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国産のエサにこだわったヤングブルビーフ(YBB)
カタログ‘2010年10月3週号’
ホルスタイン種の若齢未去勢牛。牛肉本来の健康な赤身です。


◆国内で安全性の最も高い畜産
 世界遺産・知床半島の付け根にある北海道標津町において、興農ファームの本田廣一代表は、私が国内で最も安全性が高いと評価する畜産に取り組んでいます。
 飼料は有機牧草をベースに、可能な限り国産のエサにこだわっています。ポストハーベスト農薬、遺伝子組み換え、飼料添加物、動物医薬品、狂牛病、O-157、口蹄疫などとは無縁の安全な畜産です。
 興農ファームの基本理念は、人の利用できない草や農業残渣物を利用して、家畜と人が共生できる本来の畜産に戻すことです。めざしてきた牛肉は安全でかつ大衆的なものです。
 その主力は、ホルスタインの雄の子牛を肥育するYBB(若齢未去勢牛)です。ほかに、放牧黒毛牛のブラックアンガス牛(オルターカタログ2009年12月3週号参照)、放牧豚(食べもの百科P76)にも取り組んでいます。
 とくにブラックアンガス牛については、2001年にオルターが基金を積んでプロジェクトを開始し、以来オルターと興農ファームの共同事業として取り組んでいます。現在、日高の様似町の300haの広大な原野で、ブラックアンガス母牛100頭規模の草だけの山地酪農による育成牧場の計画も検討中です。 

◆たっぷりの牧草と国産材料の発酵飼料
 興農ファームはスタッフ24名の農場です。
 牛はホルスタイン約900頭、ブラックアンガス約100頭、豚は約1000頭飼っています。
 牧場は120町歩。チモシー、イタリアン、オーチャード、クローバー、アカクローバーなどの牧草を植え、年2回刈っています。化学肥料を全廃して33年目になりますが、牧草の収量はむしろ年々アップしてきています。春と秋に堆肥を散布しています。有機牧草をしっかり与えた上で、自家製の発酵飼料を与えています。
 発酵飼料の材料は約87%国産のものを使用しています(肉牛としては国内最高)。発酵飼料の材料は小麦、ビートパルプ、じゃがいも、酒粕、大豆、籾殻などです。今後、飼料米が入手できてくるとトウモロコシなど輸入のものは全廃していく予定です。スーパーの野菜くずや残飯などは安全性に問題があるので使用しません。主力の肉牛はホルスタインの雄牛、未去勢牛を使います。ホルスタインを育成するのは北海道の条件からであり、未去勢牛を使う理由は以下の3つです。
1)問題となっている女性ホルモン剤を投与していない証し
2)増体効率がよく若齢肥育が可能
3)脂肪の少ない赤身牛肉になる
 (脂肪の多い肉は健康上も供給したくないから)
 生後1週間前後から哺育→育成→肥育して、16ヶ月〜17ヶ月で出荷します。とくに工夫してきたのは内臓、とくに強い胃の牛を作ることです。現在の市場価値が黒毛和牛、さしの入った脂っぽい牛肉というものに向いている時代に全く常識はずれにホルスタイン、それも雄、ましてや未去勢牛なのです。しかし、熟成段階で、これがなんとおいしい牛肉になっているのです。現在の飼い方は広い開放系の舎飼いです。

◆YBBは堅いか
 私の長男・渉(オルター取締役)が留学していた北京から帰国した頃、「日本の牛肉はまずくて気持ち悪いけれど、興農ファームのYBB赤身牛肉ならおいしく食べられる」と評価したことがあります。牛肉のことをよく知る外国の人たちも同意見です。
 YBB牛肉は、赤身内脂肪(いわゆるサシ)が少ない赤身牛肉なので、毎日の食事で脂質過剰になりがちな現代人にとってヘルシーな牛肉だといえます。あっさりした風味で食べ飽きせず、噛むほどに味わい深い旨みが広がります。これが本来の健康的な牛肉です。
 しかし、なんでも柔らかいものをおいしいと思う日本人、牛肉のサシを好む一般の日本人の中には、このYBBの赤身牛肉は堅いと思う人がいるのも残念ながら事実です。
 そのような方にはコーボンやレモンを使って柔らかくして食べる方法がありますので、くれぐれも問題だらけの市販の牛肉に手を出さないことです。興農ファームとしてもこの硬いというご意見に対し、熟成期間を長くして柔らかくするなど工夫を始めています。また、ブラックアンガスのほうはそのような日本人の好みに十分応えられる柔らかい牛肉ですので、こちらもご利用をおすすめします。

◆安全な牛肉を守り続けています
 本田廣一代表は日本有機農業研究会の元幹事です。2006年に有機農業推進法が制定されてからは、文字通り全国を飛び回って活躍しています。
 1976年に現在の標津町に入植した頃は酪農を営みました。しかしミルカー(搾乳機)の不良事故によって1990年に酪農を断念せざるを得なくなり、肉牛生産に切り替えて現在に至っています。
 この肉牛生産は、ある生協によって支援され成長してきました。しかし興農ファームの牛肉の価値を組合員に十分に説明しきれていないのか、狂牛病などの騒ぎが起きるたびに在庫がだぶつき、そのつどオルターが興農ファームの窮地を助けなければなりませんでした。現在もその生協は、不況下でも売りやすい「すそもの(安価な部位や規格外品)」しか買わず、そのわがまま買いのため、だぶついた高級部位の在庫が興農ファームの経営を脅かしています。
 オルターは興農ファームのSOSを受け、2010年6月から「興農ファーム応援・YBB牛肉緊急SALE」を呼びかけ、この牛肉の価値がわかる全国の仲間に向けて販売する努力を続けています。それが自分たちが口にする安全な牛肉を守ることだからです。
 日本に安全な畜産を広げていくため、オルターはこれからも興農ファームと協力を続けます。


興農ファームの赤身ヘルシー牛肉(YBB)
■品種
 ホルスタインの雄。興農ファームでは子牛はすべて顔の見える標津農協管内の酪農生産者から購入しています。子牛は生後10日で興農ファームに引き取られ、狂牛病で問題となる肉骨粉などのない特製のミルクから育てられます。

■飼い方
 開放型牛舎で去勢しないまま飼育し、生後16〜17ヶ月で出荷します(若年齢肥育)。雄牛の角も除きません。動物医薬品は5種混合ワクチン、クロストワクチンを使用。発熱時や細菌性下痢で重症の場合や外傷時に抗生物質を使用する程度で、必要最小限しか使用しません。ブラックアンガス牛はほぼ全く使用しなくて済んでいます。

■エサ
●牧草・・・農薬・化学肥料を一切使用しない有機栽培牧草(チモシー、イタリアン、オーチャード、クローバーなど)をたっぷり食べさせています。
●発酵飼料・・・材料の87%が国産の農業残渣物(くず小麦、くず米、くずじゃがいも、じゃがいも皮、道産大豆、じゃがいもでんぷん粉、ビートパルプ、雑豆、酒粕、ふすま、米ぬか)で、残りの13%が輸入穀物(トウモロコシ、麦、ふすま:すべて非遺伝子組み換え農産物)です。

生涯で1頭当たり、牧草以外の上記発酵飼料は約4,000kgと比較的少量しか与えていません。肉骨粉を含め、動物性飼料はこれまでも一切使用していません。またポストハーベスト農薬、遺伝子組み換えも排除しています。

■最新の屠場システム
 解体屠場は1996年2月にオランダのシステムを国内第1号として導入した北海道畜産公社北見事業所です。
 O-157騒ぎの起こる前からO-157や狂牛病チェック体制を国内で始めていた屠場です。食道結索、直腸結索を行い、O-157の原因を完全にシャットアウトしています。屠殺から枝肉まで一度も肉に手を触れることなく、フックに吊るしたままで地面にも置かず、ドライ方式で、水は骨髄の洗浄に最小限度用いられるだけの落下菌の繁殖もないシステムです。雑菌の増殖をカットしているため、枝肉段階でもドリップが全く発生していない完璧な管理の屠場です。
 この公社で屠殺、解体、ブロック熟成、その後-45℃で急速に冷凍し、興農ファームでスライス、パック詰めを行います。この途中、狂牛病特定汚染部分などの汚染や他の屠体と紛れることはありません。

■柔らかく召し上がるには 
 脂肪分が少ないYBB牛肉は、噛みごたえのある肉質です。霜降りのような柔らかい牛肉をお好みの方や小さなお子さん、お年寄り向けには、あらかじめ玉ねぎスライスまたはすりおろし、柑橘類の果汁(酢でも可能)、キウイ、パインなどのみじん切りと適量もみ合わせ、15分以上置いてから調理してください。
 コーボンや料理用コーボンに漬けても柔らかくなりますが、長時間漬けすぎると溶けてしまうことがあるのでご注意ください。

■解凍方法も自由自在
 冷凍でお届けしますので、冷凍庫保管で60日以内に加熱調理してお召し上がりください。
 冷蔵庫での自然解凍、常温解凍、袋ごと流水につけながらの急速解凍、どれもOKです。ドリップが出ますがその大小で味が損なわれることがありません。ドリップ(血汁)ごと野菜のスライスに揉み込んで炒めてもおいしく調理できます。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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