよい甘さがあります。ただ甘いだけでなく、旨みのバランスがとれていて、他の材料の持ち味を引き出します。三河みりんが、味に厳しいプロたちの間で絶大な評価を受けている理由はそこにあるのです。

工場風景
◇調味料として
料理にコクと旨み、テリ・ツヤなどを与えます。だし汁や肉・魚の生臭さを消す作用も。割烹料理の隠し味にふさわしい。

◇飲み物として
・正月用おとそとして
みりんにとそ散を入れて「おとそ」ができます。今回以降12月中は、とそ散プレゼントがついています。(柳かげにはありません)
・食前酒として  みりん2:梅酒1のカクテル
・食後酒として  清酒2:みりん1、国産レモン

◇みりんを使った梅酒作り
通常の氷砂糖と安物の焼酎を使ったものより安く出来、とても芳醇な飲み物が出来ます。無農薬の梅800gをみりん1.8Lにつけるだけです。砂糖も不要です。

みりんのニセモノ
 みりんは製法も確立した、世界に誇りうる日本の酒。もち米に秘められたおいしさを「醸造」という日本古来の伝統技術で引き出したもの。だから原料米に大きく左右されます。米の代わりに醸造用糖類で3〜4倍に増量されたり、原料品質の低下を化学調味料や添加物でかくしたニセモノが一般的となってしまっています。
 最近では、国外で一次加工した「もちみ」を造り輸入され始めてもいるのです。遺伝子組み換え、ポストハーベスト農薬、食品添加物なんでもあり。
◆本みりん:もち米、米こうじを本格焼酎とともに3ヵ月熟成後圧搾し、さらに半年後熟成して出来るのが伝統的みりん。
 これに対して、米の一部を醸造用糖類に、本格焼酎を醸造用アルコールに代え、米こうじに酵素製材を併用して短期的、低価格のものが一般的。
◆みりん風調味料:液状糖類に化学調味料、酸味料、香料など添加物を加え、合成されます。
◆醗酵調味料:清酒を造る途中で食塩を添加し、さらに本みりんに似せるために糖液、アルコール類、その他の添加物を添加して成分を調整したもの。

三州三河みりんと標準的本みりん、みりん風調味料の違い
*原料と製法
◆三州三河みりん
蒸したもち米と米こうじを本格焼酎(米を原料にして造った昔からの焼酎)と混ぜ合せ1年以上長熟して自然に出来る
◆標準的本みりん
蒸したもち米と米こうじにアルコール及び水アメを加え香味を調整して2〜3ヵ月で造る
◆みりん風調味料
水アメやブドウ糖又はデンプン質の糖化液にグルタミンソーダを中心とする化学調味料やアミノ酸液香料等を混合して作る。更に雑穀を原料に糖化アルコール醗酵した調味液にアルコールと塩を加えた物もある

*風      味
◆三州三河みりん
ふくよかな香りにきれのよいさわやかな甘さと余韻のある自然の旨み
◆標準的本みりん
アルコールの中にやわらかな甘さと旨みがあります
◆みりん風調味料
ねばりつく甘さや重い味が残る単調な味

*アルコール分
◆三州三河みりん
約14%
◆標準的本みりん
約14%
◆みりん風調味料
殆ど含まない、一部9〜12%程含んでいる物は食塩を2〜3%含有

*飲用として
◆三州三河みりん
もともと甘味滋養飲料として製法が確立した酒でおいしく飲める
◆標準的本みりん
甘さが強く出すぎて飲みにくい
◆みりん風調味料
アルコール分がなく又あっても塩を含んで全然飲めない

*その他
◆三州三河みりん
しょうゆ等とよく馴み、味の浸透をよくして煮くずれしない、腐敗しない
◆標準的本みりん
煮くずれしなくなる
◆みりん風調味料
開栓した後カビが生え易い

*米1升(1.5kg)からできる味醂
◆三州三河みりん
1.8L
もち米そのままを焼酎の中でこうじで溶かした濃醇な味醂です
◆標準的本みりん
4.5〜7.2L
糖類アルコール等で増量している
◆みりん風調味料
数種類の原材料添加物を使い複雑な工程を経る。商品によって千差万別


          −文責 西川栄郎−





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